テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
483
耀聖(ようせい)
1,194
858
辺り一面、白い。
この白い中を、なぜ私は歩いているんだろう。
それすらも、もう覚えていない。
第一、なぜこんな薄いズボンを履いているんだろう。
下を向くと、雪に負けない真っ青が目に入る。
もう、感覚がねえよ。
遠くに、灯りが見える。
人影らしきものも見える。
最後の力を振り絞って、駆ける。
女に、縋り付くことになるなんてな、。
なんで、こないな所を歩いてはるんどす?
分からねえよ。
分からねえよ、そんなの。
まあまあ、うちに入りましょう。さあ、お早くお早く。
お前こそ、なぜこんな所に居るんだよ。
…お兄はん、日本昔話いうものはご存知どすか?
それが、この状況で言うことか?
…それなりだよ、小さい頃にもうサヨナラだ。
あらまあ、読んでおかんと、勿体ないどすわあ。
……は?
見分けがつかんのも、そのせいでっしゃろねえ。?
目の前に、灯りが灯ったと思った時には。
俺の魂が、抜かれていた。
こちらも魂どすえ。…灯りやと思て、炎やと思て、縋って来はったんでしょう?
妖しく笑うその顔しか、もう見えなくなっていた。
アテは狐どすえ、御馬鹿なお兄はん?
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!