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「ごめんね、司くん。気にしなくて大丈夫だから。」
🌟「そう、ですか、」
過呼吸は治まり、今は眠っている。名前を出すべきじゃなかったんだ。罪悪感にかられる。
「……後ろに椅子があるから座って」
🌟「……!!」
「少しお話しましょうか、」
お姉さんはニッコリと笑って座るように促してきた。それに甘えて席に着く。
「寺田瑠衣奈のことなんだけど、」
🌟「お兄さん、なんですか、」
「うん、正確に言えば血は繋がってないわ」
🤖「繋がってない、??」
「えぇ、私たちのお母様は病気で亡くなっちゃってね。それでお父様の再婚相手が瑠衣奈のお義母さんだったの。」
🌟「あ、」
言われてみれば顔が似ていない。2人は綺麗な瞳に容姿をもってる。だが、奴は、
「瑠衣奈は最初凄く良い義兄さんだったわ。だけど、日に日に翼に暴力を振るようになってね。…大体予想はできてたけど再婚理由はお金目的だったんでしょう。お父様は結構馬鹿だから、女の裏を暴け無かったの。」
お姉さんの目が段々黒くなっていく。
「お義母さんは私たちにもあたってきてね。お父様が仕事でいないからって遊び呆けて。願っていいのなら離婚してほしい。だけど、それを伝えたところで信じてくれなくって。」
🎀「そんな……」
「まさか、翼の大好きな類くんにも被害がいっているのなら、そろそろ考えないとね。」
🌟「その、聞きづらいんですが神代先輩とはお友達…ですよね、。」
友達なのは知ってる。だが、こういう聞き方しかできない。他にいい方法があったらな。
「えぇ、唯一の友達になってくれた子だった。いつもお話して、翼の大好きな役者の夢も一緒に叶えようとしていたの。この子は元々体が弱くって病院通いで誰も友達がいずに1人だった。そんなところに声をかけたくれたのが類くんだったってわけ。」
🎀「覚えています。すごく楽しそうでした。」
「でしょう?大好きな先輩だったらしいの。植物状態になった時も毎日通ってくれてね。今は高度な医療技術とお金でやっと喋ることも食べることもできるようになった。」
🌟「失礼な質問ですみません。その…恨んでないんですか。」
「え、??」
🌟「弟さんがこんな状況になって、。」
オレには分からない。妹が入院していたから尚更。
🌟「失礼だと思ってます。ですが……。」
「司くんには兄弟がいたりする?」
🌟「っ、妹がいます。」
「そっか。……良いお兄さんだね。」
🌟「……っ、どうして、です、??」
「私も最初はそうだった。どうして私の弟をって。毎晩泣きわめいてたなぁ。起きても話ができないなんて死んでるも同じでしょ?」
🌟「そ、うですね。」
「それで入院先が変わってここになって。そしたら、類くんが尋ねてきた。最初は拒否したよ。主犯だし、話したくもなかった。だけど、類くんは翼に会えなくても毎日来て私やお父様に謝ってた。雪の日も雨の日も。正月の日だって。その真っ直ぐとした姿勢に負けちゃって。気づいたら仲良くなってた。」
窓から入ってきた暖かい空気が場を包み込む。
「翼のことを私よりも理解してた。知らない1面だったり思ってることだったり。類くんには頭上がらないな、。ほんとに唯一無二のお友達だと思うの。翼も姉である私も家族も救われた。あんな笑った顔初めて見たから。」
あぁ、良い笑顔だ。すごいな、先輩は。気付かぬうちに人を笑顔にできるなんて、。
「確かに植物状態になったことは変わりないよ。…でも、あの子にとっては大切な存在だから。だから、自分がこんな状況になっても許せたんだと思う。それ以上のものを貰ったから。今度は僕が返す番だ、って意気込むほどだもん。」
🌟「…かない、ませんね、」
「えぇ、」
先輩はもう償えているじゃないか、。
🪽「ん、、つかさ、くん?」
「翼ッッ!!」
🌟「大丈夫か!?」
🪽「ごめん、ね。急に…倒れちゃって、。」
🌟「いや、オレが悪いんだ。すまないッッ。」
🪽「司くんは何も悪くないよ、」
笑って微笑んでくれる。絶妙に日が差しており、綺麗だ。
🪽「ねぇ、お願い1つ聞いてくれる?」
🌟「む、お願いか?」
🪽「うん、僕この病院から出れないから…」
🌟「…!!、」
🪽「本当は僕自身で叶えたかったけど無理そうだから、。」
🌟「オレでいいのか、??」
🪽「司くんにしか頼めないから、」
同い年なのにどこか少しだけ大人びている。どうしてか分からないがそんな風に見える。
🪽「……類くんを、助けてあげて、」
🌟「え、」
🪽「ほんとは、ほんとはね、僕沢山助けてもらったからっ、自分の体を動かして助けたかった。恩返しがしたかった。」
🌟「……」
🪽「だけど、だけど、。こんな足の使えない状況じゃ、僕には無理だから、。」
日に照らされて、綺麗な瞳から雨がポタポタと落ちていく。
🪽「でも、後悔はしてないよ。こんな体になってもっ。その分、沢山のものを貰ったからっ、、。僕は満足だ、。
どうか、どうか、義兄ちゃんを止めて欲しいッッ。無理なお願いだけど、類くんを、大切な人を助けてほしいッッ、。」
🌟「〜ッッ。あぁ、絶対に絶対に助け出す。翼の思いも全て背負ってぶつけてやるッッ!」
そっと小指を差し出す。
🌟「約束、な!」
🪽「〜ッッ、。うんっ!」
昔から使っている「指切りげんまん」。妹とも何度も約束した。
必ず、必ず、翼との約束は叶える。
同じ夢を追う役者として。
待っていろ、寺田瑠衣奈ッッ!!!