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 翌朝、


「いってらっしゃーい! 気をつけてよぉ!」


鍾乳窟の入り口で勢い良く腕を振りながらレイブは叫んだ。

 

『グワァ~! ガガグワッ!』


 ギレスラは上空高く飛び上がって遠ざかっていく二つのスリーマンセルに向けて旅の安全を願う声を上げていた。

 本気で願っているのは飛翔高度で一目瞭然だ。

 通常であれば小さなレイブの倍位が限界であったが、この時は十数倍の高さまで飛び上がっているのだから普段のギレスラを知る者ならば、その願いの本気度は簡単に看過されてしまう事であろう。


 レイブとギレスラのテンションが強めに掛かり、モチベ最大値になっていたこの時、この場にいないペトラは一体何をしているのだろうか?

 彼女は二人の兄とはうって変わって忙しく鍾乳窟の中を走り回っていたのである。


 バストロとフランチェスカが旅立ち、既に姿どころか影すら消え失せたと言うのに、馬鹿みたいに腕を振り続けていたレイブの足元を慌しく通り過ぎながら彼女は言う。


『もうっ! アタシ達だってすぐに出かけなきゃならないのよ! レイブお兄ちゃん、ギレスラお兄ちゃん! 少しは手伝ってよ! 全くもうっ!』


 言われたレイブは漸(ようや)く腕のブンブンを止めてペトラに返す。


「そんなに慌てなくても大丈夫だよぉペトラぁ、お師匠も皆も揃って言っていたじゃないか、念の為ってさぁ、あくまでも念の為なんだからさ~、良い? 念の為って本来は必要ないけど念には念を入れてって意味なんだからね! そんなに焦らなくても良いじゃないかぁ!」


『ソソ、ネンノタメハ、ネンノタメ♪ グラハハハァッ!』


 二人の会話を聞いて降りて来たのだろう、ギレスラが翼をはためかせながら言ったのである。


『はぁ~ッ、だとしてもお師匠の言い付けを破る訳にはいかないでしょっ? お兄ちゃん達ぃ! さあ、早く支度を終えて移動を始めましょうよっ、ねっ?』


 うん、確かにペトラが百パーセント正論だな。

 老婆心からの心配だとしても師匠からの指示を無視して良い理由にはならないだろうからね、ちゃんと聞いとけよ、レイブとギレスラ。


 そんな私の思いが届いた訳では無かろうが、存外に素直な声が聞こえて来たのである。

 レイブの声だ。


「判っているよペトラ、準備する物、持って移動する物資って後どれ位残っているのかな? 粉薬と血清は少し多めに持っていかなくちゃね! それ以外は干し肉と干草だろうねぇ! んまあ、それはそれでちゃんとするとしてさっ、どうする? ペトラ、ギレスラ、僕たちどこに避難すれば良いのかなぁ?」


『むっ、そうね……』


『ガッ、ソ、ソウダナァ……』

堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

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