最近、阿部ちゃんはよくイヤホンをしている。
楽屋でも移動中でも、スマホを片手にイヤホンで何かを聴いていることが多くなった。
気になった俺は、ソファに座る阿部ちゃんの隣に滑り込むように腰を下ろした。
「ねぇ、阿部ちゃん」
「ん?」
「最近、よくイヤホンしてるよね」
阿部ちゃんがスマホの画面から目を離し、少し驚いたような表情を見せる。
「そう?」
「そうだよ! 何聴いてんの?」
「……聴いてみたい?」
阿部ちゃんは少し口角を上げて、意味深な笑みを浮かべた。
「え、いいの?」
「いいよ笑」
阿部ちゃんはそう言いながら、イヤホンの片方を外して佐久間に差し出した。
渡されたイヤホンを耳に押し込む。
「っ……!??」
頭の中に、自分の声が響き渡った。
しかも、それはただの声ではない。
『……っ、阿部ちゃ……ん、や、ぁっ…… だ、め……っ!』
明らかに、行為中の、自分の喘ぎ声だった。
「~~っ!!??」
反射的にイヤホンを引っこ抜き、慌てて阿部ちゃんの顔を見る。
阿部ちゃんは、困ったように笑っていた。
「……バレちゃった?」
「ば、ばれちゃったじゃないよ! 何聴いてんの!? てか、なんで録ってんの!?」
「いや、ほら……佐久間の声、可愛いから……つい……」
「つい……って、ついって何!?!?」
阿部ちゃんは少し頬を染めながら、恥ずかしそうに視線を逸らす。
「てか、佐久間、最後まで聴いてなかったよね?」
「もう十分すぎるくらい聴いたわ!!!」
「ふーん……俺としては、一番いいところはこれからだったんだけど」
阿部ちゃんはスマホを弄りながら、さも残念そうに言う。
「いいって何!? どこが…っ」
「それは……続き、聴いたらわかるかも」
「もう絶対聴かない!」
顔を真っ赤にして叫ぶ俺とは対照的に、阿部ちゃんは余裕の表情で微笑む。
「……今日、もう一回録り直す?」
「もうっ!!!」
佐久間の叫び声が楽屋に響き渡る中、阿部ちゃんはくすくすと笑うのだった。
コメント
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続き聞かせて欲しかった😂😂