水龍 雷龍
遥か遠い昔、水龍と雷龍というものがいた
その二人は大きい体と二本のツノ、立派な牙があった
周りの龍はその二人を恐れていたが水龍と雷龍は全く気にしてなかった
二人は仲が良かった
いつも一緒だった
これが一生続くと思っていた
でも違った
周りの龍がどうにかして二人を引き剥がそうと雷龍を呪ったのだ
そんなことを知らない水龍はいつものように雷龍のところへ向かった
雷龍は水龍を攻撃した
水龍は困惑した
あの雷龍がこんなことをするわけがない
そう思った
でも雷龍の攻撃は止まらなかった
水龍はとうとう雷龍の攻撃を受けてしまった
その瞬間、体の中に何かが入ってきたのがわかった
呪いだ
水は雷を通しやすい
そう、この原理を使って雷龍の中にいた呪いが水龍の中にも移ったのだ
周り龍はまたこの二人を恐れた
今までは何も攻撃してこなかった二人が自分たちの住処を破壊しているのだ
自分たちが二人の仲を引き剥がそうとしてとんでもないことを起こしてしまった
そう思ったもの達は必死に呪いを解こうと試みた
でも、無理だった
二人の力が呪いで倍増してしまい解こうにも解けないのだ
周りの龍は悩んだ
その結果、自分の体の一部を差し出すことにした
あるものは目を
あるものは耳を
あるものは指を差し出した
その思いが伝わったのか
しだいに呪いは解けていった
龍達は喜んだ
これまでにないほどに喜んだ
だが、水龍と雷龍は違った
勝手に呪いをかけられたうえ、謝罪もなしに自分たちだけで喜んでいるのだ
腹が立った
結果、呪いに関係している龍は全員二人に殺された
だが、呪いに関係していても子供と女は生かしておいた
呪いがまた出てこないよう、
永遠と体の一部を献上させるための材料を育てるため…
不 アァ”?
ここ どこだァ?
胡 何なんでしょうか、
大きなスクリーンに何か変なものがあります
甘 こっちに変な巻き物と筆もありますよ〜!!
宇 こりゃド派手にやべぇことになっちまったなぁ!!
いまいち状況が把握できない
あの不気味な城から異空間へ飛ばされたことは他の者達の言動から見てわかるが、どのような場所にどのような物があるのか全くわからない
困ったな
悲 南無…すまないが、ここには何があるのだ?
物の位置は把握しづらくてな
胡 え〜っとですね、
おおよそで横が15メートル、
縦が10メートルぐらいの部屋の中央に
おそらくですが映像を映し出す物と、 その奥に映像を映し出すためのスクリーンがあって、
部屋の端に古い机、その上に巻き物と筆があります
後は、この机の反対側の壁にぎっしりとアルファベット、数字、ひらがなのそれぞれが書いてあるボタンがあります
悲 成程、感謝する
胡 いえいえ
時 あの、この映像を映し出すやつの下にある横長の穴って何ですか?
甘 ん〜、大きさ的に写真が出てくるんじゃないかしら!
外国にもそんな機械があるって聞いたことがあるわ!
煉 とても不思議な場所だな!!
伊 それよりも俺は甘露寺の言った巻き物の方が気になるんだが
胡 そうですね
一旦そちらを見てみましょうか
宇 これ、何で読むんだ?
胡 え、?え〜っと〜、
み、みずりゅう、?
冨 、!!
もしかして、
「水龍 雷龍《すいりゅう らいりゅう》」
、か?
胡 、確かに 言われてみればそう読めます
ですが、何で冨岡さんがわかるんですか?
冨 俺の育ったところでの有名な話だ
胡 そうなんですねー、
…あら、?この巻き物ボロボロで何が書いてあるかほぼ読めないですね
宇 こりゃ派手にボロボロだな!
煉 む!?この点々はなんだ!?
胡 さぁ?
