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「なぁ照、飲みに行かない?」
次の日の仕事終わり…
深澤に声を掛けられて、岩本は一瞬考えた
結局、あの後…気まず過ぎて
翔太に連絡出来ず、今に至る…
「今日は皆んな、集まるからさ」
深澤に説得する様に、そう言われ
『これは、翔太も来るパターンか?』
そう期待して、参加した
「えっ…翔太が断った?」
「そうや。せっかく誘ったのに…。俺、【本当に駄目?】って5回もシツコく聞いたんよ…」
向井が残念そうに、頷いて
肩を落として落ち込んでいる
「何か、予定があるって言ってたけど…。それが何かは、いくら聞いても教えてくれへんかった…」
『翔太がクリスマスイブに、誰かと予定?』
勝手に頭の中で、男の影がチラついて
辺りを見回してみると【宮舘、目黒】はココに居た…
『違うとすれば…別の男?』
どうしても、気になって仕方がない岩本は
思わず、電話を掛けてしまった
「もしもし、翔太…。今、何処に?」
意外と、すぐ出た渡辺に
声を掛けると、不機嫌そうだ
「照、何なの?早く言って…」
「だから、翔太は飲みの誘いを断って…。一体、何処で何しているんだよ?」
「は?そんなの、何処でも良いだろ?寒いから…。用事無いなら、もう切るぞ」
その時、渡辺の背後で音楽が鳴った
それは時計の長針が、12を指すと鳴る仕組みの
何処かで、聞いた事のあるメロディだった…
【〜♪〜♪】
『この音、絶対何処かで聞いた…』
「もう本当に切るぞ!はい、さよなら!」
そう言った渡辺が電話を切って
メロディだけが、頭に残る
『あの音、あそこだ!でも、何で?…今、あそこには何がある?綺麗なイルミネーションとクリスマスツリー……。クリスマスツリー?あっ!まさか!』
岩本は、何かを思い出して立ち上がる
「悪い!俺も、ちょっと急用…思い出した!」
そう叫んで、店を出る
そのまま車に乗り込んで…思い浮かんだ場所へ向かう
『今日は、飲む前で助かった…』
以前、目黒の家に向かう際…
飲んでいた為、運転出来ず
かなり苦労した記憶が蘇る
あの時は、宮舘が来て助けてくれて事なきを得たが
今日もそれでは、決まりが悪い
運転しながら岩本は…
最近、渡辺と交わした…とある会話を思い出していた