またもや朝菊でございます!!
朝菊中毒なんでしかたないです!!うん!!
この話は何話かに分かれてありますので!
それではどうぞ!!
1903年のある日、アーサーが突然菊の家を訪ねた。
「菊!久しぶりだな!」
「アーサーさん!急にどうされたんですか?連絡もなしに来るなんて珍しいじゃありませんか」
「ちょっと驚かせたいことがあってだな、、、!」
そう言いながら頬をかきながら照れているアーサーをじっと見つめ、一体どんな驚かせたいことなのかドキドキしていた。
するとスッと左手を出した、そこには、、、
「実は俺、、、!結婚相手が決まって、昨日婚姻届けを出してきたんだ、、、!」
「そうなんですか!?、おめでとうございます!」
意外なことに思わず驚いてしまった菊はアーサーからその人との出会いを聞くことにした。
そして時は1902年のこと、アーサーが日英同盟を組もうと日本に訪れた年だ。
その時、菊の家に向かった後の帰り道、道の真ん中に座り込んでいる女性を見つけ、助けようとした時にふと顔を見た、そこでお互いに恋に落ちたそう。
そこから一年余で結婚まで引っ張っていってしまうことにも驚きだがなのだかロマンチックかつ異国人相手というのもこの後の展開が気になっていくところである。
「そんな出会いが、、、それはもう運命ですね」
「菊もそう思うか!だよな!やっぱり運命だったんだ!」
アーサーは嬉しそうに相手の女性のことを話した。
「そうだ、、、!婚姻届出す前に写真撮ったんだ!」
そう言って懐からアーサーと日本人女性が写っている少し色のついた写真を取り出し、菊に見せた。
それは絶世の美女と言っても過言ではないほどの女性が椅子に座っていた。
容姿は長い綺麗な黒髪に優しくふわりと笑い、背筋は伸び顔つきも優しい女性だった。
「これは、、、!とっても美人さんですね!」
するとアーサーは自慢するようにふんっと鼻を鳴らし
「そうだろ!俺の国のやつらより綺麗だ!」
とても自慢そうで嬉しそうなアーサーを見て思わず頬が緩む。
いい人に巡り会えてよかったなぁと感じていた時、ふとアーサーが思い出したように口を開いた。
「そういえば、菊って、お前と一緒の名前だったぞ!」
「よく使われる名前ですからね〜」
2人の幸せになるであろう家庭を想像するとなんだか心が温かくなった。
「今日は邪魔したな、それが伝えたくて!結婚式にもきてくれ!」
そう言って足早に菊の家を後にした、、、
1963年、日本敗戦後からしばらく経ち、アメリカからの独立をして数年、久しぶりに枢軸、連合ともに顔合わせをする会議に菊は足を運んだ。
ガチャ
「失礼します」
するといきなり自分より背の高い人物に視界を覆われた。
「菊〜!!久しぶり、、、!!よかった!独立できて、、、!!」
「ふぇ、フェリシアーノ君、、、!お久しぶりです、、、!」
「フェリシアーノ!会ってすぐに人に抱きつくなとあれほど言っただろうが!!」
久しぶりに集まり、昔が蘇ったような気がして目の奥が熱くなる。
その後、次々のメンバーが集まり大体のメンバーが集まった頃、1人いないことに気がついた。
「あれっ、アーサーがいないんだぞ」
「確かに〜いつも早いのに」
「それにこの会議のホスト国なのにね、遅刻かなぁ?」
「あいつに限ってそれはねぇある」
「ヴェ〜、、、どうしたのかなぁ」
「心配ではあるな、、、」
「私、連絡とってみましょうか」
そう率先して提案し、用意されていた自室にある黒電話を手に取り、ダイヤルを回してアーサーの家に電話を繋いだ。
しばらくした後、ガチャっとアーサーが電話をとった。
『アーサーさんですか?、今日は会議のはずなのですが、、、体調が優れませんか?』
『あ、菊か、、、』
あからさまに落ち込んだ声、きっと何かあったに違いないと少し追求してみることにした。
『落ち込んでるんですか、、、?それともやはり体調が悪いとか、、、それでしたら皆さんにお伝えしますが』
『、、、、、、なった、、、』
『?、アーサーさん、、、?』
『菊、、、俺の婚約者が、、、亡くなった、、、』
『、、、!?』
それもそうだ、アーサーとあの菊という名前の女性が婚約してから60年余立っている、人間にしてはかなり長生きした方だろう。
だがアーサーたちは国で歳は取らない、人間と同じ時間を過ごすことはできないのだ。
『菊、、、一つ頼みがある、、、』
『頼み、、、ですか、、、』
今にも途切れそうなほどの声に菊は耳を傾ける。
『菊の、、、いや、紛らわしいか、、、婚約者の火葬をして欲しい、、、日本流の火葬の仕方で』
『わ、わかりました、、、すぐそちらに向かいますので、、、!』
菊はすぐに受話器を置き、みんながいる会議室へ向かった。
バタンっ!!
