テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
時は30年前、カンレイ全土は戦乱時代。カンレイの中でも一二を競う強国レンニーで国王の前に跪きなにやら神妙な面持ちの男がいる、
カンジュ国の最強武将であるケイシだ、ケイシこそセイカとユイの父である
レンニー王が静かに言う
「カンジュの最強武将が何用だ?」
ケイシは顔を上げ覚悟を決めた真っ直ぐな目で言った
「レンニー王、本日はお願いがあり参りました。レンニーの亡き大将軍ザッハの未亡人であるリーシ様に婚姻の申し出をさせていただきたく参りました」
「なに!」
レンニー王の声と同時にレンニー国の要人達もざわついた。
「お前はなにを言っているのかわかっているのか!リーシはレンニーの宝石、カンレイ全土の宝石といわれる女だ!そのリーシをレンニーが手放す訳がなかろう!」
ケイシは引かない
「ザッハ大将軍の葬儀にて一目見た時より恋焦がれております、私の妻はリーシ様以外には考えられません、どんな犠牲を払ってでも私はリーシ様を妻として迎えます」
「どんな犠牲だと?」
レンニー国王は暫く沈黙し口を開いた
「そなたの言う犠牲とはなんだ?」
「私とリーシ様が結婚した暁にはカンジュ国は今後一切レンニーに戦はし掛けません、無論カンジュの国王にもこの事は承諾を得ています」
カンジュ国は最早ケイシの武力人望人気でレンニーと一二を争うほどの強国となった故、カンジュの王もケイシの切望を跳ね除ける事はできなかった、そしてカンレイの宝石といわれるリーシをカンジュに迎える事も実は誇らしかった。
「そうか、それはまた本当に思い切った決断だな、ケイシ。..よいだろう、だかしかし夫である大将軍を失った未亡人とはいえ、リーシはレンニーの大切な姫、宝だ。リーシの気持ち次第としようではないか」
「はっ!有り難きお言葉に感謝いたします!」
こうしてケイシとリーシの見合いが執り行われる事となった。