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20 - 「イヤホンの中の秘密」💚🩷

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142

2025年04月03日

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最近、阿部ちゃんはよくイヤホンをしている。

楽屋でも移動中でも、スマホを片手にイヤホンで何かを聴いていることが多くなった。

気になった俺は、ソファに座る阿部ちゃんの隣に滑り込むように腰を下ろした。


「ねぇ、阿部ちゃん」

「ん?」

「最近、よくイヤホンしてるよね」


阿部ちゃんがスマホの画面から目を離し、少し驚いたような表情を見せる。


「そう?」

「そうだよ! 何聴いてんの?」

「……聴いてみたい?」


阿部ちゃんは少し口角を上げて、意味深な笑みを浮かべた。


「え、いいの?」

「いいよ笑」


阿部ちゃんはそう言いながら、イヤホンの片方を外して佐久間に差し出した。

渡されたイヤホンを耳に押し込む。

「っ……!??」


頭の中に、自分の声が響き渡った。

しかも、それはただの声ではない。


『……っ、阿部ちゃ……ん、や、ぁっ…… だ、め……っ!』


明らかに、行為中の、自分の喘ぎ声だった。


「~~っ!!??」


反射的にイヤホンを引っこ抜き、慌てて阿部ちゃんの顔を見る。

阿部ちゃんは、困ったように笑っていた。


「……バレちゃった?」

「ば、ばれちゃったじゃないよ! 何聴いてんの!? てか、なんで録ってんの!?」

「いや、ほら……佐久間の声、可愛いから……つい……」

「つい……って、ついって何!?!?」


阿部ちゃんは少し頬を染めながら、恥ずかしそうに視線を逸らす。


「てか、佐久間、最後まで聴いてなかったよね?」

「もう十分すぎるくらい聴いたわ!!!」

「ふーん……俺としては、一番いいところはこれからだったんだけど」


阿部ちゃんはスマホを弄りながら、さも残念そうに言う。


「いいって何!? どこが…っ」

「それは……続き、聴いたらわかるかも」

「もう絶対聴かない!」


顔を真っ赤にして叫ぶ俺とは対照的に、阿部ちゃんは余裕の表情で微笑む。


「……今日、もう一回録り直す?」

「もうっ!!!」


佐久間の叫び声が楽屋に響き渡る中、阿部ちゃんはくすくすと笑うのだった。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

3

ユーザー

この平和な世界にいきたい…_| ̄|○💚💗

ユーザー
ユーザー

続き聞かせて欲しかった😂😂

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