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都会の闇に潜むものは、人間には見えない。それは、怨念や恐怖が形を取った存在──呪霊。呪霊を祓う者たちがいる。
彼らは呪術師。呪術に精通し、呪霊と戦う使命を持つ。
深夜、東京の一角にある古びたマンションで、不穏な気配が漂っていた。部屋の中で何かが蠢き、不吉な低音が響く。
「…また、か…」
呪術師として新米の 風見透は、呪霊を感じ取った。彼の手には巻物が握られている。そこには、今夜の任務が記されていた。
「この場所で、呪いが続いているという情報だ。例の強力な呪霊が絡んでいる可能性がある…」
彼の横には、呪具「紫狼」が影の中から浮かび上がる。呪具と契約することで、強力な呪力を発揮できるが、代償が必要だった。
「今日も頼むぞ、紫狼」
風見はマンションの中へと足を踏み入れる。廊下の先から、冷たい風が吹き込み、彼の肌をかすめる。そこに、無数の目玉が浮かぶ異様な姿をした呪霊が立ちはだかっていた。
「呪力が強い…!」
風見は素早く手を翳し、呪符を空中に描くと、紫狼の姿が巨大化し、呪霊へと襲いかかった。しかし、呪霊は一瞬で姿を消し、再び彼の背後から迫る。
「くそ、早い!」
その時、風見の耳に聞き覚えのある声が響いた。
「透、油断しすぎだよ」
現れたのは、呪術師の上級生 朱音 だった。彼女は指を鳴らし、空間が変化する。結界術が展開されたのだ。呪霊は急に動きを止め、拘束される。
「助かった、朱音さん」
「命取りだよ、透。今回の呪霊は、ただの呪いじゃない。この街での怨念が集合したもの。強い憎悪の塊なんだよ」
朱音は冷静に状況を分析し、呪霊を封じ込める準備を進めていた。しかし、呪霊の憎悪はさらに膨れ上がり、結界を破り始める。
「…これほどの呪力、どうやって…」
「後退しろ、透!これは私でも厳しいかも」
だが、危機に陥ったその瞬間、夜空を切り裂くような光が降り注ぎ、呪霊を一瞬で消し去った。
「…誰だ?」
暗闇から現れたのは、黒髪に冷酷な表情を浮かべた青年だった。彼の名は 神楽坂零。
「助けに来ましたー★呪術師のエースでーす★」
彼は一言だけを残し、闇に消えていった。透と朱音は背中を見つめながら、再び強くなる決意を固めた。