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#大人の恋愛
Jasmine
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管野アリオ
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ruruha
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予想の斜め上をいく答えに、思わず吹き出してしまった。
あの部屋で、酸素濃度を確かめたことはなかったな。
「はははっ」
るりちゃんは俺がどうして笑っているのかわからず、首を傾げている。
ああ、好きだなぁ。
「るりちゃんのそういうとこ、好きだよ」
「えっ!?」とるりちゃんが目を丸くして、口をパクパクさせる。
思わず『好き』だと言ってしまった。
このまま、気持ちを告げてしまおうかと思った時、るりちゃんがハッと思い直したように息を吸い込んだ。
「相棒! ですもんね」
「……うん」
一気にテンションが下がる。
危なかった。
これからは相棒であり、上司と部下になるのだから、勢いに任せて告って振られたら、目も当てられない。
大体、具合が悪いって女性に――。
そうだ。
悠長に話している場合じゃない。
「おいで。少し休んだ方がいい」と、彼女の手を取る。
「大丈夫です! ホントに――」
「――いくら極上イケメンでも、同じベッドは嫌だよねぇ。極上イケメンのベッドが臭かったら、がっかりだもんねぇ」と、気を取り直して笑ってみせる。
「えっ!? そんな! 凱人さんが臭いわけがありません!」
否定してくれると期待はしていたが、実際にはっきり否定してくれてホッとする。
「じゃ、いいよね? あ、けど、その恰好じゃ寝られないか」
彼女の言葉にテンションが上がり、チャンスとばかりに寝室に連れて行くと、彼女をベッドに座らせ、クローゼットから新しいTシャツを取り出す。
それを差し出すと、これもまた予想通り、断られる。
「折角の綺麗な服が皺になったら残念だから、ね?」
るりちゃんはグッと言葉を詰まらせて、Tシャツを受け取ってくれた。
るりちゃんとの接し方がわかってきた。
基本的には、押して引かれて押されたら、弱いらしい。
「俺はリビングにいるから、ゆっくり休んで?」
「何から何まですみません……」
「俺が体調を崩した時は、看病してね」
「はい! 任せてください!」
やっぱり、るりちゃんは元気に笑っているのが一番だ。
とはいえ、まだ顔色が悪い。
俺は寝室を出て、目が覚めたら何を食べさせてあげようかと考えながら、ソファにもたれて目を閉じた。
どうやら、俺も浮かれて疲れていたらしい。
考えていたはずが、しっかり眠ってしまい、目を覚ました時にはどっぷり日が落ちてしまっていた。
そっと寝室を覗くと、るりちゃんは眠っている。
俺のTシャツはやはり大きいらしく、大きく空いた襟から見える肌が、なんとも悩ましい。
だが、具合が悪くて眠れないと言った様子はなくて良かった。
恐らく、『感』が働くと体力を消耗するのだろう。
当然だ。
他人が感じるであろう痛みのような感覚まで体験してしまうのだ。
明日は日曜日。
なんならこのまま泊っていけばいい。
いや、泊って行ってほしい。
そうだ! 泊って行ってもらおう!!
己の自制心の許容範囲も知らないくせに、俺は意気揚々とデリバリーのサイトをスクロールした。
俺はがっつり腹が減っている。
るりちゃんはどうだろう。
いくつかのサイトを見比べて、悩みに悩んで、ピザとパスタとハンバーガー、ポテトにサラダ、アイスにコーラと、なんでも届けてくれる店を見つけた。
実店舗はマンションからバイクで十五分の場所にあるらしい。
るりちゃんが気に入ってくれたら、今度は店に足を運んでもいい。
頼んだ料理が届いたのは、注文から一時間後。
土曜の夜なのにそんなに早いのは、あまり美味しくないからではないかなんて思ったりもしたけれど、既に時刻は二十二時。デリバリーを注文する人もあまりいないかもしれない。
「あのぉ」
ナイスタイミングで、るりちゃんの声。
「起きた?」
少し開いた寝室のドアから顔だけ出してこっちを見ている彼女は、だいぶ顔色が良く見える。
「下に穿くものを……お借りできますか?」
ドアで隠れている部分の彼女を想像し、思わず生唾を飲む。
ぐうっと鳴った彼女の腹の虫にハッとし、思春期の男のように妄想している場合ではないと緩みかかった表情を正す。
腹の音に恥ずかしそうに俯いてしまった彼女に、彼女の言う極上イケメンスマイルを向けた。
「ハーフパンツがいいかな。あ、寝室のクローゼットにあるから入るけど、いい?」
俺が近づくと、彼女がハッとして部屋の中に隠れた。
開けっ放しのドアから中を覗くと、るりちゃんはベッドの上で腰から下をタオルケットで隠している。
だが。
隠しているのだが。
隠しているからこそ、妄想が膨らむ。
だって、俺のベッドで、俺のTシャツを着て、俺を待っている。
正確には、俺が穿くものを渡すのを待っているのだが。
それにしても、だ。
健全な成人男性であれば、都合の良い妄想を膨らませるには絶好のシチュエーションだ。
それでなくても、長らくご無沙汰なうえ、面倒なトラウマ持ち。
なにせ、耐性がない。
不意に夕方、るりちゃんを抱きしめた感触を思い出し、つい彼女を見つめた。
「るりちゃん……」
「はいっ! メンズのMサイズなら入ります」
「へっ……?」
「え?」
コメント
1件
るりちゃんは天然さんだね😆可愛くて好きだなぁ。