テラーノベル
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💛💙〜 やり直し〜
「ひかる」
ライブ後、色々と終わって、各々が帰り支度に向かいはじめた中、翔太に呼び止められた
「ん?翔太どうした?」
「ん」
そう言って両手を広げて差し出してくる
「???」
何がしたいのか、さっぱり分からず首を傾げれば、口を尖らせてくる
「ちゃんとした抱っこ、やり直して」
「え?」
「ん!」
「ふはっ!笑 お気に召さなかったと?」
「……雑すぎ」
「はいはい」
グイッと抱き上げれば、勢いに驚いてしがみついてくる
「わ」
「ほれ。満足か?」
「部屋、一周して」
「えぇー?俺だって疲れてるんですけどー?」
「しらない。ひかるがわるい」
とんだワガママなお姫様だ
仕方なく部屋を歩き始めれば、微笑ましそうにメンバーが絡んでくる
「ふは笑 なべよかったなぁ」
「転がされた!って拗ねてたもんなぁ、しょっぴー」
「しょっぴーいいなー!僕もやって欲しいなー!……佐久間くん!」
「よしきた!!任せろー!!」
「それは流石に人選ミスでしょ」
阿部の冷静なツッコミにみんなが笑う
腕の中のお姫様もご機嫌そうに笑っている
ぐるっと部屋を一周すれば満足したらしく、今度は早く下ろせと催促される
「ひかる、もういい」
「はいはい。ご満足いただけました?」
「ん、ありがと」
ちゅっ、と頬に一瞬だけ柔らかな唇が触れる
「え…」
「シャワーしてくる」
あっという間に腕から抜け出して、いつものように、みんなに構わず、さっさと出ていってしまう
翔太がドアを出ていく刹那、真っ赤になった耳が見えた
「珍しいじゃん、なべがみんなの前で」
「ライブ終わりのテンション?それにしても珍しい……」
「まぁ、それも多分あるけど。お前、去年は福岡いなかったからな。翔太も嬉しかったんじゃねぇの?俺らも同じだけど!」
「かぁいいねぇー笑 羨ましいぜ、照」
「ちゃんと甘やかしてやれよなぁー」
「2人ともうるさ」
両脇から冷やかしてくる佐久間とふっかをいなしながらも、ゆっくりと翔太の後を追ってシャワー室に向かう
「翔太ー」
「なに?」
目的に着いて呼び掛ければ、顔の赤みがおさまった翔太の顔が、一室からひょっこりと出てくる
「支度終わったら待ってて。一緒に帰ろ」
「………あたりまえだし」
目を逸らしながら、早口で言い捨てて戻ってしまうが、その頬はまた少し赤くなっていた
(かわいいなー)
「いった!」
両脇にいた2人からバシバシと叩かれる
ニヤニヤとした表情が鬱陶しい
「やめろって!」
身を捩って逃げようとしてもやめようとしない
「もう〜!お前らうるさい!」
翔太の声が響いて、叩くのをやめた年上組2人はニヤニヤを続行したまま、空いているシャワーに向かっていく
それに続いて俺も空いてる場所に入ったところで、また2人の声が響く
「翔太〜!今度は俺が抱っこしてやろうか〜?ラウは無理でもお前ならいけそう」
「俺は腰がヤバそうだから遠慮しとくわ笑」
「いらんわ!!ばか!!」
ひときわ大きな声とともにドタドタと出ていく足音がする
「ははは!笑 かぁわいー!」
「お前ら、あんま揶揄ってくれるなよ。あとで機嫌とるのは俺なんだぞ」
「俺らは関係ねぇもん笑」
「うっざ」
2人の態度に不満を言いつつも、可愛い翔太が見れたのは俺としても嬉しくて、ついついにやけが混じる
「お前ら、ほんとにうるさいよ」
言い合いをしながらシャワーをしていれば、後からきた阿部に怒られ、目黒とラウールに爆笑されて、ようやく俺らはおとなしくなった
シャワーから出て部屋に戻れば、翔太から、照れ隠しの睨みつけと、一蹴りずつをお見舞いされた
それでも、ライブ終わりのテンションも手伝って、年上2人は全然反省の色無しだ
そんな3人を見てメンバーみんなで笑い合い、福岡でのライブは解散となった
俺はというと、お姫様の機嫌を取るために、ホテルに帰ってから苦心したことは言うまでもない
それでも、最後にはなんとか機嫌を直してもらい
「今年はひかるも福岡に来れてよかった」
と可愛らしく笑って抱きつく翔太に癒されて、穏やかな眠りについた
コメント
7件
抱っこして→下ろして が早いのがなんとも💙らしくて好きー天才

良きかな良きかな😇🙏南無💛💙
