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そして君は星になった

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そして君は星になった

2 - 第2話 流れ星

♥

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2023年09月04日

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ー次の日ー


(少し早く着きすぎたかな)


「ごめんね,お姉ちゃん,待った??」


いつもの時間より少し遅れてきた零斗は

息を切らしながら走ってきた。


「ううん、今来たところだから大丈夫だよ。」


(こんなに息切らして走ってきてくれたんだ…いい子だなぁ…。)


「そっか…零斗もまた検査だったんだね。」


「うん…毎日嫌になる。でも!治ったらまたお父さんとお母さんと、妹たちと遊べるから!それを考えたら頑張れるんだ!」


「そっか…」

(零斗は強いなぁ…。私は諦めかけてるって言うのに…。)


「お姉ちゃん,ちょっとこっちに来て?」


そう言い,零斗は私の腕を引っ張った。

「どうしたの??」


「いいから僕に着いてきて!いいもの見せてあげる!」


「わぁ…すごく綺麗な星…。」

零斗に引っ張られ着いて行くと,そこは星が辺り一面に拡がっている綺麗な場所だった。

「あのね…ここは僕の秘密の場所なんだ。」


「そうなの?」

私がそう聞くと,零斗は少し恥ずかしそうな顔をしてこっちを見た。

「あのね…恥ずかしい話だけど…僕ここで1人でいつもお願い事してるんだ。お星様にお願いごとしたら叶うって聞いたから,早く治してくださいって。毎日お願いしてるんだ。」


「…そっか」

(そうだよね…いくら零斗が強いとは言え,まだ9歳だもんね…怖いに決まってる…。)


「ねぇ!お姉ちゃん!お姉ちゃんもさ,一緒にお願いごとしよう…?」

ふと零斗が私の顔を見てそう言った。

(願い事…か…。)

「うん、いいよ。一緒にお願いごとしよう。」


「やったぁ!あ!!流れ星だ!!」


「ほんとだ!早くお願いごとしよ!零斗!


「零斗は何をお願いしたのー?」


「えっとね!秘密!!お姉ちゃんは??」

「私も秘密ー!」

「何それ笑」

あははははっ。


「もう夜も遅くなっちゃったし,そろそろ病室に戻ろっか!」


「そうだね。」

私たちはお互いの病室に戻る間,たわいのない会話を続けていた。

自分の趣味,これから残りの時間までにやりたいこと,退院したら行ってみたい場所,好きな食べ物…

零斗と話している間は辛い病気のことや,辛い検査のことなんて忘れていられたから。


「じゃあ!また明日!」

「うん!!」

(可愛いな…零斗は…。)



病室に着いた私はいつも通り日記を書いた。

「○月✕日

今日も零斗と二人で話をした。今日は零斗の秘密の場所へと連れて行って貰えた。一緒に見た流れ星が綺麗だった。2人でお願いごとをした。私は零斗との時間が長く続きますようにとお願いをした。零斗は何をお願いしたのかな?明日も零斗と会える。すごく楽しみ。」



「…ふぅ」


(今日も楽しかったな…。明日会ったら私の秘密の場所にも連れて行ってあげよう…!)

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