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『 雪降る世界に真紅の華を 』
ー 裏恋 ー
私は今日もあの子を見つめる。
少しでもあの子のことを知る為に
そしてあの子を分かった気になって、
自分はきっと特別だと思い込んで
今日もまたあの子に溺れる
助からないとわかっていても
踏み込みたいと強く思うのだ。
どうして一宮が白咲さんに惹かれたのか
とても美人だからなのか
人に興味を向けない白咲さんに
同じ様な何かを感じたからなのか。
なんにせよ、 一宮にから白咲さんには
どんな形だったとしても
私たちに向けているものとは
ほんの少し、それでも大きく違った
感情が向けられている。
それが綺麗なものなのか汚いものなのか
それすらも知ることができない。
あの子を知ることが許されない。
一宮だけは、 白咲さんが虐められていた時も
彼女に何も無かったように話しかけていた。
助けるでも大丈夫かと声をかけるでもなく
唯、興味があるかのように。
そんな一宮に白咲さんは相も変わらず、
無機質で考えの分からない顔をする。
一宮は虐めに気づいていたのだろうか。
白咲さんと話すあの子は
少し幼く見えて
それでいて、瞳が暗く鈍く光って
まるで大切な人を見つめるみたいな
花が散っていくような笑顔をみせる。