🖤💙〜 猫様②〜
「翔太くん、これあげる」
「んー?なにー?……え、今日、なんかあった日だっけ?俺忘れてる?」
「なんでもないよ、見かけてあげたくなったから買っただけ」
「……なに?……チョーカー?」
あげたのは黒のベルト型のチョーカーだ
「なんか衣装で着けてたやつみたい」
「翔太くんよくチョーカー着けるよね」
「多いんだよなぁ」
「似合ってるからじゃない?」
「んー、、、だから?買ってきたの?」
「まぁね、それもある。着けてみてよ」
途端にちょっとジト目でみられる
「……お前、なんか企んでない?」
「え?なにが?」
「それ”も”って言った……」
(ほんと勘がいいんだから)
そっと頬に手を伸ばして緩やかに撫でる
「似合いそうだなぁと思って買ってきたんだけど、、、嫌だった?」
「……そういうわけじゃないけど」
「ただのプレゼントだって」
「…………んー」
撫で続けている手に重みが乗ってきて、すりすりと自分から頬を寄せてくる
(ほんと猫みたい)
翔太くんは無自覚だけど、頬を撫でられるのが好きらしく、気分が乗ってない時でもこれをしてれば大体誤魔化されてくれる
「俺が着けてあげようか?」
「ん」
頷いて少し顎を上げてくる
チョーカーを手に取り翔太くんに近づく
ベルト穴に金具を通すと声が漏れる
「んっ」
「苦しい?1つ緩める?」
「ん、だいじょぶ」
大人しく差し出された首にベルトを締める行為に、ぞくりと黒い歓喜が背中を駆け上がる
「ん、よく似合うね」
「ほんと?」
「うん」
首とチョーカーの隙間に人差し指を入れて軽く自分の方に引っ張る
「っ!…なに?……やっぱ、お前なんか…」
また少しだけ瞳が疑いに曇って眉を潜められる
この嫌そうにしながらも、少しの期待が滲むのを隠しきれない表情は、いつでも俺の気分をあげる
ついごくりと喉を鳴らした後に、至近距離まで顔を寄せて、見つめたままゆっくり囁く
「ふふ、猫ちゃんみたいで、かーわいいよ」
「っな!おまえ………んっ!」
声を荒げて距離を取ろうとするのを、すかさずキスで塞いで、舌を入れ込む
「ぁふ!んぁ、ん、」
胸を両手で押して顔を離そうとするのを、またチョーカーをぐっと引っ張り、腰にも手を回す
「んぅ!っん、ぁん、んふぅ、は、ぁ」
胸を押す手の力が抜けて、翔太くんの腕が下ろされた
感じる場所を舌が掠めるたびに、普段よりも大きく体が揺れる
「はぁ、はぁ、はぁ」
思う存分、甘い口内を蹂躙して顔を離せば、息の上がった翔太くんが涙目で睨みつけてくる
「…………ばーか」
「いつもより感じてたくせに」
「っ、、そんなことないもん」
上気してほんのり色付いていた頬が一気に染め上がる
「へぇ?強がっちゃって。かわいいね、俺の猫ちゃんは」
「強がってなんかないっ!」
「ふ笑 俺の猫ちゃんなことは否定しないんだ?」
「…?…あっ!それも!違うし!」
「違わないし、もう遅いって」
「っ!………………」
「睨んでも可愛いだけ〜」
口は悪いけど、俺の指に引っ張られて前のめりになった姿勢はそのままで抵抗はしない
体重を支えるために体の前に両手をつく様子も猫そのものだ
「ねぇ、今日それ着けたまましようよ」
「………………」
「ね?」
「………………へんたい」
「それ、今は煽りにしかならないよ」
「っ、、、、さいあく」
「はいはい」
ちゅっと軽くキスをしてから抱き上げれば、腕が首に絡み付いてくる
その夜、普段よりもよく鳴いてくれた猫様は、最上級に可愛らしかった
「また買ってこようかな」
「……………1つでいいし」
「へぇ、またしてくれるんだ」
「……………そうは言ってない」
「ダメともね?」
「……ふん」
素直にうんとは言わないくせに、抱きついている腕は離れない
そんなところが今日も俺の心をくすぐる
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