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雨の日に。

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雨の日に。

2 - 出待ち。

♥

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2023年06月17日

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昼休み。

いつも一緒に食べてる二人に、昨日あった出来事を話した。



「少女マンガかよ」

「今時そんな人いるんだねぇ」

「俺だったらはっ倒すね」

「物騒だな…」



この口の悪いのはうっしー。頭の回転が速く、成績も優秀だ。今日の昼は焼きそばパンらしい。ヤンキーみたいだな。もう一人の穏やかな喋りの人はガッチさん。ちょっと変態なところがあって、変わった人だ。お昼はいつも弁当を食べている。



「でさ、名前も知らんわけよ」

「顔の特徴とか、何かないのかよ?」

「あるある!」



昨日のシーンを思い出して、二人に話す。


「背がすごく高くて、多分180くらいありそうかな」

「他は?」

「声は低くて…あ…襟足が赤かったかも」

「そんな奴いたっけな…」



二人とも首を傾げて考えている。そんな目立つ髪なら皆が知ってそうなんだけど。でもオタクで陰キャの俺等は知らないやつなのかもしれない。

…言ってて悲しくなってきた。



「そいつチャリ通なんだろ?」

「うん…あ…!」

「駐輪場で待ってみるのはどう?」

「会えるかな…?」

「HR終わったらダッシュで行けば間に合うよ」



そうか、その手があった!

出待ちってやつですね。



「そうしてみるわ!」

「しかし乙女な展開だな」

「どんなやつか見てみたいもんだよね」

「絶対陽キャだこえーよぉ…」














「はい、では以上でHRを終わりにします」



その言葉と同時に俺は急いで教室を出た。後ろからうっしーとガッチさんの笑い声が聞こえてきたけど、そんなことは気にしない。

だって早くしないと―














「っはぁ…はぁ…」



教室から駐輪場までは遠い。上がった息を整えながら辺りを見回すと、それらしい生徒はまだ来ていなかった。床に座って何となくスマホをいじる。どうせそのうち来るだろう。














数分経ったときだった。



ガチャン


近くの自転車を取ろうとする生徒。



「あっ、すいませ―」



退こうとその顔を見上げると、



「あ!!!」



長身に赤い襟足。俺の探していた生徒だった。俺の声にびっくりしたのか、目を見開いて俺を見る。でもその後は思い出したようで



「ども」



と軽く挨拶をしてくれた。



「あっあの!傘!」

「傘?あー…いいのに」

「返そうと思って待ってたんだけど…」

「出待ち?ファンじゃん」



そう言ってふわっと笑う。本当に少女マンガに出てくるキャラクターみたいだ。

俺は持ってきた傘を返した。



「少女マンガみたいな展開で焦ったわ」

「困ってたしょ?だから当然だよ」

「ありがと。俺はレトルト。名前教えてよ」

「じゃあレトさんね。俺はキヨ」

「キヨくん…ほんまありがとうな!」



感謝もできて、帰ろうと歩き始めたときだ。



「レトさんさ、一緒に帰ろうぜ」



普段一人で帰ることが多いから、嬉しかったけれど、少し緊張もした。









To Be Continued…

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