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「ありがとうな荷物運ぶの手伝ってくれて」
「おれいをいわれるほどのことはしてない」
「いやいやいや、運ぶのを手伝ってくれているのだから、お礼くらい言わせてくれ!」
シルトはマネーとバナナと一緒に角材や剣が沢山入ったダンボールを運んでいた。
角材は大きく、バナナとマネーは角材とダンボールはそれぞれ1個しか持てなのに対し、シルトは両手で角材4本、剣入りダンボールを4箱抱えていた。
「力持ちだな、シルトは。そんな細腕なのに」
「そう?」
シルトは首を傾げる。その仕草はまるで幼い子のようだった。
✵✵✵✵✵
「よっと・・・ふぅ・・・」
バナナ達は倉庫に角材類を置いて一息つく。角材などを置く前にバナナが持っていた角材がうっかりでマネーにぶつかったりなどのトラブルはあったが、なんとか運べた。
「疲れたな・・・そうだ。アイス作って食べるか」
「おぉ!労働後のバナナの作るアイスは格別だな!!」
「褒めても何も出ないぞ・・・」
バナナはそうこぼす、その表情は少し恥ずかしそうに頬を赤らめていた。
「おーい!バナナ!マネー!シルト!」
ふと、呼ばれ、3人は振り返る。
たったっと緑色のクマ耳フードを被った赤ちゃんが走ってきた。
「うわっとっと!」
赤ちゃんが足をひっかけすっ転んだ。
「赤ちゃん!大丈夫か?」
マネーが駆け寄った。
すると、グラりと剣が入ったダンボールが崩れた。
「!マネー!!赤ちゃん!!」
バナナがロケランでダンボールをふっ飛ばそうとロケランに手を伸ばした、だが、その前に何かが飛び出した。
激しい物音と、砂煙が舞う。バナナは咳き込みながらも、ダンボールが倒れた所へ。
そこには、マネーが赤ちゃんを抱きしめ、腰を抜かしていた。周りには剣が散らばっていた。
「マネー!!大丈夫か!?怪我は!?」
「あ、あぁ・・・赤ちゃんは!?」
「へ、平気だ・・・ありがとう・・・」
すると、砂煙が晴れる。
「・・・だい、じょーぶ?」
ふと、声が聞こえた。
そこには、シルトが立っていた。
シルトは平然とした表情で立っていたが、シルトの背中や腕には深々と剣が刺さっていた。
「けが、ない?」
「いや、俺よりも貴様の方が重症だろう!!」
「だいじょうぶだよ、これくらい」
「これくらいで済んでいい出来事では無かったろ!!」
マネーは慌てて立ち上がる。シルトは何故か痛みに顔を顰めることすらしない。むしろ、今平然と剣を抜いて捨てていた。
腕に深々刺さった傷からは“血液一滴すら出ていなかった”
むしろ、傷口はまるでゼリーを切り分けたかのように広がっていた。
「・・・血が出てない・・・?いや、でも怪我したのは変わらない!!保健室行くぞ!!」
そう言うと、バナナとマネーと赤ちゃんはシルトを連れ、保健室へ。
✵✵✵✵✵
「うっそぉ!?もう怪我したのか!?!?早くね!?」
保健室では、風夜とエウリ、そして、スヤスヤ寝てるすまない先生がいた。
「あー、まぁ、これくらいの傷なら、数日たったら“なおるね”」
「やっぱり?」
「いやいやいや!剣が刺さったんだぞ!?そんなたった数日で治るわけないだろ!?」
思わずバナナはそうまくし立てる。それに風夜はキョトンとしていた。
「大丈夫だよ、だってこの子の体“スライム”だから」
「「「は?」」」
「あー、正しくはスライム“のような”かな?」
風夜がこぼす衝撃事実に、マネー達は目を丸くした。
「シルト・・・“時を司るモノ”は生半可な依代じゃ、依代がすぐ壊れてしまう。
依代ってのは、そこら辺の人の体を借りてって簡単に済む訳じゃない。ちゃんと相性が合う、合わないがあるんだ。
で、依代にも相性があう依代を探すのにとてつもなく手間がかかる。
だから、神様は不可はかかっても、壊れにくい肉体を作った。
その肉体に使われた素材がスライム、いや、“スライムに近しい素材”スライムはぷよぷよで、大概の攻撃は無効にしてしまうっていう性質を使って、シルトの体を作った。・・・まぁ、たまにメンテしないと、体が壊れるのは仕方ないけどね」
と、風夜は平然とこぼした。
「だからいったでしょ?“だいじょうぶ”って」
そうシルトはケロッと答える。それに、マネー達は何も言えなかった。
ふと、バナナが包帯を持って、シルトの腕に巻く。
「なにしてるの?いみないよ?こんなことしても」
そうシルトはこぼした。だが、バナナは辞めず、包帯を巻いた。
「・・・意味ないのは分かっている、だが・・・“痛いだろう?”」
そうバナナに聞かれ、シルトは首を傾げた。
「いたい?ぼくのなかには“いたい”なんてそんざいしないよ?あってもいみないから」
そう言うと、マネーがシルトの手を握る。
「・・・分かっている、お前が、神様に作られた道具だと言うのは、俺たちとは違うということは・・・これは、俺らの自己満足だ」
「ふぅん」
シルトはそうこぼした。
✵✵✵✵✵
(・・・どうせうでなんかきられても、すぐさいせいするのに・・・へんなの)
シルトは自分の腕に巻かれている包帯を目にする。そして、それを解こうと触れる。
だが、どうしてか・・・
──“これ”を解くのは、勿体ないと思った。
コメント
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読了しました🌙 今回は、シルトの「からだの仕組み」が明かされる回だったね…。剣が刺さっても血が出ず、平然と抜いてしまう姿、すごく印象的だった。でもそれよりも、バナナが「意味ないけど」って包帯を巻いてくれたところが切なくてさ…。 「痛みがない」って言い切るシルトに、「痛いだろう?」って問いかけられる優しさ。そしてシルトが最後に包帯を解くのを“もったいない”と思った一瞬…そこに、ほんの少しだけ“心”が動いた気がした。 道具として作られた存在に、人間たちが無意味だと知りながらも向ける優しさが、逆に胸に刺さるよ…。