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女性が口を開けたその瞬間、僕は布団の中にいた。
驚いていた。
だっていつもは、どれだけ終われと念じても目を瞑ろうが、逆に目をかっぴらいても、少女が老婆になり終わるまで、夢から覚めることは出来なかったから。
何か違うことをしたか考えてもせいぜい話しかけ、それに女性が応えようとしたことしか違いはない。
きっとそれが原因なんだろうけど、違うということにしてみる。
なんだろう?
表情?顔を見たこと?わからない。
あれこれ考えている内に時計の針は7時30分を指していた。
「ヤバい!」
思わず呟いて学校に行く準備を始める。
急いで顔を洗い、朝食を食べ、制服に袖を通す。
そして、誰もいない家に向かって
「いってきます。」
と呟いて家を出る。
鍵を掛けると、走って学校に向かう。
本当は8時30分までにつけばいいのだけれど一番始めに教室にはいるのが僕の毎日の習慣だった。
教室につくともう人は何人かいた。
そっと教室に入り僕は僕の席に座る。
そしてつまらない学校が終わるのを来て早々だが思った。
授業中はまたあの歳をとる少女のことを考えた。いつもはどのような夢なのかを考えていた。
あまり説明することはない。なぜなら僕はいつも彼女の足元を見ていたから。
けど、何か分かるかも知れない。
いつも見るあの夢、
真っ白ななにもないキャンバスのような空間に立ってる。
これのおかげでなのかは分からないがこれは夢なのだと最初からはっきり分かった。
いつも僕の目の前に彼女はいる。
ただ立って深海のような暗いけど青い目で僕を見ている。
胸のあたりまで伸ばされた黒髪は風もないのに静かに揺れていた。
今思えば、彼女は最初から悲しそうな顔をしていた。
ここまでにします!初めてなので感想いただけると嬉しいです。