コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
第4シーズン 厄災篇
遥か高みに座する者がいた。その者は、世界を見守り、無数の文明の興亡を眺め続けていた。彼の名は神。全知全能とされるその存在は、地上のあらゆる動きを把握している。
そして今、一つの小さな島国に向けられていた。
「ほう、あの小さな国がここまで成長するとはな…」
神の目に映るのは、倭と呼ばれる島国だった。彼らは孤立した島々の中に存在していたが、今や朝鮮を制圧し、明、さらには遠くローマにまで影響を及ぼし始めている。強大な帝国でも、これほど小さな国からの脅威を想像した者はいなかっただろう。
神は、成り行きを面白げに見守っていた。この国が一介の無名な存在だった頃、彼はそれを注意深く観察していた。しかし、その成長速度は異常であり、常軌を逸していた。
「面白い。人間というものは、貪欲に、無限の欲望を持って拡張を続けるものか…」
神の声は穏やかだが、眼差しにはどこか不穏な光が宿っていた。神は、人間の栄枯盛衰に興味を抱くが、それをただのゲームのように見ている節があった。
「倭という国、どこまで成長を続けるのか…。だが、全てが繁栄するわけではない。彼らもまた、限界に達する日が来るだろう。」
神は静かに手をかざした。手の動き一つで、世界は揺れ動く。天変地異すらも神ひとつで起こすことができるのだ。しかし、神はその力を振るうことなく、見守るだけに留めていた。
「まだその時ではないか…」
神は微笑んだ。彼には、しばらくこの島国の運命を見守るつもりがあるようだった。伊吹丸、そしてその仲間たちが織り成す戦争や陰謀の物語が、どのようにして終焉を迎えるのか、それを知るまでは、手を出す気はなさそうだ。
「人間というものは、神をも驚かせるものだ。その限界を試す姿は、見ていて飽きぬ。」
神は、地上で起きているすべての出来事を知っているが、人間の想像力や創造力、時に見せる挑戦心に、興味を持ち続けている。
「さあ、倭よ。どこまで行けるか見せてみよ。」
そう呟くと、神は再び高みから地上を見下ろし、その視線は倭の島々から、さらなる世界へと向けられた。