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錆の都送り

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錆の都送り

第23話 - 第23話　変装

24

2024年11月03日

#ダークファンタジー

#錆

#黒蜜の賞金付きコンテスト

伊琉夏

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24

伊琉夏

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錆の都の夜は、幾重もの影と灯りに覆われ、不気味な静けさが漂っていた。鋼谷はゴーストの痕跡を追って、人気のない裏通りを歩いていたが、ふと背後に誰かの視線を感じて立ち止まった。振り返ると、そこには奈央の姿があった。

「…奈央？こんな場所で何をしてるんだ？」鋼谷は少し警戒しながら声をかけた。

「あなたこそ、こんな夜中に何をしてるの？」奈央はいつもの優しげな笑顔で答えたが、その表情にはどこか違和感があった。鋼谷はわずかに眉をひそめたものの、その場では特に疑念を抱かず、そのまま会話を続けた。

その後、二人はともに歩きながら会話を重ね、異能者たちの動向やホロウギルドについての話題で盛り上がった。しかし、ふとした瞬間、遠くから歩み寄ってきた真嶋が二人の姿に気付き、驚愕の表情を浮かべた。

「…鋼谷、まさか…！」真嶋は険しい顔で鋼谷を引き寄せ、奈央のほうを鋭く睨んだ。「彼女…じゃない。あれは…鷹津だ！」

その言葉に鋼谷は一瞬凍りついた。鷹津剛造、錆の都の冷酷な都知事が奈央に化けて、自分の行動を監視していたというのか。疑念と怒りが沸き起こり、彼は奈央（鷹津）に問いただすような視線を向けた。

すると、奈央の姿がゆっくりと変化し、冷酷な微笑を浮かべた鷹津がそこに立っていた。「気づかれるのが少し早かったな。さすが、真嶋…お前の勘の鋭さは相変わらずだ」

「何のつもりだ、鷹津…！」鋼谷は怒りを押さえきれずに声を荒げた。「俺を監視するために、奈央に化けるとは趣味が悪いぜ」

鷹津は涼しげに肩をすくめた。「君の行動を把握するのも、都の平和のためだ。それに、君の周囲には興味深い人物が多いからな」

真嶋は険しい表情で一歩前に出た。「鷹津、お前がどれだけ変装を駆使しても、俺たちの信頼は得られない。それがわからないなら、お前はただの権力にしがみつく亡者だ」

鷹津はその言葉に微かな笑みを浮かべた。「言いたいことはわかるさ。だが、錆の都はそんな甘い理想だけでは救えない。俺はこの都を守るために手段を選ばない。君たちと違ってな」

こうして、鷹津が奈央に化けていた真実が明るみに出たが、その狡猾さと冷酷さに鋼谷は不快感を隠せなかった。彼の都に対する執着心は、異様なまでに深く根付いていた。鋼谷と真嶋は、鷹津の思惑に振り回されながらも、錆の都での戦いに挑む覚悟を新たにした。