テラーノベル
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その1ヶ月後の事でした。
私が紗良に助けを求めたのは。
Aは自分の玩具、いいえ好きな人を自らよりも強い人間に取られてしまった。
その怒りの矛先は何処を向けばいいのでしょう。
Aは知りませんでした。
とある日の事でした。
学校から帰る途中Aが公園の隅で何かをしているのが目に入りました。
紗良はその日彼に呼び出されて一緒ではありませんでした。
Aは不思議な笑みを浮かべ何かを見ている様子です。
そっと、見てみることにしました。
物陰に隠れて少しずつ歩み寄っていくとそこには子猫の無惨な死体とそれを見て笑うAがいました。
息を飲みました。
怖いというより恐ろしいという表現があっている気がします。
動物の死体を前にして笑っているなんて普通の人間ではありません。
私は咄嗟に逃げ出しました。
その時草むらから急いで駆け出したので大きな音がしたと思います。
Aは焦ったような驚いたような表情をし「誰だっ、!」とか叫びました。
あの時のAの戸惑い方はなんというか傑作でした、!
笑いが込み上げてきます。
そんな姿を見られて慌てるのなら最初からやらなければいいのに。
結局Aは今も昔も変わってはいません。
“弱い者いじめ”だなんてAにぴったりの言葉でしょう、!
入学式の日Aはふたりの人物にぶつかりました。
学級委員の貴方と野球部エースの貴方。
学級委員の貴方はとてもか弱くて華奢な少女ですからAは強気で舌打ちまで見せていました。
野球部エースの貴方にはAは全力で謝りそそくさと逃げて行きましたね。
私は分かっています。Aはそういう人間なこと。
自らを殻に閉じ込めて前には進もうとしない。
挙句の果てには自分は弱者だからと周りに見せつけ同情を買う。
なんて馬鹿で無様で恥ずかしいのでしょう。
生きている価値が薄れて行く一方です。
ね、そうでしょう?
「あ、あぁ、」
少しAの話ばかりし過ぎましたか。
私は彼もAも許せませんが最も嫌いなのは彼女ですかね。
彼女を見ると反吐が出て来ます。
毎日、毎日何故あんな人間が生きているのか私には理解ができません。
神様は意地悪ですよね。
私の世界一大切な人を奪って行ったんですから。
そのくせ、ゴミ人間ばかり生きさせる。
こんな人生やめにしたい。
だなんて言っても紗良は戻っては来ませんが。
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