テラーノベル
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⚠️ こちらはd!の二次創作です ⚠️
死ネタ BL要素 が これから出てきます
地雷 彡 は 回れ右 !
朝の光は、思っていたよりやさしかった。
カーテンの隙間から差し込む光が、部屋をゆっくり明るくしていく。
病院の朝みたいな、機械的な音はない。
アラームも、看護師の足音もない。
sha(……静か)
シャオロンは、ぼんやり目を開けてから、すぐ気づく。
――近い。
顔を上げなくても分かる距離。
ロボロの呼吸が、すぐそこにある。
sha(……あ、そうや)
ここは、ロボロの家。
同じベッドで寝てて。
手、まだ繋いだままや。
指先を少しだけ動かすと、ロボロの指が反応して、きゅっと力が入る。
rbr「……起きた?」
低くて、まだ眠そうな声。
sha「……うん」
sha「おはよ」
rbr「おはよ」
ロボロは目を開けて、シャオロンを見る。
寝起きのせいか、いつもより少し柔らかい表情。
ロボロが、そっと距離を詰めた。
sha「……え」
声を出すより早く、唇が触れる。
一秒にも満たないのに、胸の奥が熱くなる。
rbr「……おはようの、やつ」
そう言って離れたロボロの耳まで、赤い。
sha「……っ」
シャオロンの方も、分かりやすく顔が熱い。
視線を逸らして、布団をきゅっと掴む。
sha「……朝から、ずるない?」
rbr「……えー、だってしゃーないやん。可愛い恋人が起きたら目の前居んねんから」
sha**「はぁ!?このばか!」**
シャオロンは顔を真っ赤にしてそう言った。
rbr「あ、そういえば昨日ちゃんと寝れた?」
sha「……うん」
sha「久しぶりに、途中で起きんかった」
その言葉に、ロボロは安心したみたいに小さく息を吐いた。
rbr「そっか」
rbr「それならよかった」
シャオロンは、ロボロの胸元に額を預ける。
心臓の音が、一定で、落ち着いている。
sha「……なぁ」
rbr「ん?」
sha「こうやって起きる朝がさ」
sha「当たり前になるん?」
少しだけ不安が混じった声。
ロボロは、迷わずシャオロンの背中に腕を回した。
rbr「なる」
rbr「俺が、そうする」
sha「……嬉しいな」
そう言ったシャオロンをぎゅっと抱き寄せる。
抱きしめるというより、包むみたいに。
sha「……離す気ないやん」
rbr「ないよ」
シャオロンは小さく笑って、ロボロの服をきゅっと掴む。
sha「じゃあ、俺も」
sha「離れん」
少しの沈黙。
でも、気まずさはない。
rbr「あ、朝ごはん、どうする?」
sha「……まだ、いい」
sha「もうちょい、このまま」
rbr「ん、そうしよ」
布団の中で、指を絡めて。
病室では出来なかったこと。
「普通」の、ゆったりとした朝。
sha(……幸せやな)
声には出さず、そう思った。
外では、また一日が始まっている。
でも二人は、しばらくそのまま、動かなかった。
起きてキッチンに立つと、朝の光が思ったより強かった。
窓から差し込む光が、シンクや作業台を白く照らしている。
ロボロの背中が、すぐ目の前にある。
エプロンを付ける姿が、やけに様になっていて。
sha「……似合ってるで、それ」
rbr「ほんま?嬉しいわ」
rbr「一応、今日は失敗せん予定やから」
そう言いながら、冷蔵庫を開ける。
中には、昨日言っていた通りの食材がきちんと並んでいた。
sha「ちゃんと買ってるやん」
rbr「信用なさすぎやって」
卵を取り出して、ボウルに割る音。
フライパンを温める音。
病院では聞けなかった、生活の音。