、おそらくそれは点字だ
私の故郷では言った通り「水龍 雷龍」という
物語が有名だ
そして、不思議なことに私のいた場所では物語と同じように目や耳が機能しないなどの障害がある者や、 指や足が大きく欠損している人が多い
しかも生まれつき
あ、そういえば鬼の名前水と雷だったような気がする
物語の龍の名前と一緒
でも、物語とは少し違う部分が気がする
どこだっけ、?
胡 …冨岡さ〜ん!!
冨 !、なんだ?
胡 なんだって、さっきから私ずっと呼んでましたよね!?
冨 すまない
気づかなかった
胡 もう、本当にしっかりしてください!
この物語を知ってるの、貴方しかいないんですからね?
冨 あぁ わかっている
胡 本当ですか?
冨 、あぁ
胡 じゃあ
この物語、覚えている範囲でかまいませんので知ってること全部話してください
できる限り内容も教えもらいたいです
冨 わかった
まずい、
どうしよう
何も思い出せない
点字をさわれば読めるけど、柱のいる 前で点字を読み始めるのはおかしくないか?
冨 (詰んだな、どうしよう
胡 、まさかとは思いますが 覚えてないのですか?
冨 …
胡 なんとか言ったらどうですか?
黙ってたって何も分かりませんよー??
冨 、忘れた
胡 っはぁ〜、それを早くいえば良いものを…
仕方がありません ここは頑張って解読するしか
、
煉 冨岡はこの点々が何かわからないのか!?
不 おい煉獄ゥ、
まだ人が話してる途中だろうがァ”!
煉 む!すまない!!
煉 それで、何かわかるのか?
冨 、点字だ
不 てんじィ?
なんだよそれ
冨 目が見えない人が使う文字のことだ
俺の故郷では目の見えない人が多かったからな
時 冨岡さんは読めないの?
冨 、少しなら
胡 じゃあ、読んでください
冨 …わかった
集中するために機能していない目を閉じる
そして、ボロボロで埃まみれになった感覚がする巻き物に指をそわせ、慣れた手つきで指を下に動かしていく
わずかな凹凸を見逃さないよう、ゆっくりと
冨 (やはり、点字はいいな
私みたいなのでも物語を楽しめるし
とても便利だ
、?ここ点字が途中で途切れてる
ボロボロだと言っていたし、すり減ったのだろうか…?
気付けば物語をすべてを読み終わっていた
冨 (もう少し読んでいたかったな
そう思いながら少しの寂しさを胸に閉じ込め
他の柱がいる方向を見る
冨 読み終わったぞ
胡 …っあぁ!
ありがとうございました
(綺麗な声だったな〜、ずっと聞いていたい
甘 (キャー!!冨岡さん素敵!!!
スラスラ〜って文字を全部読んじゃってかっこいいわ〜!
時 なんか龍の名前が今回の鬼の名前に似てましたね
冨 あぁ
だから、俺は今回この物語が鬼の討伐とこの術を解くための鍵となっていると思う
不 そこまでわかってんだったらさっさとしろよ
冨 わかっている
こちらだって周りが何も見えてないんだから
せかさないでほしい…
宇 そういえば、この筆ってなんなんだ?
胡 物語に筆など出てきてなかったですし、
何かを書けということでしょうか、?
甘 …あ!印をつければいいんじゃないですか?
行の間に不自然な間があいてますし、ここに線とか引いてみたらいいんじゃないでしょうか!
煉 うむ!!確かにそうだな!!
時 でも、何を書けばいいか分からないですよ?
宇 それを今から考えるんだよ
今回の鬼は、この物語に関係しているのは確かだが、少し内容が違う部分がある
それは、子供が一人もいなかったことだ
ただの偶然かもしれないが、女性がいるのなら
子供も道連れにする物だって一人ぐらいはいるはずだ
…だが、これが何につながるというのだろうか、?
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