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「おーい!聞こえてるか?」
そこには昔の親友の姿があった。
私はまたか、と思いながら今日を掴む。
あの君は今日掴めないまま、君を置いてけぼりにしていく。
夢で流れてくる度、私の重い瞼を開けるときには涙で溢れていた。
私は、無意識にあの人を置いてけぼりにし、追いかけていた。
なんで貴方は先に逝ってしまったんですか?
私があの日、あの時、君のそばにいれたなら、こんな後悔はしなかっただろう。
そう思ううちに涙が自然と垂れていく。
あの日の夢を見て、覚める朝。
そして冷めた朝。
もう何もかもにどうでも良くなる。
私は紅茶を淹れるとともに涙を流した。
この瞬間だけで涙をどんだけ枯らしたろうか?
「はぁ…」
ため息を溢すと共に、頭がモヤモヤで満たされた。
「見てますか?スコットさん」
「貴方って人は、もう返事もしてくれなくなりましたね。」
私は返事のこない声を待つ。
「ふふっ…」
こんな独り言を呟くうちに自分がおかしくなってきてつい一時の笑みをこぼす。
「お父様。もう会社の時間では?」
イギリスが言う。
時間など心底どうでも良く、見ていない私は会社の時間をゆうに超えていた。
だがもう、何もかもどうでも良かった。
どうせ会社に行っても遅刻の説教など雑音にしか感じない。
ずっとずっと、あの人に憧れて。
もっともっと、一緒にいたくて。
貴方と記憶を辿っていたかった。