rbr「シャオロンは、座ってても――」
sha「俺も手伝いたい!」
sha「多分、切るくらいは出来るし」
そう言って、まな板の前に立つ。
ロボロが一瞬、言いかけてから、何も言わずに隣に来た。
rbr「んー、じゃあ、これお願い」
sha「うん、わかった」
二人分の距離。
肩が触れそうで、触れない。
包丁を動かすたびに、ロボロがちらっとこちらを見るのが分かる。
sha「……なぁ」
rbr「ん?」
sha「見すぎ」
rbr「……癖や」
それだけ言って、視線を逸らす。
耳が、また少し赤い。
sha(ほんまに分かりやすい)
焼ける音と、卵の匂いが広がる。
トースターが小さく音を立てた。
出来上がったのは、シンプルな朝ごはん。
卵焼き、トースト、スープ。
テーブルに並べると、それだけで少し誇らしい気分になる。
sha「……すご」
sha「ちゃんと“朝ごはん”や」
rbr「成功やな」
sha「奇跡ちゃう?」
rbr「奇跡言うな」
二人で向かい合って座る。
「いただきます」を言うのが、少し照れくさい。
一口。
卵焼きを口に入れた瞬間、シャオロンの目が少しだけ開いた。
sha「……美味しい」
sha「普通に、美味しい」
rbr「普通にって何や」
そう言いながらも、ロボロは嬉しそうだった。
自分の分を一口食べて、ほっとした顔をする。
rbr「よかった……」
sha「なんでそんな緊張してんねん」
トーストをかじりながら、視線が合う。
同時に笑って、少しむせる。
sha「……あは」
rbr「笑うとこちゃうやろ」
でも、二人とも楽しそうで。
sha(……一緒に食べるって)
sha(こんなに、安心するもんやったんやな)
食べ終わる頃には、皿は空っぽ。
テーブルの上には、静かな満足感だけが残る。
rbr「片付け、俺やるで」
sha「んーん、一緒にやりたい」
自然に立ち上がって、並んでシンクに向かう。
皿を洗う音、水の音。
何でもない朝。
でも、確かに「二人の生活」。
sha「……これから、こういう朝増えるんやな」
rbr「増やす気、満々やけど?」
シャオロンは、少し照れたまま、でもはっきり言った。
sha「……めっちゃ楽しみやわ」
ロボロは答えず、でも隣で、静かに笑っていた。
朝は、ちゃんと始まっていた。
二人分の生活として。
部屋には少しだけゆったりした空気が残っていた。
時計を見ると、まだ午前中。
rbr「……今日さ」
不意に、ロボロが言う。
sha「ん?」
rbr「無理せん程度でやけど」
rbr「どっか、行ってみる?」
シャオロンは一瞬きょとんとしてから、少し考える。
外出、久しぶり。
不安より先に浮かんだのは
——楽しそう、という感覚だった。
sha「……どこ?」
rbr「近場で、人混み少なめのとこがええかなって」
少し間を置いて、付け足す。
rbr「水族館とか」
rbr「平日の日中やから空 いとるやろ」
sha「……え」
sha「行きたい」
即答だった。
自分でも驚くくらい、声が軽い。
rbr「即決やん」
rbr「大丈夫そう?」
sha「うん」
sha「歩くのしんどくなったら、ちゃんと言う」
その言葉に、ロボロは少しだけ安心したように頷いた。
rbr「んふ、じゃあゆっくり準備して行こ」
外に出ると、朝より少しだけ空気があたたかい。
人の流れもまだ穏やかで、騒がしくない。
水族館に入ると、ひんやりした空気と、青い光。
ガラス越しに泳ぐ魚たちが、静かに迎えてくる。
sha「……すご」
sha「音、静かやな」
rbr「せやろ」
rbr「ここ、落ち着くんよ」
並んで歩く。
歩幅は自然と同じくらい。
シャオロンが少し立ち止まると、ロボロも止まる。
