テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

 さあ、作戦会議だ。


 とは言ったものの、まあ俺一人だけなんだけどね。でも頭を回していかなければ、最適解なんか見つかるはずもなく。だから回す。思考を止めない。それらをやめてしまった時点で、そんな人間は死んだも同然だ。


「さて、と。どうしますかねえ。ない袖は振れないわけだし」


 まあごちゃごちゃ言っていても考えても仕方がない。まずは思考のベクトルを変えて、俺の収支についてまとめることにしよう。というわけで、俺はノートを開き、ボールペンでそれらをまとめ始めた。


 俺のレッスン料金は比較的高額に設定されている。ひとつのレッスンを三時間とすれば、二万六千円だ。つまり、十人の生徒さんがレッスンを受けてくれれば、それだけで二十六万円になる。これが、毎月の平均的な売り上げ。


 しかし、もちろん安定はしない。あくまでも、これはアベレージ。机上の理論と言ってもいい。何故なら、その収入は上振れも下振れもする。至極当然だ。


「全然足りないな……」


 先述の通り、この収入から支払うべきものも差し引かなければならない。節約すればなんとかなるかもしれない。


 だが、それは数ヶ月をかければ』という括弧付きだ。今回は一ヶ月という縛りがある。そこが一番重要な点であり、問題点だ。自業自得ではあるんだけれど。


「あー、もう! 大木に一ヶ月って宣言しなきゃよかった……」


 身から出た錆である。


 正直、大木になんやかんやの理由を付けて先延ばしにすればいいんだけれど、それでは俺のプライドが許さない。我ながら面倒くせー性格だ。


 が、奇跡が起こった。神は見放さなかった。それが分かるのはもう少し後になるんだけれど。まあ、先に端的に説明してしまうと、理由はブログだ。


「――試してみる価値はあるな」


 昨年の九月のことだった。俺は自身で管理しているブログで『大阪に出張する』という旨をそこで発信したことがあった。すると十四名もの方々が俺のレッスンに応募をしてくれたのだ。たった三日間の中で、だ。それを思い出した。


 これは持論だけれど、俺はブログの持つ発信力や影響力を高く評価している。そして俺のブログよ閲覧数は半端じゃないんだ。現在もブログのランキングで上位に位置している。いわゆる、ランカーだ。


 なので発信力がある。影響力がある。それだけではない。このブログにSNSを絡めることで、発信力をより強めることができる。


「よし! 明日の夕方までに記事を書き上げて投稿してみうよう」


 これはひとつの賭けでもあり、挑戦だ。


 しかし、この時点で確信していた。


 この作戦が上手くいく可能性は非常に高いということを。

ダメ男、アメリカに行く

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

47

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