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「へ~これが雪の好きな小説かぁ」
のわ~!!
「何見てんの!」
キッチンでコーヒーをドリップしている間にテーブルの上に置いておいた私のバイブルを賢一がパラパラとめくっているところだった。
「夜のオフィスね、了解」
了解って何!!
「か、勝手に見ないでよ」
「だって、恋人が何を望んでいるのか予習しておきたいしね」
うううううっ。友人期間を通過しないお付き合いってこんなに甘いの?
てか、この人が特別??振り回されている感は否めないけど
心地いいって思ってしまう。
これ絶対惚れてまうだろ~
「思ったより、元カレの存在感のない部屋だね」
「まぁ、そんなにはここに来てなかったから」
コーヒーを手渡して賢一の隣に座る。
かといって、何を話せばいいのかわからずチョビチョビとコーヒーを啜っているとインターフォンが鳴った。
通販も頼んでないし、なんだろう?
インターフォンのモニターには茂が映っていた。