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リーシは貴族の娘でもなく高貴な生まれではない、ただの農民だった。
レンニー国の大将軍であったザッハが戦帰り城へと向かう途中偶然に農村で出会った。
リーシは幼少の頃より類稀な美貌であった、あまりの美しさに、人間ではない化け物だと恐れる者も少なくなかった、
そんなリーシを心配し成長したリーシに、いつも顔に衣を巻き顔を隠すよう両親は教えた。
優しいリーシは村の子供達の面倒をよくみていた、あの日もそうであったように。
子供の一人がザッハ率いる騎馬隊の前に飛び出てしまった、
リーシは慌てて子供を抱き抱えた
「武将様、どうかお許しくださいませ。高貴なお方の道を塞いでしまい、どうかどうかお許しを..」
恐ろしくてリーシの声は震えている
「よい。構わぬ。子供のした事だ、案ずるな」
ザッハは淡々と言った、そしてふと、
「女よ、なぜそなたは顔に衣を巻いている?」
リーシは声を震わせながら答えた
「はい、子供の頃に大きな火傷をしてしまい今でも酷くただれているために隠しております」
ザッハはリーシを哀れむ目で見た
「そうか、女の身でそれは辛かったであろう、すまぬ、つまらない事を聞いてしまった」
「いいえ、滅相もございません。では道中のご無事をお祈りしております、失礼いたします」
リーシが礼をしたその時、風が吹いた。
リーシの顔を纏っていた衣がヒラリヒラリと飛んでしまった、
この瞬間からリーシの運命は大きく変わりカンレイ全土の名だたる男達からの愛に翻弄される事となる
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