TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する


眠ってしまった彼女を置いて、ホテルのベッドから抜け出した。


身体は疲れていたが、このまま寝る気にもなれなかった。


セックスの後は、いつもこうだ……。


やり切れない気持ちだけが込み上げて、虚しさに包まれる。


気怠い体を部屋のソファーに預けて、テーブルに飲み差しで置いてあったウイスキーをグラスから煽るように飲んだ。


ドボドボと溢れるくらいに注いで、また一気に喉へ流し込む。


いくらストレートで飲もうと、ただ纏わりつくような怠さが増すだけで、少しも酔えやしなかった。


飲んでいる内に眠気が襲い、ソファーで寝落ちをして朝を迎える。


ボトルが空になるまで飲んで、シャワーを浴びると服を着替える。


その頃になって、ベッドからようやく彼女が起きてきた。


「先生、早いんですね…」


「ええ…」とだけ頷く。本音を言えば、昨夜からほとんど寝ていないが、そんなことをわざわざ言う気もなかった。


「ねぇ…まだ時間あるんでしょう? もう少し…しないの?」


下着だけをつけた身体で彼女がしなだれかかってくる。


鬱陶しいようにも感じて「服が、しわになるので」口にすると、


「……何よ!」と、イラついた声を女性が上げた。


「……冷たいですよね、先生って!」


続けざまに苛立ちをぶつけて、


「そんなんだから、アンドロイドみたいだとか言われるんですよ!」


非難の言葉を投げつけた。


「アンドロイドですか……」


そんなセリフはもう何度も聞かされていた。冷酷で血の通わない、外見だけのアンドロイド……いっそのこと本当にそうならいいとさえ感じた。


アンドロイドであれば、いらない思考が働くこともない……。


「……聞いてるんですか? 政宗先生! 抱いたら終わりだとかひどいって言ってるんです!」


「……だったら、どうすればいいんですか? これからも不毛な付き合いを、続けていきますか?」


こぼれ出た本音に、


「……最低っ!」


彼女は声を荒げて、


「先生は外面が完璧なだけのアンドロイドって、本当だったんですね!」


捨て台詞を吐きかけると、さっさと服を着込んでホテルの部屋を出て行った──。




「責め恋」政宗一臣先生Ver.

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

43

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