テラーノベル
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『…』
「お前ッ!まさかコイツにまた…!」
「死にたくなければ失せろ!このクズ!」
私の目の前には男女が居る
高校生だ
何やら誤解されている
ただこうなるのは何となく予想出来た
十中八九奇声男の知り合いだろう
溜息を吐く
『あのなぁ…まずアンタら誰?』
「お前なんかに言うかよ」
他の者もウンウンと頷いている
あーこれは随分とお怒りだ
面倒くせぇー
ポケットに手を突っ込みスマホを取り出す
『すみません,遅刻します』
LI◯E に打っといて…
『で,わざわざ話しかけて来て何をしたいんだ?』
男女に向き直り言う
「理音に謝れよ」
『…誰?』
あ,中学の奴か,
そう思いながら彼らを見ると顔が真っ赤になっている
こちらを睨みながら言う
「自分が虐めた奴を忘れるなんてなァ!」
「本ッ当に最低だわ」
「コイツ予想以上にゴミだな」
と、言いたい放題だ
うーん,なるほど…躾がなってなかったか…
『一応言わせてもらうがアイツは元々中学時代の後輩だ』
向こうは私を更に睨んだ
『で,アイツは私に喧嘩を売って来た,だからやり返しただけだ,それが虐めか?』
「喧嘩って何を…」
『カツアゲして来たからボコしただけだ,それの何が悪い?』
「お前…嘘ついてるな」
あーーーーーー面倒せぇえええええ
「理音がそんな事する筈無いわ!」
『その根拠もねぇくせにギャーギャー騒ぐのはどうかと思うけどな』
あぁ言えばこう言う,ドンドン時間が過ぎて行く
本日2度目の溜息を吐く
このままでは埒が明かない
遠くから「おーい」と聞こえた
私以外の男女が理音と言ったのが聞こえた
コチラに駆け寄ってくる
ニッコニコで私に気づいていなようだ
私に気づいた時に5メートル程の距離だった
「エ…ト…何で先輩居るんスカ?」
軽く硬直した後困惑の表情を浮かべる
『その前に私がお前を虐めたって何なんだ?』
ギョッとした顔になりまたもや可笑しな奇声を上げる
「先輩が俺を虐めたって…誰が言ったんですか全く…」
心底面倒くさそうに頭を抱える
「…理音どう言う事?」
女が言う
そこで察しがついたのか淡々と説明を始める
「この人は…先輩は,中学の時グレた俺を強制してくれたんだよ」
「カツアゲとかしてた俺をな」
そう言うとドヤッとドヤって良いのか分からないがドヤッている顔をする
スマホを見る
通知が溜まっていた
(今何処に居るの?)と聞かれたので(廃墟)と送った
立て続けに(何も無かった)と送った
「てかさぁ」
『何だ』
「アンタ何で廃墟に居るの? 」
『…諸事情』
全く…止まっていた足を動かす
ふと足元を見ると下に何かある
鉄のような…何だコレ
残っている土をどかすと鉄の扉のような物が現れた
「えっ何コレ」
コンコンと軽くノックする
…部屋があるな
開けようとしたが鍵がかかっているのか開かない
軽く周囲を見渡し歩き始める
廃墟から鉄の棒を持って来る
男女は冷ややかな視線で私を見ている
「不法侵入」
「窃盗」
「犯罪者」
『黙れ』
軽く土を掘り何歩か下がって鉄の棒を振りかざす
鈍い音が鳴り響く
うーむ,硬いなコレ
「き,器物破損」
凹みが出来たので手で扉を掴み自力でこじ開ける
「うわぁ……」
ドン引きしている一同をよそに 中の匂いを嗅ぐ
鉄臭い,そして漂う悪臭
「え,待って時間?」
『…アンタらはそこで待ってろ.騒ぐな黙れ』
警察に連絡されたら私共々連行されそうなのでな
扉の中に足を入れる
真っ暗で何も見えない
ライトを付けても底が見えない
手と足を壁につけブレーキをかけながら下に降りる
「マジでさぁ…廃墟って何処だよ…」
アレックスとレイは悩んだ
LI◯Eに送られた一言
「とりあえず…位置情報を見ましょう」
スマホ,今時殆どの者が持っている遊んだら電話したり出来る優れ物
ただ新人君は持っていなかった
色々と不便なのでとりあえず実家からレイが姉のスマホを借りた事により連絡を可能にしたのだが…
「「…」」
2人は黙った
「何かのバグじゃない?」
アレックスが言う
レイがスマホを再起動した
位置情報は変わらなかった
「ここさ」
「…」
「「依頼の個体が居た場所だ」」
壁に触れる感覚が無くなった
ドサッと音がした
尻が痛いんだが
少しばかりイライラしながら前を見る
真っ暗で何も見えない
スマホのライトを付けると下に子供が居た
気配が無かった
音も無かった
嫌な汗が滴り落ちるのが,感覚で分かった
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