菊は勢いよく会議室のドアを開けた。
いつもとは違う菊の行動にみんなが目を丸くする。
「ど、どうしたの!?菊!」
「すみません、、、!少し大変なことになりまして、、、席を外させていただきたいです」
そして荷物をまとめ、颯爽と会議室を出ていった。
「菊があんな行動をとるとは、、、」
「何か様子がおかしかったある」
会議室の中は混乱に包まれていた、するとアルフレッドが口を開く。
「どうせ、アーサーだろうさ、何かあったんでしょ」
わかりきったような表情と態度で机に肩肘をつきながら続ける。
「それに、ここ最近元気なかったんだよね、理由を聞いてみたら、婚約者が最近元気がない、だったからね」
「あー、そんなことあったねぇ」
「相手は日本人だったあるかね?」
「そうそう!確か菊と同じ名前だったよね!」
「、、、人間と深い関係にならないほうが、身のためだ」
そうボソリとアルフレッドはつぶやいた。
そして菊は会議場の近くからタクシーを捕まえ、アーサーの家まで向かった。
車で1時間ほど走ったあと、林の中を数分歩くと大きな館が見えた。
ここがアーサーの家だ。
玄関の前に立ち、チャイムを押す。
しばらくするとドアが開いた、そこにはとても顔色の悪いアーサーが立っていた。
「アーサーさん、、、」
するとグイッと腕を引かれ、アーサーの胸にぶつかった。
そしてアーサーは菊を両手で抱きしめた。
「菊、、、っ、、、」
声は震えていた、おそらく泣いているのだろう。
泣いていることがわかった菊はアーサーを抱き返した。
(とても、、、辛いでしょうね、、、自分は歳を取らず、、、愛する人だけ歳をとって亡くなってしまったのですから、、、)
菊はアーサーの心に寄り添うようにした。
「悪い、、、急に、、、」
「仕方がないこととはいえ、、、辛いですよね、、、」
「ありがとう、、、!お前に会えて元気出た、、、」
無理して笑っているように見えるアーサーに菊は少し心が痛くなった。
(この人の気持ちが落ち着くまで、、、私が心の支えになって差し上げるべきでしょうか、、、)
しばらく経ち、アーサーの婚約者の火葬を無事終え、遺骨は日本へ送られた。
火葬は菊とアーサーの2人だけで行われ、静かに終わりを告げた。
「菊、ありがとうな」
「いえ、、、私にできるのはこれぐらいですし、、、」
2人で帰り道をとぼとぼ歩く。
そして今思い返してみれば、アーサーから送られて来ていた手紙や写真には幸せそうな2人のことばかりだった、本当に愛し合っていたのだと感じた。
国と人間が深く関わってしまったがゆえに抱いてしまった悲しい感情。
「じゃあ、菊、色々悪かったな、、、また会いにきてくれ、、、」
そう言ってアーサーは家に戻ろうとした。
だが菊はこのまま帰してしまってはいけないと思い、アーサーを引き留めた。
「あの、、、!」
「、、、?菊、、、?」
「今まで2人で過ごしてきた家に帰ってひとりぼっちというのは、、、その、、、寂しいと思います、、、だから、、、私、しばらくの間、貴方の支えになります、、、!」
「寂しくならないように、、、」
婚約者の代わりになれないことぐらいわかってる、でも少しでも気持ちが楽になるのなら、そうしたほうがアーサーの気持ちが少しでも楽になるだろうか。
「、、、!菊は優しいな、、、」
そういうと、アーサーは菊の頬をスッと触った。
「家に戻ろうか」
アーサーは菊の手を取り、ゆっくりと家に戻った。
続く
コメント
4件
色々な展開が妄想できます...💭