ライブが始まり、俺はいつものように勉強をしていた。
今日のエビライはEBiDAN NEXTの子達もきて、さらに盛り上がっている。
ライブが終わるとメンバーが楽屋に戻ってきた。
M!LKに続き、BUDDiiSも次々と楽屋に入ってくる。
「いや〜楽しかったぁ!!」
「それな〜!仁ちゃんただいま!」
「おかえりなさい。めちゃめちゃ良かったです!今日のライブも」
「ほんまに!?」
『吉田さん!!吉田さんのメイクみんなから凄い好評で!ほんとにありがとうございました!!』
「いえ、良かったです。」
するといきなり俺を呼ぶ声とともに佐藤が扉を開けた。
表情を見る限りどうやら焦っているらしい。
「仁人!ごめん、ちょっといい?」
「どうしたんですか…」
「いいから、こっち来て!!」
そう言われついて行くと、どうやらEBiDAN NEXTの子が過呼吸を起こしていたらしい。
俺はその場の状況をすぐさま理解して、その子の元に駆け寄った。
周りには心配して多くの人が集まってしまい、 これでは落ち着けないと、抱きかかえて楽屋に入った。
「どうしたの!?仁ちゃん」
「すみません、そこのソファ借ります。」
抱えたままソファに座り、ハンカチを軽く口に抑えた。
そして優しく抱きしめながら一緒に呼吸の合図を送る。
「一緒に深呼吸しようか。できるだけ鼻から吸って口から吐いてね。」
優しく背中を叩き、慰めながら様子を見る。
「ちゃんと出来てるよ、偉いね。最後もう1回深呼吸しよう。」
こんなに小さい子が過呼吸なれば、怖くなって涙が出るのは当然。
病院に勤めていた時も何度かあった。
「怖かったね。もう大丈夫だよ。」
「ありがとっ、…」
「いいえ」
仁人が急に楽屋に入ってきたかと思えば、子供を抱きかかえていた。
どうやら過呼吸だったらしく、初めて見る仁人の顔だった。
「初めて見る…仁人のあんな顔。」
「前は看護師だったからねぇ。しかも超優秀。」
「なんか、もう、、言葉が出ないわ」
『勇斗、あの子何者なの…メイク技術も凄けりゃ、今も…』
「いや、俺にも…まぁ、言えることはあいつは凄い。」
そういえばライブが始まる前子供たちに囲まれている仁人を見た。
めっちゃ笑顔で子供の相手している仁人を。
きっとこんな感じで働いていたんだと思う。
それと同時にセクハラした野郎に心底腹が立った。
「仁人、久しぶりだね笑流石だよ」
「もう、いきなり佐藤さん呼ぶから、焦ったじゃないですか…」
「ごめんね!笑」
「いや、でも本当に良かったです。やっぱり子供たちの笑顔っていいなぁ 」
「ね!」
メンバーはというと、最後EBiDANで集合している。
TikTok撮ったり、YouTube撮影してたり…
「仁人はM!LKの曲で好きな歌ある?」
「好きな歌ですか?…"ブルーシャワー"とか…」
「へぇ〜…ちょっと歌ってみてよ」
「え、無理ですよ…」
「仁人が歌上手いの知ってんだからね?小児科で働いてた時、子供たちによく歌ってたでしょ??」
「なんで知ってるんですか…」
「少しだけでいいから!お願い!」
「…もう、分かりましたよ。今日だけなら」
そう言って、最後のラスサビ前から歌った。
「ねぇ、この歌声って仁ちゃん…?」
「確かに…え、上手くない??」
「ちょ、みんな行こ!」
楽屋に向かっている途中で聞こえた仁人の歌声。
急いで向かい、扉を開けた。
「ねぇ、今歌ってたのって仁ちゃん!?」
「あ、いや、、」
「そうだよ!仁人歌上手いのよ」
「仁人、綺麗な声してんな」
「仁ちゃんもう1回歌ってや! 」
「無理です」
「そこをなんとか…」
「無理なものは無理なんです!」
「えー…」
「笑笑笑太智諦めな!ほら、もう帰るよ!」
そうして、無事エビライの幕を閉じた。
コメント
2件
めちゃくちゃ最高です‼️‼️
溜まっていたものを一気に投稿してすみません💦 初めての形の物語のような気がしまして、迷っていました…我ながらツッコミどころ多く、。話数も多く、。 おかしな所もあるかもしれませんが、 ゆっくりお読みください☺️😊