テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
95
10
537
🩷「ねえねえ、阿部ちゃん」
🩷「ここ最近、なんか変じゃない?」
💚「え?!そうかな?」
🩷「俺には話せないこと?」
💚「いや、その……」
阿部は言葉に詰まる。
しばらく悩んだ末、
静かに決意した。
💚「佐久間」
💚「今日の夕飯のときに、真剣な話がある」
🩷「え……」
佐久間の表情が一気に曇る。
💚「あ、別れ話じゃないよ!?」
🩷「び、びっくりしたぁ……」
佐久間は胸をなで下ろした。
──────────────
そして――夕方。
テーブルを挟んで座る二人。
💚「あのね、佐久間」
阿部は、これまでのことをすべて話した。
夜の出来事。
0時を過ぎると現れる、もう一人の佐久間のこと。
話し終えたとき――
🩷「……」
佐久間は、ぽろぽろと涙をこぼし始めた。
💚「佐久間……?」
🩷「俺……」
🩷「学生の頃ね…」
🩷「お泊りしたことがあって」
💚「……」
🩷「当時、付き合ってた人と…」
🩷「でも、次の日になるとその人の様子がおかしくて」
🩷「急に別れを告げられたんだ」
震える声。
🩷「怖いって言われた」
🩷「俺のこと……怖いって」
🩷「友達とかにも…」
🩷「夜のお前は、変だって言われ続けた」
💚「……」
🩷「それから」
🩷「自分のことが怖くなった」
🩷「だから……同棲の話も」
🩷「なかなか踏み込めなかった」
その言葉を聞いた瞬間。
阿部は立ち上がっていた。
そして――
ぎゅっと佐久間を抱きしめる。
🩷「阿部ちゃん……?」
💚「どんな佐久間でも」
💚「俺は大好きだから」
佐久間の腕も、
ゆっくりと阿部の背中に回った。
強く、強く抱きしめる。
🩷「……ありがとう」
🩷「俺も阿部ちゃん大好き…」
その声は、少し震えていた。
だけど――
阿部の胸の中で、
佐久間は少しだけ安心したように笑った。
それでも。
阿部は思う。
💚(この瞬間も……)
💚(あの人は覚えているんだ)
夜になると現れる、
もう一人の佐久間。
彼は今もきっと――
すべてを見ている。
つづく。
コメント
4件
どうなっちゃうのぉぉ、!!🥺(T ^ T) 姉様の作品たち、いつも引き込む力が強すぎです!!