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「だって……だって、もっと……」
まるで責められているかのようで、涙が滲んできそうにもなる。
「もっと、なんだよ…うん?」
問い詰めるように口にしながら、座っているソファーの幅を詰めてそばへにじり寄る流星に、思わず身体を引いて距離を取ろうとした。
「だって……もっと、かまってほしいもの……」
少しだけ離れて、彼には聞こえないくらいの小さな声で呟いた……はずだったのに、
──突然に、ぐいっと体が引き寄せられ、
「……俺にかまってほしいのなら、始めからそう言えよ」
腕の中に抱きすくめられて、耳に唇が付くような近さで、声が吹き込まれた。
予想もしていなかった不意討ちの行為に、びくんと心臓が跳ね上がる。
「まわりくどいのは、苦手なんだよ、俺は……」
流星の吐息が、私の耳にふぅーっと吹きかかった……。
「流星……」
「なんだよ」
「腕、痛いから…離して…」
「ああ、ワリぃな」
ぎゅっと痛いくらいに私を抱いていた腕がほどかれる。
「……別に、あなたにふつうを求めてるわけじゃないの……」
強く抱きしめられて赤みが残る腕を、手持ち無沙汰に手の平でさすりながら話す。
「だけど、ただ……ふつうじゃないと、どう接したらいいのかがわからなくて……」
流星は取り出したタバコを唇に咥えライターで火をつけると、私のひとり語りを黙って聞いていた──。