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一向に戻らぬ記憶
「なぜ私をこんな居心地のいい部屋で尋問もせず生かす」
どれだけ呼びかけようとサルデーニャの記憶は戻らなかった
「日本さんの記憶は戻ったんですけどね…」
「そうですか…」
私だけ,取り残されている
「母さんの方は何とかなったから,そっちの方も保留になった」
「そうですか」
いいな
日本さんは無事なのに,サルデーニャは…
私は,これからどうすればいいんだろう
大切な人を失ったような状態で,この半島を,どうすればいいのだろう
「おいシチリア」
「あ,ソ連さん」
「…しばらくの間,お前がイタリアの代表になるらしいな」
「ええ,イタリア共和国としてですね」
「…サルデーニャの方は,まだ忘れているのか」
「そうですね」
私は,イタリア共和国
そうだ,彼の方は間違いになったんだ
なら,私は私として生きよう
いや,生きるしかない
「うん?G7?」
面白そうな会合だ,参加して…
招待されていない…突撃するか
「こんにちは〜!ちょっとちょっと!私のことよんでくれてもいいじゃないですか!」
「え,イタリア⁉︎」
「電撃訪問とはこのことですか…」
「まあまあ,とりあえず座ってくれ,イタリア」
イタリア,そう,イタリアなんだ
「あれ,そういえばまだ一人来てないわね」
「ほんとです
ええと,西ドイツさんでしたっけ?」
「…ああ」
うん?空気が重い
何でだろう
「どうも,西ドイツです」
「お,来たか
そこに座ってくれ,あとイタリアが電撃訪問してきたから一緒にやるぞ」
「分かりました」
「「っ⁉︎」」
ほぼ同じタイミングで私と日本さんがビクついた
もしかして,いやもしかしなくても…
「…第三」
「…バレた?」
「っ…」
こいつは,時と時空をいつも無視してきた
サルデーニャをあんなふうにした時も
「まあそれなら仕方ない
…そんなに警戒しなくたって何もしないぞ」
「信用ならないからよ」
「おいおい,ここは関係ない会議の場,それは失礼なんじゃないか」
「あんたにそっくりそのままそのセリフ返すわよ
アンタがいる方が失礼よ」
「…そうかい」
日本さんはブリテンさんと強く手を繋いでいる
こいつは,どうやってここに来たんだ?
答えは簡単,また転生
「非常に残念だけど,穢れた血を撒き散らしたくないから今回は見逃してあげるわ」
「…」
これほど神経をすり減らす会議は初めてだ
まあ私が勝手に彼を倒したい気持ちですり減っているだけなのだが,
飛び入りで来て良かった
こんな所で一番憎い相手を倒せるなんて
会議が終わったら地獄に送ってやる
「では,会議はここまでにしましょうか」
「ああ」
絶対に,一人になった時を見逃さず…
「ふう…」
風が気持ちいいな
…うん?
「レモンの弾丸!」
「ブンデスアドラー」
「ヒュン」
「っ…マフィア・カーニバル!」
「よっと,不意打ちは効かないぞ」
「うるさい!」
「それしか引き出しも無いしな」
「っ…誰のせいで…誰のせいでこんな弱くて,みっともなくて,
馬鹿みたいな代表になったと思ってんのよ!」
「俺のせい,で?」
「っ!うるさい…うるさいうるさいうるさいっ⁉︎アンタさえいなけりゃ今頃サルデーニャは!」
「何を勘違いしてんのか知らないが,あの洗脳,俺はもう全部解いているんだが」
「…へ?」
「解除魔法まで使えなきゃただの暴走兵器になりかねない魔法だからな
だから,アイツが『今』ああなっているのは俺のせいにされてもな」
「嘘d_」
「悪いが東と統一するまでの命の俺はもう未練もないんだよ
つまり,嘘をつく気がさらさら無い」
「じゃあ何で…」
「アイツのそれは思い出せないだけ
つまり俺の洗脳中の記憶しかないからああなっているだけだ
よって今俺にいろんなことをせがまれても無駄だ」
「…」
「悪いが俺は今生きてはいるが謝る気は全くない
この世に未練もやり残したこともないからな
嘘の謝罪なら受け付けるが,感情のこもったことを無気力な奴にやれと言ってもな」
というか,そもそも俺にとって感情はほぼ元からついていなかったようなものだし
「そういうことで
悔しかったら記憶を戻してからにしろ」
「…なら協力しなさいよ」
「それはいいが何をすれば良い?」
「…アンタは私についてくれば良い」
ショック療法
諸事情で入院していたのと展開に悩みに悩んだせいでかなり遅れました
申し訳ございません