シャオロンは、ロボロの様子を横目で確かめてから、少しだけ迷って口を開いた。
sha「……なぁ」
rbr「ん?」
sha「……手、繋いで歩こ?」
一瞬の沈黙。
ロボロはきょとんとした顔をしてから、すぐに小さく笑った。
rbr「んふ、ええよ。繋ご」
そう言って、自分からそっと手を差し出す。
シャオロンは一瞬だけ目を見開いてから、ゆっくりその手を取った。
指が絡む。
あたたかくて、ちゃんと人の体温。
sha(……あ、落ち着く)
rbr「……大丈夫?」
rbr「疲れてない?」
sha「うん」
sha「むしろめっちゃ楽しい」
そう言って、少しだけ手に力を込める。
ロボロも、それに応えるみたいに握り返した。
歩き出すと、視界いっぱいに青い世界が広がる。
大きな水槽の前で、シャオロンがふと足を止めた。
sha「……なぁ」
sha「あの魚見てや」
ガラスの向こうで、光を受けてきらきら泳ぐ群れ。
sha「すっごい綺麗……」
sha「光みたい」
rbr「ほんまやな」
rbr「ずっと見てられるわ」
二人並んで、水槽を見上げる。
笑いながら、同じ方向を見ていることが、なんだか嬉しい。
sha「病院やとさ」
sha「時間、止まってる感じやったのに」
rbr「……うん」
sha「ここは、ちゃんと流れてるな」
ロボロは何も言わず、ただシャオロンの手を少しだけ強く握った。
少し歩くと、案内板が目に入る。
rbr「あ」
rbr「この先、ペンギンコーナーあるって」
その言葉に、シャオロンの目がぱっと明るくなる。
sha「え!」
sha「ペンギン!?」
sha「絶対見たい!」
sha「かわいいやろ、あれ」
rbr「そんなテンション上がる?」
sha「上がるに決まっとるやん!」
そう言って、少しだけ歩くスピードが早くなる。
手は、ずっと繋いだまま。
ガラスの向こうの青と、手のぬくもり。
どっちも、ちゃんと“今”にある。
sha(……来れてよかった)
声には出さず、そう思った。
ペンギンコーナーに近づくにつれて、少しだけ空気が変わる。
水の音に混じって、どこか賑やかな気配。
sha「……あ、見えてきた」
ガラス越しに、小さな影がちょこちょこ動いている。
sha「……っ」
sha「おる……!」
rbr「おるな」
rbr「そして思ったより近いな」
水中をすいっと泳ぐペンギン。
陸の上では、よちよち歩いているのもいる。
sha「かわいい……」
sha「歩き方、反則やろ」
思わず笑うシャオロンを見て、ロボロもつられたみたいに口元を緩める。
rbr「そんな顔で見るんやな」
rbr「ほんま、連れてきてよかったわ」
sha「……ん?」
sha「今の、どういう意味?」
rbr「そのまんまやけど?」
そう言って、少しだけ肩を寄せてくる。
手は、繋いだまま。
sha「……ずるい」
sha「こういうとこで言う?」
rbr「言いたくなった」
ペンギンが一羽、ガラスのすぐ近くまで来る。
二人の方をじっと見て、首をかしげた。
sha「見られてる」
rbr「ほんまやな」
ロボロは小さく笑った。
しばらくペンギンを眺めてから、通路を抜けると、時計が目に入った。
sha「え、もう昼前やん」
rbr「せやな」
rbr「軽く食べてから、イルカショー行くか」
sha「行く」
sha「絶対」
フードコートは平日だから落ち着いている。
並んでトレーを持って、同じテーブルに座る。
sha「水族館で食べるご飯、楽しいわ」
sha「なんでなんやろ」
rbr「非日常補正やな」
rbr「……でも」
ロボロは少し間を置いてから続ける。
rbr「一緒に食べてるから、ってのもあると思うで」
シャオロンは一瞬固まって、それから小さく笑った。
