かつて地球と呼ばれる星があった場所に突如出現した謎の大陸。そこは後に魔族が住むことになる大地だった。
人類はこの新たな世界に転移し、混乱しながらも生き抜くために力を蓄える。そして数百年後、ついに魔族の大群との全面衝突が起きることになった。
戦いの末に生き残った人類だったが、最後の決戦の地となった場所――魔王城跡地では巨大な魔法陣が描かれたままとなっていた。それは封印術式であり、魔王復活のために用いられるものだと判明し、すぐに発動される。
しかし、魔法陣は光を放つどころか、沈黙したままであった。それは本来ならば有り得ないことなのだが、ある人物が既に召喚されていたからである。
「ここは……どこですか?」
困惑しながら呟いた声は鈴の音のように可憐だった。まだ幼さを残した顔立ちの少女は黒髪に黒い瞳といった日本人らしい風貌をしていた。
彼女がいる場所は石造の建物の内部であるらしく、周囲は高い壁に囲まれている。そして目の前には自分と同じくらいの年頃と思われる少年がいた。彼は驚いた表情をしていたが、やがて嬉しさに満ちた笑みを浮かべると勢いよく抱きついてきた。
「聖女様! お待ちしておりました!」
「えっ!? あの、ちょっと待ってください! あなたは一体どなたなんでしょうか?」
いきなりの展開についていけず戸惑うばかりの彼女に構わず、少年は涙ながらに話を続ける。
「俺は勇者じゃないし、お前らだってそうだろ?」
・異世界人:この世界に呼ばれた人間の総称。異能の力を得る代わりに寿命が縮まる(大体40~50歳くらい)。大抵の場合「元の世界に帰れない」という条件が付く。
・勇者:魔王を倒すために選ばれた人間を指す。召喚されたのではなく自ら志願して選ばれるパターンが多い。選ばれた人間は「加護」を得て特別な能力を得られる。その代わり死後に必ず転生するという運命を背負っている。
・聖女:癒しの力で怪我人や病人を治療したりできる。また神の言葉を聞けたり、精霊と契約できたりもする。基本的に普通の女の子なので戦闘面では非力。勇者と共に戦うことが多い。
・魔法使い:様々な魔法を使うことができ、攻撃にも回復にも使えるオールラウンダー。ただし体力がないため長時間の戦闘はできない。
・神官:僧侶の上位互換。神聖術と呼ばれる特殊な力を使えたりする。ただし信仰心のパラメーターが高いことが必須条件なので、高難易度の世界ではなかなか出てこないこともある。また、レベルを上げにくい職業でもある。
・騎士:主に魔法剣を使うジョブであり、剣士の上位互換である。レベル上げやすい。序盤ではかなり役に立つ。中盤以降だと聖属性攻撃ができるキャラの方が使い勝手が良くなるので注意。
・魔術師:魔法使いの上位互換で火水土風の四元素魔法を扱うことができる。レベルが上がりやすく、さらに魔法系のスキルを覚えられるため序盤では非常に有用。
・錬金術師:鍛冶師の派生上位職。金属装備を作ることが出来るようになるし、生産系スキルを多く覚えることができる。序盤は貴重な戦力になりうる。
・暗殺者:盗賊の上位互換で短刀などの武器の扱いに長けており、罠の発見や解除にも長けている。隠密行動が得意なので斥候などにも向いてる。