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朱雀視点。
昼間だった。
何だか妖しい気配を感じて、蔵に目をやる。
確か、雨明くんが掃除やらなんやらで蔵へ入っていったはずだけど。
晴明くんが蔵へ向かった。
妖しい気配なんて、勘違いだったか。
そう思った。
でも、
蔵を開けた晴明くんの顔。
驚いていた。
焦っていた。
一瞬で、何かの覚悟を決めていた。
───やっぱり。
勘違いじゃなかったんだ。
僕は急いで蔵へ。
ばんっ。
扉を思いっきり開けきった。
そこには、
朱色の顔に、
1本角。
耳まで裂けた口を持つ、
朱の盤がいた。
『2人とも!大丈夫!?』
朱の盤は小さな体2つの方へ向かっていく。
その時、
晴明は、雨明を覆うようにして飛び込んでいく。
その姿を見て思う。
………ああ、やっぱり。
あの頃と全く変わってない。
他を救うためなら
自分は死んでもいい。
何も変わってないよ。君は。
何も変えれてないよ。僕は。
朱の盤が2人に更に近寄る。
晴明くんは一歩も引かず、身を挺して守る。
僕は駆ける。
刃を握り、朱の盤を後ろから狙うように。
あ。
もしここで僕が何もしなかったら、
晴明くんは、僕だけを頼ってくれるのかな。
誰にも自分の何も明かさず、
弱音すら吐くことなく死んだ人が。
僕だけに、助けてって。
少し笑いそうになる。
そんな想像を、誰にも言えないまま胸にしまう。
刀を朱の盤に突き刺す。
朱の盤は一瞬で崩れていった。
雨明くんはまだ小さく震えている。
晴明くんは肩で息を切らしながらも、
動かず雨明を守る。
『もう良いよ。もう大丈夫』
晴明が、雨明から体を離して周りを見る。
「……良かったぁ」
「……晴……ありがとう…」
『ほら、早く家へ戻ろう』
『掃除は一旦区切りにしよう』
「……うん、そうする」
「ほら、雨。」
「行くよ!」
僕は蔵を出た。
一瞬だけ、
朱の盤を倒すことを躊躇したのは、
誰にも明かさないことにした。
コメント
1件
朱雀視点、すごく切なかったです……。晴明くんが身を挺して雨明くんを守る姿を見て「あの頃と変わってない」と思いながら、自分は「何も変えれてない」と感じる朱雀くん。その対比が胸に刺さりました。「僕だけに助けてって言ってほしい」という本音を誰にも言わず仕舞い込むところ、そして朱の盤を倒すのを一瞬躊躇した秘密——。 優しい人ほど背負い込んでしまうんだなと、じんわりしました。次が気になります!
ほげ
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2,402
腐ってて何が悪いですか?
2,431
#安倍晴明
ほげ
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