sha「……ほんま、さらっと言うよな」
sha「心臓に悪いわ」
rbr「駄目やった?」
sha「んーん、駄目やない」
sha「……むしろ嬉しい」
シャオロンは頬を少し赤らめながらそう言った。
昼食を食べ終えるころには、自然と会話も増えていた。
病院では話せなかった、どうでもいい話。
それが、こんなにも楽しい。
ショーの時間が近づき、会場へ向かう。
sha「……結構、人おるな」
rbr「席、端の方行こ」
rbr「疲れたらすぐ出れるし」
イルカショーが始まると、水しぶきと歓声。
大きく跳ねるイルカに、シャオロンの目が輝く。
sha「……すご……!」
sha「めっちゃ高い!」
思わず、ロボロの腕を掴む。
rbr「そんなに驚く?」
sha「驚くわ!」
sha「てかこんなんめっちゃワクワクするやん!」
ロボロは少し嬉しそうな顔をした。
そして、そっとシャオロンの手を握り直す。
ショーの音に紛れて、静かに。
水面がきらめく。
歓声が上がる。
ショーが終わると、会場にはまだざわめきが残っていた。
拍手と水音の余韻が、胸の奥でゆっくり消えていく。
sha「……はぁ」
sha「なんか、まだドキドキしてる」
rbr「分かる」
rbr「迫力あるよな」
立ち上がるとき、ロボロはさりげなくシャオロンの様子を確かめる。
rbr「しんどくない?」
sha「うん、 へーき」
そう言ってから、少し照れたみたいに付け足す。
sha「楽しかったし」
ロボロはそれを聞いて、安心したように小さく笑った。
rbr「それなら、よかった」
通路に出ると、青い光が少しずつ薄れて、外の明るさが近づいてくる。
人の流れに合わせて歩きながら、二人は自然と距離を詰めた。
sha「イルカさ」
sha「最後のジャンプ、やばくなかった?」
rbr「やばかったな」
sha「なぁ」
sha「俺らの方見てた気せん?」
rbr「自意識過剰やって」
sha「いや、絶対目合ったもん」
そんな他愛ないやり取りが、楽しい。
笑いながら歩いていると、ふと案内表示が目に入った。
rbr「あ」
rbr「この先、お土産コーナーや」
sha「……え」
sha「行きたい」
rbr「即答やん」
お土産コーナーは、カラフルで少し賑やかだった。
ぬいぐるみ、キーホルダー、ポストカード。
海の生き物が、たくさん並んでいる。
sha「……見て」
sha「ペンギンのぬいぐるみ」
rbr「さっきのより、ちょっと丸いな」
sha「それがいいんじゃん」
手に取って、ぎゅっと抱える。
その様子を見て、ロボロは少し笑った。
rbr「……連れて帰る気満々やな」
sha「あかん?」
sha「今日の記念に」
rbr「ええよ。連れて帰ろ」
レジに向かう途中、自然とまた手を繋ぐ。
さっきより、少しだけ指を絡めて。
会計を終えて、帰ろうとした時。
rbr「……ほら」
そう言って、さりげなく小さなキーホルダーをシャオロンに渡す。
ガラス細工の、青い魚。
rbr「これは、シャオロンに」
sha「……俺に?」
rbr「今日のやつ」
rbr「忘れんように」
一瞬、言葉が出なかった。
シャオロンはキーホルダーを受け取って、じっと見つめる。
sha「……ありがとう」
sha「大事にする」
声が少しだけ、やわらかくなる。
出口の向こうには、午後の光。
一日の終わりはまだ先で、 二人の時間も、もう少し続く。
sha(……また来たいな)
今度も、きっと。
隣には、同じ人がいる。
コメント
2件
水族館デートとか…ほんとに、尊いの塊じゃないですか…家にいる時のやりとりも尊いし、マジで永遠にいちゃこらしといてくれ、尊いから((大体のコメント尊いしか言ってないな…