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「わたしはずっと賢一さんだけを愛してた」
新二さんが中学生の頃から付き合ってたんだよね、子供ができるようなことをしてたんだよね、あまりにも堂々と言われると新二さんの存在がなかったかのように感じて、もしかしたら賢一と付き合っていたんだろうか?という錯覚までしてしまいそうになっていると、賢一は私の手をそっと握ってくれた。
「ちょっといいかしら?それでは、賢一は彩香さんとは婚約解消をすると言うことでいいのね」
それまで話を聞いていた夫人が話し始めた。
「今聞いた話では、彩香さんが賢一と結婚することはないわけよね?でもね、新二との結婚も私は認めたくないわ」
森川彩香はハッとした表情で何かに気づいたようだった。
それはたぶん、新二さんとも結婚できないと賢一との繋がりが切れてしまうと言う事なのか、森川住販の行く末なのか。
「お義母さま、あの、ごめんなさい。違うんです、新二くんとはずっと付き合ってます。新二くんと結婚できないとわたし・・・」
まだ何かを言おうとしている森川彩香の言葉を無視して賢一は「父さん、いえ社長に報告をいたします」と言って話を始めた。