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火の玉が空を切る。何も無かった筈の空には星が美しく瞬いている。誰にも消せられる訳でも無く、誰にでも産められる訳でも無い。だが、空に広がる小さな光は365度、強い光線を放ちその本性を表した。
「きれー!!!!」
と、海月は息を飲んだ。私は同時にその轟音に魅力された。会場からは遠いはずなのに音だけでなく光も届いた。本当に打ち上がったんだ。そのことを再認識させるほどの美しさで代官市全体を包み込んだ。
ふと、公園付近のベンチにいた時期を早めた鈴虫が居なくなっていた。その心地の良い音に追い込まれた火種がふつふつと勢いを増して更に大きな花火を打ち上げた。ぱぁっーん!と、破裂音が聞こえてきた。会場からの景色を思い浮かべるだけで恵まれているなと、感じる。私はこの瞬間ばかりを願っていた。だが、時は残酷にも過ぎてゆき前半の花火が一通り終わった。緊張の糸が解ける寸前でアナウンスがかかった。
『皆様ー!!あと少しで特大スターマインが開始ですぞぉ!!来たれ来たれ!ちなみに、音楽付きですぞぉ!!』
と、侍のような口調の男の声が聞こえてきた。
「特大スターマイン!?何それぇ?」
不思議そうな海月が私に質問した。
「後半の前にやる特別な花火の事だよ。後半よりも玉数多いからワクワクするよ!」
「楽しみぃー!!」
と、次の瞬間大きな音楽と共に神々しい光が放たれ解放した。
続く。.:*・゜