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第4話


宮田くんは、悲しそうな笑顔をしながら、ゆっくりと俺に玉森くんのことについて話してくれた。


「俺はね、玉から直接病気のことを聞いたわけじゃないんだよね。知ったのは、玉が死んでから」

「死んでからって…どうやって知ったんですか?」

「玉の日記だよ。あと手紙。この家も元々玉の家で、玉が死んだ後、ここに来たの。そしたら机の上にある『俊くんへ』って書かれてる手紙と日記が置いてあって、『説明は面倒だから詳しくは日記見ろ』って書いてあったの笑」

「玉森くんらしいですね笑」

「助けを求めないのも玉らしいし、俺に告白してこなかったのも玉らしいなーって笑」

「え!?玉森くんと宮田くんって付き合ってないんですか!?」

「え?そだよ」

初めて知った。いっつもくっついてて、お互いのこと好き好きオーラ出てたから付き合ってると思ってた。

「まぁ、付き合ってたら玉が死ぬことはなかったよ…だから俺は告白しとけばよかったって後悔してるんだ」

付き合ってれば死ぬことは無かった?どういうことだろ?俺は素直にそう思った。

「佐久間。玉の病気知ってる?」

宮田くんは思いもよらない質問を投げかけてきた。正直いって玉森くんが死んだことは知ってるけど、奇病についてだったということしか聞いてないから

「知らないです」と俺は素直に答えた。

宮田くんは少しはにかんで「だよね笑」って言った後、俺に教えてくれた。

「玉は【天使病】っていう奇病にかかってたの。天使病はその名の通り、背中に羽が生える病気らしくて…でも、玉の羽を見た事ないの」

「日記見たら『羽の大きさコントロールできることに気づいたから、普段はしまってた笑』って書いてあって笑でもね、俺気づいてた。たまに玉が顔をしかめたり、『痛ッ』って小さい声で言ってたのそれでも俺は手をさしのべれなかったんだ。」  「宮田くん…」俺が掛けれる言葉はひとつもない。だって俺がしてることは、玉森くんと一緒だから

「玉はね、死ぬ直前に俺にLINEしてきたの。『宮田…早く俺の家来い』って」

「玉が俺の事呼ぶ時は体調悪い時とかだから、俺は急いでここに向かった。家に着いて、玉の姿を探したけどどこにもいなくて、最終的にたどり着いたのはそこの部屋。」

「玉森くんの仏壇がある場所?」

「そう。そこは元々玉の寝室だったの。俺はノックをしてから部屋に入った。その部屋には、苦しんでいる玉がいた。」






「宮田…来てくれた…?」「玉…?」

俺が見た時、玉はおっきな白い羽で自分の体を覆っていた。状況整理出来ずその場で突っ立ってると玉が弱々しい声で俺の事を呼んだ

「俊くん…ありがとう…俺の事笑顔に…させてくれて…最後に俺の事ぎゅって抱きしめて…俺の意識があるうちに…イタッ…」玉が死ぬんだ。俺は本能でそう感じた。だから俺は急いでベットに横たわる玉の体を抱きしめた。玉の体は、軽かった。

「玉…死なないで…俺、玉のこと大好きなんだよ。嫁よりも、ほかの誰よりも…だからさ…グスッ」

「俺も俊くんのこと大好き…俺、今幸せだぁ…」

「玉…?玉!」玉は俺の腕の中で眠るように息を引き取った。羽は玉を守るように閉じていて、少し温もりを感じたが、玉の体の温もりを感じることはなかった。










「天使病はね、治療方法があったの。『自分の中での最高の幸せを体感すること』これが条件だった。玉の場合、俺が幸せでいることが玉にとっての1番の幸せだったらしいんだ」            「じゃあ、お互いが告白した時点で両思いなんじゃ…」

「俺の幸せは、玉が生きている事だったの」

「ッ…!」

玉森くんの幸せは、宮田くんの幸せ、宮田くんの幸せは、玉森くんが生きている事、玉森くんが生きるには、宮田くんが幸せにならないといけない。どう考えても、不可能な条件だった。


「佐久間…」「はい…」

「治療法がなくても、後悔はするなよ?お前、メグロのこと好きなんだろ?だったら、相談して、告白して、少しでも幸せな時間を過ごしな?そして、最後までSnowManの佐久間大介として活動するんだよ?俺たち、キスマイの分まで君らには頑張ってもらわないと」

「宮田くん…グスッ…俺…後悔ないように、言います…!」「おう!報告待ってるからな!」宮田くんの言葉、宮田くんの笑顔はすごいな…

俺はそう思った。


続く

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