テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「お前、あの祠を壊したのか?!」
🟦&🏺 カプなしバディもの
新警察署の構造が一生わからないので旧警察署が舞台です。
※作者は作者の見たいものを書いています
※御本人様等々には関係ありません
北の街での事件対応の帰り、ヘリを駆る青井が急に言いだした。
「デスマウンテンの上の神社って知ってる?」
「ああ、あるな、知ってますよ」
「最近見に行ってないんだよね、ちょっと気にならない?」
「仕事中っすよ~」
口だけでは否定するがつぼ浦もちょっと見てみたかった。新年を前にして市長が肝入りで作った神社だ。年明けの頃には市民が何人もヘリで向かい、何人かは爆散したり滑落したものだがこの中途半端な季節には行く人もいないだろう。
青井がヘリを駆ればあっという間に山が見える。いざ近づいてきた山頂はとても急峻で、草木もまばらでいかにも死を撒き散らしてそうな見た目をしていた。
「これ降りられるか?めっちゃ狭くないっすか?」
「まあヴォリトーだけど行けるよ、俺ならね」
「へぇ~ヘリ上手いっすね」
「へへっ、へへへ」
「すぐ調子乗って笑うのやばいっすね」
「はぁ~いぷっつーん、つぼ浦くんだって一人で合いの手とコーラスまで入れて歌ってるやん気持ち悪っ」
「アァ!?な、な、なんで聞いてるんだよ、何だテメェ~?!」
最初はちょっとした口論だったが、徐々にエスカレートし狭い機内で殴り合いに発展した。狭いながらも器用に避けて殴り返すたびにヘリがグラグラと揺れる。
そしてつぼ浦のパンチを避け、殴り返そうとした青井の肘が操縦桿にぶち当たった。
「あっ」
「あっ」
慌てて操縦桿を持ち直すが時すでに遅し。大きく傾いたヘリは近年まれに見るきれいな所作でブレードキルをかまし、頂上の祠をぶち壊した。
「ま、まずーい!」
そこから諸共に墜落しなかったのは長年のヘリ使いの腕。青井はなんとかヘリの体勢を立て直して平らな場所に着陸させ、二人して慌てて祠の残骸に駆け寄った。
それはもう綺麗に壊れていた。石造りの壁がブレードで綺麗に袈裟懸けに真っ二つになっている。鳥居だけは無事だったが賽銭箱も砕け散り、中に入っていたであろうカジノチップやブラックマネーなどが飛び散っている。
「いや~……ワロタじゃなくてよかったけど、一旦ヴォリトー強すぎか」
たまたま乗っていたのが警察ヘリの中でも大型のヴォリトーだったため二人は助かった。軽装甲のワロタだったらあのまま爆散して、更にとんでもないところでダウンする二人を回収する救急隊も二次遭難したりと大変な目にあっただろう。
少しでも労ってやろうとヘリにダクトテープを巻いていた青井のところにつぼ浦が何かを持って走ってきた。
「アオセンどうしますか、これ」
「お前そんなの持ってこないでよ!」
青井は思わずのけぞる。つぼ浦の手には御神体と思しき木箱が握られていた。白木でできた箱には御札が何枚か貼ってあり、明らかに普通ではない雰囲気が漂っている。
「いやでもぶっ壊れたところに置いておくのもあれじゃないっすか」
「知らない知らない、祠壊したことないから」
大多数の人間は祠を壊した経験などない。
「でも壊したのアオセンじゃないっすか」
「はぁ?俺??そもそもお前が殴ってこなかったら手出してませんでした~」
「じゃあヘリだな」
「ヘリは悪くない、お前が悪い」
生意気な後輩とヘリを天秤にかけるまでもない。鬼面越しに睨みつける青井をつぼ浦はグラサン越しに睨めつける。
「アァ~?!やろうってのかァ?」
第2ラウンドが発生しそうになったが、その時無線が入った。切羽詰まった馬ウアーの声が耳に飛び込む。
