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🌟「よし、話も終わった事だし、ここで解散だな」
🤖「よかったね、優しい方で…」
🎀「でしょ〜、翼くんのお姉さん、めちゃくちゃ綺麗なんだよ〜」
🌟「綺麗なんだよ〜、じゃない!知り合いなら言ってくれればよかっただろう!?」
🎀「ま、まぁまぁ、」
時刻は6時すぎ。予定よりも1時間過ぎている。まずい。このままでは病院に間に合わない。
🤖「さ、帰ろ。もう遅いし。」
🎀「そうだね〜」
🌟「……、」
🤖「どうしたの、司。」
🌟「すまん。先に帰っててくれないか。」
🤖「え?」
🌟「寄っていきたい店があってな」
オレには病院を寄らないなんて選択肢はどこにも無かった。例え、帰りが遅くなろうとも関係ない。
🤖「そ、そう?」
🎀「えぇ、先輩どこいくの〜?」
🌟「む、?そこら辺の雑貨屋だ」
🎀「そっか〜」
雑貨屋なんてあったか、?まぁ良い。適当に誤魔化せれば。
🎀「じゃあ、帰ろ〜。寧々ちゃん」
🤖「……私も行く」
🎀「えぇ!?」
🌟「あ、いや、大したものじゃないんだ。一人で帰るし、」
🤖「ってことだけど、暁山さんは一人で帰れる?」
🎀「全然、ボクは良いけど、」
な、なぜ寧々が!?やばいな。1人で行かなくては嘘がバレてしまう、。
🌟「やはり、寧々。1人で…」
🤖「じゃあ、行くよ」
🎀「ばいばーい、2人とも♪」
腕を掴まれ逃げられない。暁山を見送り、寧々と2人きりになる。いち早く行かなくては、。
🤖「ねぇ、病院行く気でしょ」
🌟「は、、」
鋭い目で睨まれ、額に汗が滲む。
🌟「そ、そんなわけないだろう?もうこんな時間だし、オレは店に…」
🤖「……1人で抱え込まないでよ」
🌟「っ、」
🤖「類が倒れてからずっとそう。類みたいに自己解決してさ、。ねぇ、私そんなに頼りない?」
🌟「そういうわけでは…」
車の騒音。人々の会話。いつもは聞こえるはずなのに今は全くもって聞こえない。まるで時間が止まってしまったようだ。
🤖「…っ、分かってるなら話してよッッ!」
🌟「…ッッ、」
寧々の怒鳴り声に少し驚く。ステージでは美しい音色を響かせる彼女からは考えられないほどの迫力だった。
🤖「どうして、どうして、私だけ置いてくの?仲間でしょ?…せっかく4人で頑張っていこうって話だったのに。」
🌟「分かってる。話すべきことも。だが、これはオレの問題でっ、」
🤖「ほんとに司だけの問題、??」
🌟「それは…」
🤖「もうやめよう。1人で抱え込むのも。」
心にじんわりと響いてくる。分かってる。無理なことぐらい。周りを頼りたくない気持ちがあるのも。
🌟「…オレはただ”約束”を守ろうとしてるだけだ。これくらい、どうってことない。」
🤖「っ、自分がどうなろうとも?」
🌟「あぁ、」
🤖「……………じゃないの、」
🌟「む、」
🤖「馬鹿だって言ってるのッッ!!」
耳が痛くなるほどの大きい声。流石の大きさに歩いていた人までも立ち止まる。
🤖「自分がボロボロになろうと関係ない?、笑わせないでッッ。寝る間も惜しんで、体調不良も隠して、何になるのッッ??」
🌟「…、オレは我慢しなきゃ、」
🤖「我慢、我慢って、ならいつまでも我慢する気ッッ?例え、それで周りの人が悲しんでも別に構わないのッッ、?」
🌟「……頼りたく、ない」
先輩との”約束”を守らなきゃ。助けなきゃ。オレはどうなったって良い。だから、
🌟「ほっといてくれ、寧々。」
🤖「は、」
🌟「これはオレからのお願いだ。大丈夫、必ず神代先輩を助ける。」
先輩も戦っていたように今度はオレが戦う番だ。そっぽを向き、歩き出す。すまないな。こんなオレで。仲間、1人でさえも笑顔にできない。座長失格だな、。
🤖「……待って、」
服の袖を引っ張られる。もう話すことなどない。
🌟「話すことは、」
時間が無いんだ。手を振り払おうと後ろを向いた瞬間に唖然としてしまった。
🌟「え、?」
寧々が泣いていたのだ。思考が停止する。この場合どうすればいい。寧々とはいえど異性に変わりない。
🌟「どうし…」
🤖「……いやだ、」
🌟「え、?」
🤖「いやだ…、大切な人がいなくなるのは、」
🌟「……、」
🤖「…私の友達も仲間も身内もいつか、いなくなってく。そんなこと分かってた。分かってた…のに、どうしてこんなに苦しいんだろう、、。」
🌟「苦…しい、?、」
🤖「私にとって兄みたいな存在の類がいなくなって、今度は司がいなくなるの、??」
