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ー次の日ー
(少し早く着きすぎたかな)
「ごめんね,お姉ちゃん,待った??」
いつもの時間より少し遅れてきた零斗は
息を切らしながら走ってきた。
「ううん、今来たところだから大丈夫だよ。」
(こんなに息切らして走ってきてくれたんだ…いい子だなぁ…。)
「そっか…零斗もまた検査だったんだね。」
「うん…毎日嫌になる。でも!治ったらまたお父さんとお母さんと、妹たちと遊べるから!それを考えたら頑張れるんだ!」
「そっか…」
(零斗は強いなぁ…。私は諦めかけてるって言うのに…。)
「お姉ちゃん,ちょっとこっちに来て?」
そう言い,零斗は私の腕を引っ張った。
「どうしたの??」
「いいから僕に着いてきて!いいもの見せてあげる!」
「わぁ…すごく綺麗な星…。」
零斗に引っ張られ着いて行くと,そこは星が辺り一面に拡がっている綺麗な場所だった。
「あのね…ここは僕の秘密の場所なんだ。」
「そうなの?」
私がそう聞くと,零斗は少し恥ずかしそうな顔をしてこっちを見た。
「あのね…恥ずかしい話だけど…僕ここで1人でいつもお願い事してるんだ。お星様にお願いごとしたら叶うって聞いたから,早く治してくださいって。毎日お願いしてるんだ。」
「…そっか」
(そうだよね…いくら零斗が強いとは言え,まだ9歳だもんね…怖いに決まってる…。)
「ねぇ!お姉ちゃん!お姉ちゃんもさ,一緒にお願いごとしよう…?」
ふと零斗が私の顔を見てそう言った。
(願い事…か…。)
「うん、いいよ。一緒にお願いごとしよう。」
「やったぁ!あ!!流れ星だ!!」
「ほんとだ!早くお願いごとしよ!零斗!
「零斗は何をお願いしたのー?」
「えっとね!秘密!!お姉ちゃんは??」
「私も秘密ー!」
「何それ笑」
あははははっ。
「もう夜も遅くなっちゃったし,そろそろ病室に戻ろっか!」
「そうだね。」
私たちはお互いの病室に戻る間,たわいのない会話を続けていた。
自分の趣味,これから残りの時間までにやりたいこと,退院したら行ってみたい場所,好きな食べ物…
零斗と話している間は辛い病気のことや,辛い検査のことなんて忘れていられたから。
「じゃあ!また明日!」
「うん!!」
(可愛いな…零斗は…。)
病室に着いた私はいつも通り日記を書いた。
「○月✕日
今日も零斗と二人で話をした。今日は零斗の秘密の場所へと連れて行って貰えた。一緒に見た流れ星が綺麗だった。2人でお願いごとをした。私は零斗との時間が長く続きますようにとお願いをした。零斗は何をお願いしたのかな?明日も零斗と会える。すごく楽しみ。」
「…ふぅ」
(今日も楽しかったな…。明日会ったら私の秘密の場所にも連れて行ってあげよう…!)