続きです!!
短編集とか言いながら長いですね、、、すみませんっっ
菊はアーサーに引っ張られるようにして家の中に入った。
何度か入ったことあるその家の中は、面影はあれど、かなり変わっていた。
日本製の家具や服、小物などがちらほらと見える、2人の生活が見てわかった。
婚約者は綺麗好きだったのだろう、手入れが行き届いていて綺麗だった。
菊はアーサーに近くにあるソファに案内してもらい、少し一息ついた、アーサーはどこかに行ったかと思うとお盆の上にポットとカップを載せて帰ってきた。
「そんな、、、お気遣い不要ですよ、、、?」
「あいつにお客さんが来た時はおもてなししろって言われてたからな」
少し染みついている日本人のような立ち振る舞い。
アーサーが入れてくれた紅茶を手に取りそっと香りを嗅ぎゆっくり口の中へ紅茶を流す。
ほっと一つため息をついたあと、アーサーが喋りだす。
「本当にしばらく一緒にいてくれるのか、、、?」
「ええ、今はこれと言った急ぎの仕事もありませんからね」
持っていたカップをそっと皿の上に置く。
パッとカップからアーサーに目をやると菊の方をじっと見ているのがわかった。
「?、どうされました、、、?」
「いや、なんかちょっと似てるなって思って、、、やっぱりおんなじ日本人だからなのかなって」
「なるほど、そうですね、、、難しいかもしれませんが、気の向くままに私に何か言ってくださって構いませんよ食事だって作ります」
生前の婚約者の代わりにはなれないけれど、頼れたり、食事を共にしたり見守ったりはできると菊は考えた。
「そうだな、、、!頼らせてもらうよ」
悲しそうな表情は消えない、消えるものでもないないだろう、と紅茶に目を落とす。
そして菊は
「アーサーさん、何か食べたいものはありますか?」
「食べたいものか、、、?そうだな、和食が食いたいかな、、、」
思った通りの回答、わかましたと一言返事をして台所へ向かった。
しばらくして、夕飯が出来上がりテーブルの上に食事が並ぶ。
そういえば、食事を盛り付けようと棚に手を伸ばすと、しっかり日本の食器が置かれていた。
2人の生活感をふつふつと感じる、改めて菊は悲しい気持ちになる。
その食器を使いしっかりとした和食を作った。
「どうでしょうか、、、ありものだけで作ったのですが」
「!!、すごい、、、懐かしい感じだ、、、」
アーサーからポロポロと涙が溢れる。
泣いているのがわかった菊はアーサーの頭を優しく撫でながら抱きしめた。
「大丈夫です、、、少しずつなれていきましょう、、、」
「うん、、、」
2人は何も話すことなく、夕食を食べた。
その日の晩、風呂に入ったあとソファーに座り少しゆっくりしているとアーサーが隣に座ってきた。
「そろそろ寝ますか?」
そう言った時、アーサーがするっと菊の肩に手を伸ばし、グイッと自分の方に寄せた。
「!?、あ、アーサーさん、、、?//」
「わ、悪い、、、いつもこうやってたから、、、」
少しでも自分と婚約者を照らし合わせて甘えてくれたことに対し少し嬉しくなり、安心させてあげれるように菊もアーサーにもたれかかる。
「いいですよ、いつも通りにしてください」
「菊、、、!」
するとアーサーは肩に置いていた手を菊の腰に回す。
ビクッと肩を振るわせた菊だが我慢した。
(アーサーさん達はいつもこんなことを、、、!?)
そしてアーサーは菊の顎を持ちこちらに向かせる、何をされるのかはなんとなく予想できたが菊は抵抗することができなかった。
ちゅ
と唇と唇がくっつく、菊にとって初めての感覚、柔らかいものが唇に合わさっている。
すると、いきなり唇に動く柔らかいものが当たっているのに気がついた途端、口の中にぬるっとアーサーの舌が入り込んできた。
逃げても追いかけてくるアーサーの舌に翻弄されながら少しずつ快楽に落ちていく、、、
数分経った頃にぬるっと口の中から舌が抜かれる、息がつけないほど激しいキスだった。
息切れしながらアーサーの顔を見る、満足そうな顔をしていた。
するとアーサーは口を開く。
「俺、あいつは人間だから子供も残せなかったし、こう言うこともできなかったんだ」
「でも菊は国だし、あいつに似てるし、歳も取らない、だから、、、俺と付き合わないか?」
そう言われた。
思いもよらぬ言葉に驚愕した菊は思わずアーサーの腕の中から逃れた。
「なんで、、、逃げるんだよ、、、!もう俺の前からいなくなるな、、、!」
アーサーはジリジリと菊に近づく。
怖くなった菊は部屋の出口のドアから出ようと走るとガッと左手を掴まれ、ダン!と勢いよく壁に押し当てられてしまった。
「っ、、、!!」
「やっぱり似てる、、、!あいつとおんなじだ、、、あいつも寝る前は着物を着ていた、、、」
「アーサーさん!落ち着いてください!!」
婚約者の死を受け入れることができずに暴走したものだと感じだ菊はアーサーを落ち着かせようと言葉をかける。
すると今度は両手を菊の頬に当て、先ほどの表情とは裏腹に優しく笑い
「菊、、、愛してる、、、」
「、、、!!」
(それは、、、私と婚約者、、、どちらに言っているのですか、、、)
そしてそのままアーサーはまた菊にキスをした、先ほどと同じ深いキス。
今度は立ったまましたので足がガクガクと震えて耐えきれず座り込んでしまった。
「はぁっ、、、//はぁっ、、、//」
「可愛いな、、、菊、、、」
そしてアーサーはヒョイっと菊をお姫様抱っこして自室の寝室へ連れ込んだ。
「落ち着きましょう!アーサーさん!」
「俺は冷静だから大丈夫だぞ?」
ベットに横たわっている菊にアーサーはジリジリと近寄る。
アーサーとそういうことをするのはおそらく嫌ではない、嫌ではないがそういうことを男同士でしたいだなんて思わない。
そんな菊の意思はお構いなしに菊の着ている和服の胸元からするりと手を入れる。
「っ、、、////いやっ、、、//」
あまりにいきなりのことで菊は泣いてしまった。
「!?、き、菊っ、、、!わ、悪い、、、急にこんなの嫌だよな、、、」
「それに、、、アーサーさんは、私のことを見ていますか、、、」
「えっ、、、」
確かにアーサーは婚約者と菊を重ねていたのもある。
図星を突かれたようで少し慌てる。
「すみません、、、頼ってくれと言ったばかりなのに、、、失礼します、、、」
菊はアーサーの部屋から出て行こうとした、だがまたもや左腕を掴まれてしまった。
「悪かった、、、!でも、、、一緒にいて欲しい、、、」
アーサーに懸命に引き留められて菊は少し心が揺らいでしまった。
「わかりました、、、何もしないならいいですよ、、、」
そうして2人は同じベットに2人で入った。
しばらく経つと菊は眠気が襲って来てすぐに眠ってしまった。
一方アーサーは菊の寝顔を眺めていた、そしてゆっくり頭を撫でる。
(俺は、、、あいつと菊を照らし合わせてた、、、俺は、、、何を見てる、、、?)
続く〜長いねっごめんねっ
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