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鈴子は静かに横になったまま、彼の心地良い腕枕に頭をのせながら浩二をしっかり抱き続けていた
子宮がまだ初めての快感でズキズキ脈打っている、この夢を中断されたくない、と叫ぶように彼を強く抱きしめていた
書物で読んで知っていたことよりも・・・話で聞いてわかっていたよりも、アダルト動画などで見聞きしたことよりもはるかに素晴らしい体験だった
男女の肉体の結び付きが、これほどの歓びを与えてくれるとは信じられないことであった
鈴子は満足して横になっていた・・・女としての新たな目覚めだった、もし、浩二に二度と会うことがなくても、鈴子は一生彼に感謝するつもりだった・・・いいえ・・・もう二度とこの人を離したくないと思った
「すず?」
呼ばれて鈴子は笑った・・・なんて可愛い呼び方だ、昔父にそう呼ばれていた事を思い出した、彼女はけだるそうにゆっくりと首を動かしてぼんやり浩二を見た
「なあに?」
彼女の声は低く、成熟した女性の響きを帯びていた
「爪が痛いんだけど」
言われて初めて、鈴子は浩二の胸に爪を立てていたことに気が付いた
「ご、ごめんなさい!!」
鈴子は思わず叫んで、くっきり爪痕のついた浩二の胸をさすった、すると彼に手を掴まれ、また抱きしめられてしまった、じっと鈴子の顔を覗き込んで彼は言った
「そんなことよりも、君は僕とこうなって今幸せかい?」
「幸せかって?・・・」
鈴子の唇は震え出し、ポロポロ涙が溢れた、男性との愛の営みに失望しか抱いていなかった自分の感情が一気に溢れてしまった
浩二はそっと抱き寄せ 、優しく撫でながら、泣きたいだけ泣かせて・・・そして聞いた
「がっかりした?気持ち良くなかった?」
鈴子は否定しようとして、あわてて彼の顔を見ると、浩二がからかってそう言っているのがわかった、だって鈴子は何度もイクと叫んでいたし、たしかに彼に誘導されてそうなったからだ
浩二がクスクス笑ってまた彼女を抱き寄せて、二人はもう一度愛の旅立ちに向かった、最初の時よりも、もっと素晴らしかった
朝方になっても二人はベッドに横になりながら、浩二がおしゃべりをし、鈴子はクタクタになって聞いていた、彼女にとって、話の内容はどうでもよかった・・・ただ、彼の男性的な声の響きを聞いているだけで幸せだった
この広い世の中にこんな男性は二人といないだろうと鈴子は思った、ふと気が付くと彼はしゃべるのをやめて、鈴子を見つめていた
「僕の話を全然聞いていないじゃないか」
「ごめんなさい・・・ボーッとしちゃって・・・」
くしゃくしゃの髪の下の眉毛が拗ねていた、可愛い
「僕は傷ついたぞ・・・」
浩二がとがめる風に言った
「君は、僕の体にしか興味がないんだな」
クスクス・・・「そうかもしれない」
鈴子は、自分の体がよかったかどうか浩二に訊いてみたかったが怖くてやめた、少し一人になりたかったのでシャワーを浴びたいと言うと、なんと彼は「一緒に入ろうと」浴槽までついてきた
「髪を括るゴムある?」
「そんなモノあると思う?輪ゴムならあるよ」
彼は輪ゴムで丁寧に鈴子の髪を括った、やっぱり彼は女っ気一つなかった、洗面台もどこを見つめても、女性の痕跡は見当たらなかった
―彼は完璧な独り者だわ・・・―
「ほら・・・いくよ」
そう言うなり、浩二は鈴子を降り注ぐお湯の中に押し入れた、さらに彼はボディソープを手で泡立てて、鈴子の体を洗い始めた、まず首を、それから両腕、彼の手は、優しく撫でながら、更に乳房から腹部へ、そして股へと移っていった
信じられない事に鈴子はまた感じ始めると、浩二の手からボディソープを取り上げ、 今度は彼女が彼の体を洗い始めた、泡をいっぱい盛った手を、彼の胸から腹部へ、そして股間に動かしていった、鈴子の手の中で、浩二の男性がみるみる硬くなった
浩二は鈴子の股を広げ、自分の硬くなったモノを彼女の中に入れた、鈴子は再び別世界に飛ばされた、激しく体を打つ、滝のような水に溺れそうになりながら、あまりの歓びにこらえ切れず、とうとう叫んでしまった
「また会える?」
ゴワゴワしたバスタオルで鈴子の髪を拭きながら浩二が彼女の瞳を覗き込んで言った、きっとこの人は柔軟剤など知らないのだろう、自分の理想の為にただひたすらがむしゃらに走っているこの人がとても愛しくなった
―この人には身の回りをキチンとお世話をしてあげられる人が必要だわ・・・―
「もちろん」
鈴子は笑顔で言った