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「オレたちはここから帰ります。薬師のイルジナさんを送れれば良かったのですが、日が昇るまでお話が出来たのでそれでいいことにします。それにあれだけの冒険者がいれば――」


地下洞から砦の広間に戻り、そこで一休みをした。朝を迎えたおれたちだったが、どういうわけか大勢の冒険者の姿がそこにあった。


「お出迎えご苦労さま。それでは、ザームへ参りましょう!」


どうやら薬師イルジナの出迎えだったらしい。


その場で彼女が話を始めた後はこちらに軽い会釈をし、そのまま去って行ってしまった。デミリスたちがイルジナと何を話したかまでは分からないが、夜が満ちていた時間から朝までの間に変な感じは受けなかった。要するに今はまだ様子見といったところだろう。


シーニャだけは眠らずにずっと薬師を警戒していたが、薬師もこっちに気づいていた可能性がある。薬師イルジナは冒険者たちと砦を去った。現時点で薬師イルジナを敵とみるのは早計だ。


それだけに彼女たちがいなくなったからといって、砦を消すわけにもいかなくなった。目的は果たされたということでおれたちの目標はひとまず落ち着いた。そう思うしかない。


「アック様。これからどこへ行くのですか?」

「それだけど、ラクルに帰って休もうと思っている。シーニャも眠っているしな」

「あ~そうです!! ずるいです~ずるいですよ~! アック様の背中にくっついていられるなんて! ムキ~」


フィーサもシーニャと同様に眠っている。どうやら剣士デミリスと同行していた時にシーニャに使われて激しく疲れたらしい。


「そう言うなよ。シーニャが気を張っていたからこそなんだぞ?」

「あ、あうぅ~ご、ごめんなさいです~」


眠る二人を背負いながら砦から離れて歩き出したまでは良かったが、近くに小屋のようなものは見当たらず、ひと気がまるでないという問題が発生している。移動手段の一つとして転送《テレポート》スキルがあるが、スキルが低いという悩みがあった。


うかつに使えない以上は別の手段を考えなければならない。


「ルティ、一応聞くが小屋は作れないよな?」

「小屋ですか? むふふ……素材さえあれば作れたりしますよ~! 何か木材がありましたらっ!」

「木材か……。そういや――」


思いついた場所は冒険者たちを眠らせた場所だ。だがそこまで戻る意味は無い。そうなると残る手段はガチャだけになる。


「そういえばそういえば! ロキュンテには行かれないんですか?」

「何だ、ルシナ《お母さん》さんに会いたいのか?」

「そうじゃないですよ。そうであるとも言えますけど……、アック様はロキュンテを呼び出せるじゃないですか! あそこからなら自由に移動出来るんじゃないかなぁと」

「……あ」


ガチャで出した町召喚スキル。これを使えば、ルティの故郷ロキュンテを呼び出すことが出来る。


しかしそれにはある程度の広さが必要だ。幸いにして目の前には丁度良く広大な砂地が広がっている。ここでなら条件的にも不具合は起こらないはずだ。


【Uレア 火山渓谷ロキュンテを召喚する】


困った時の呼び出しと化している気がするが、おれは問題なくロキュンテを召喚出来た。地形的に不安はあったが何とかなったようだ。


「ほらほらっ! 呼べたじゃないですか~! さすがアック様!」

「ルティのおかげだな。ありがとう」

「いえいえ~そんなそんな~!」

Sランクパーティーから追放されたけど、ガチャ【レア確定】スキルが覚醒したので 、好き勝手に生きます!

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