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21 - 「俺の。」❤️💙

♥

344

2025年04月03日

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阿部ちゃん視点です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

楽屋の片隅に、ぽつんと置かれたスマートフォン。

それが舘さんのものだと気づいたのは、何気なく視線を向けたときだった。


(あれ、舘さんのスマホじゃん。)


舘さんは今メイクルームにいるはず。

忘れたのか、後で取りに来るつもりなのか。

そんなことを考えていると、不意に楽屋の扉が開き、翔太がひょこっと顔を出した。


「……あ。」


短く声を漏らし、スッとスマホに近づく翔太。

手に取ると、ひと息つく間もなく、まるで当たり前のことのように呟いた。


「俺の。」


そう言って、ポケットにすんなりとしまい込んでしまった。

たまたまその様子を目撃した俺は、思わず口元を押さえる。

ニヤニヤが止まらない。


(えっ、何今の……!?)


舘さんの私物を当然のように自分のものにする翔太。

しかも誰も見ていないと思っているせいか、少し得意げな顔をしている。

俺はこっそり様子をうかがいながら、舘さんが戻ってくるのを待った。


数分後——


「……あれ、スマホどこ置いたっけ?」


舘さんが辺りを見回しながら言う。


「ん?スマホ?……ああ、翔太が『俺の』って言って持ってったよ?」


わざと軽く言うと、舘さんは一瞬きょとんとした後、ゆるく笑った。


「……そっか。」


特に驚きもせず、それだけ言ってメイクルームへ向かうどこか嬉しそうな舘さん。

スマホを取られたのに、「返してもらわなきゃ」とも言わない。

まるで、それが当たり前のことのように——


「……やっぱゆり組だな」


思わず小さく呟くと、ひとり満足げに微笑んだ。

今頃、何もなかったような顔で舘さんのスマホを自分のもののように使っているんだろう。

何も言わなくても許される関係。

むしろ「俺の」と言い切ってしまう関係。

そんな2人が、ただただ尊かった

この作品はいかがでしたか?

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コメント

5

ユーザー

うわー目に浮かぶദ്ദി^._.^)

ユーザー

阿部ちゃんめっちゃわかる、ただただ尊い(◜¬◝ )

ユーザー

阿部ちゃん設定ですね!?!?💚💚

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