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一瞬の沈黙、流行りのJPOPが流れ始めた。
「好きな曲だ。ここまで聴こえるの!?」
微かに歌が聞こえてきた。
「ねー、聴こえてくるよねー!!」
と、合間を縫うように相槌が飛んできた。
「僕…こんな綺麗な花火初めて見たかもっ!?」
まるで初めてこの地に降り立った天使の如くその人間らしい人差し指で空をさした。
玉が破裂する音が耳を劈く。もうすぐ終わってしまう煌めきに魅入る私たちは別世界を見ているようだった。だから、私は願ってしまうんだ。いっその事、海月と一緒にいたい。永遠を誓い、永遠の愛を込めて深く愛し合いたい。
私の大好きな海月は今目の前にいるんだ。私へ意識は向いているはずは無い。今しかない。目を瞑って海月の頬に口付けをした。
「っん!?……んぇっ!?///」
「海月の頬、貰っちゃった///」
珍しく照れ笑いを交わす私は心の中で大喜びしていた。
「…そうだよね、僕ずっと好きだよ。」
そう言うとまた頬を赤らめ急に私が見ていたその髪はみるみるうちに透明になって行く。あぁ、もう来てしまったのか…。花火の光に乱反射する触手が気味悪く視界に映るだけでそこには怪物が佇んでいるようにも見えた。
「ましゅろん…?」
「……」
あ、もう話せないのか。なんて考えてしまう。そして最後のクライマックスで私たちの体は光に包まれ大きな破裂音と共に心をゆさぶった。
こうして夏祭りは終わった。
まだ、終わらんから安心してね(,,> <,,)