涙が地面に落ちていく。
🤖「私の大好きなあの場所は、仲間は。また、何も出来ずにみんな居なくなっちゃうの、。いつもそう。私の大切な人ばっか奪われて。苦しんで。おかしいよ、ねぇ。」
🌟「ッッ、」
🤖「いやだ、いやだ、いやだよ、。失いたくない。類のことでいっぱい、いっぱいなのに。不安で仕方ないのに。司までも居なくなれば、私どうしたらいいの、。」
寧々の気持ちが痛いほど伝わってくる。
🤖「また、1人ぼっち?もう嫌だよ、無力だって実感するの。奪われるのも。お願いだから、1人にしないで、。」
無力だと実感してるのはオレも同じだ。何度、自分を恨んだか。その度に神代先輩が何度苦しめられたか。
🤖「つかさっ、おねがいだからぁっ…」
まただ。何も出来ずに見ることしか出来ない。仲間はこんなにも泣いて引き止めてくれているのに。オレはこの気持ちに答えることすら、できない。
そっと自分の手を寧々の頭に置く。
🌟「…寧々の気持ちも痛いほど分かる。オレが1人で抱え込んでいるのも。話して欲しい気持ちも。 」
🤖「…っ、」
🌟「だがな、」
そっと体を抱き寄せる。こんなにも体が小さかっただろうか、。
🌟「周りのヤツが未来に向かって進んでいくように、オレたちもここで立ち止まってはいられないんだ。失いたくない気持ちも、頼って欲しい気持ちも全て嬉しい。そんなにもオレのことを思ってくれているんだな。」
🤖「ヒック……ヒッ」
🌟「大丈夫だ。オレは寧々の前から絶対に居なくならない。無理をしているのもわかってる。限界があることも。…でもな、あと少しなんだ。こんな思いをするのも。」
あと少し、。
🌟「しっぽは掴んだ。情報だって貰った。後は寺田瑠衣奈を潰すこと。それと…、」
🤖「…、」
🌟「先輩が目覚めるのを待つことだ、。」
必ず。
🌟「絶対に目を覚ましてくれる。信じてる。いつ起きるかは分からない。もしかしたら、今日かもしれない。明日かもしれない。
…そんな時に隣にいてやりたいんだ。」
🤖「とな、りに、?」
🌟「あぁ。隣にいて安心させてやりたい。辛い気持ちも全て吹き飛ばせるようにって。…誰よりも支えてやりたいんだ。」
悲しまないようにって。
🌟「わかって欲しい。オレの気持ちも。」
🤖「………こわく、ないの、??」
🌟「…怖い、か。」
🤖「どう、して…そんなに、強い気持ちで…いられるの、??」
🌟「…確かに怖いのは怖いぞ。人を失う恐怖。自分が倒れる恐怖。」
手を見る。寧々の背中の方に手を回しているため、本人には見られない。それが救いだな。だって、こんな震えた手見られる訳にはいかないだろ?
🌟「…怖いというより、後悔が勝つから…だろうか」
🤖「なに、それ、」
🌟「もし、ここで動いていれば。あの時、こうしていれば。なんて思いたくもないだろ?」
🤖「…答えになってないっ、」
🌟「そうか?だけど、そうやって考えれば頑張っていけるような気がして。」
体をそっと離す。
🌟「時間だ、寧々。」
🤖「っ、」
🌟「無理のないよう、オレは好きなようにする。……良ければ見守っていてほしい。」
すまないな、こんな形になってしまって。
🌟「…無力だと感じさせているのなら、そこは否定させて欲しい。」
🤖「え、?」
🌟「寧々。お前は十分オレの力になってくれているぞ。」
🤖「っ、!」
🌟「仲間ひとり笑顔にできないなんて座長失格だな、。」
よろけて笑ってみせる。
プーっ。そこで丁度バスが止まった。
🌟「じゃあな、またあした、」
バスの方向に走っていく。約束も仲間の思いも全て背負う。バスのドアに手をかける。もう、後ろなんて振り向かないから、な。
🤖「〜っ、司の馬鹿っっ!!」
🌟「は、!?」
振り向かないはずなのに。はずだったのに、あまりの大きい声に振り向く。
🤖「なにが座長失格よっっ!アンタは十分、類を笑顔にできたじゃないっ、」
🌟「…っ、」
🤖「失格なんて言わせないっ。ワンダーランズ×ショウタイムの座長はアンタしかいないんだからっ!!」
🌟「だがっっ、、」
🤖「…笑顔にできない?私はもう司からたくさんの笑顔を貰ったよ、」
🌟「え、、?」
🤖「…ありがとう、」
「バスが出発しますよ〜」
運転手にそう促され、ハッとする。待たせていた。
🌟「すみません、」
寧々に一礼し、バスの1番後ろの席に座る。
🌟「あぁ…また、助けられたな、。」
手にはポタポタと大粒の雫が落ちていた。
🤖「…まかせたよ、」
バスの中はいつもより静かに感じた。