『お、お、お前たち、あの祠を壊したのか?!』
『お前たちっていうのは青井先輩と誰のことですか』
『お前だよつぼ浦!お・ま・え!!なんてことしてくれたんだ、助からないぞ!』
早く帰ってこい、という馬ウアーの金切り声を一旦聞き流し、つぼ浦と青井は顔を見合わせた。
呼び出された二人が署長室に向かうと、馬ウアーだけでなくキャップと、市長がいた。珍しい並びにこれはまずいことをしたな、とつぼ浦でさえも薄々感じて背筋が伸びる。
「あ~壊したんだってね、祠」
食わせ物の市長が剣呑な雰囲気で言う。二人は素直に頷いて認める。
「で?どっちがやったの」
無言でお互い相手を指差す。
「らだおくん、どうせつぼつぼがやったんだろ?」
「違いますキャップ、操作を誤ったのはアオセンです!!」
「つぼ浦が殴ってきたので避けた結果でーす!」
「なるほど、じゃあコイツだな、成敗してやる」
キャップは二人の言い分を聞いてつぼ浦に向けて拳を構えた。それを見て無言でバットを構えるつぼ浦。数瞬のにらみ合いのあと、キャップが構えを解いたのでつぼ浦もバットを下ろす。素手ではバットには勝てない。高度な政治的判断だった。
「キャップもつぼつぼも落ち着いてくれ」
「わかったわかった、それで?祠の中にこれがあったんだね?」
馬ウアーの代わりにその席に座る市長の手には、先だってつぼ浦が渡した木箱があった。それをくるくると回して眺めていた黒い目が二人の方を向く。
「君たちさぁ、揉めるのはいいんだけど。これがなんだかわかってる?」
眼鏡の向こうのその目は感情を読ませない。
「いやー知りません」
「いえ、知らないです」
「そっかぁ」
二人の返答にそう返すと、市長は少し遠くを見てから「もう帰っていいよ」とだけ言った。
馬ウアーやキャップからもそれ以上のお咎めもなく、二人とも無罪放免となり署長室から出された。顔を見合わせるが喧嘩をした手前、改めて言うこともなく気まずさだけを抱えて別の方向に歩み去る。
市長の妙にもったいぶった言い方が気になり、つぼ浦は居心地の悪さを感じて止まない。イライラと爪先で床を叩いていると、成瀬が廊下の奥から歩いてきた。やっと話の通じそうな人に出会えてホッとしながら手を振って近づく。
「あ〜カニくん!」
「つぼ浦さん、聞きましたよ。あの祠を壊したんですってね」
「そうだぜ、アオセンがな、」
「もう駄目ですよ」
言葉を遮るのはひどく乾いた声だった。
ラテックスでできたペンギンの顔に影が落ちる。まるで言葉の通じないゴムの人形になってしまったかのような隔絶。呆気にとられるつぼ浦の顔を生気のないペンギンが闇のような目で見つめる。
「つぼ浦さん。もう助からないですよ」
「……へ?」
それだけ言うと唖然とするつぼ浦を置いて成瀬は行ってしまった。
馬ウアーにも無線で言われた言葉だった。市長の口ぶりも変だったし、そして今、成瀬もおかしかった。自分以外の人間が偽物になってしまったかのような不気味さが背筋を滑り落ちる。
「匠~!あの祠を壊したんだって~?」
エントランスからオルカが元気いっぱいに走ってくる。それだけならいつもの光景だが、口にしているセリフは成瀬と同じだった。
「お、おう、それどこで」
「お前もう駄目だぞ、助からない」
ニコニコと微笑んだまま、オルカも同じことを言った。仕組まれた台本でもあるかのように同じセリフだった。その快活な目はまるで温度のないガラス玉のように感じられた。
馴染み深い同期から言われるのがつぼ浦の心を一番刺した。
一方その頃、青井も気味の悪さを感じて署内を歩いていた。
市長の言い方はまるでなにか知っているかのようだった。いや、彼はこの街の神なので知らないことなどないだろう。その神が言い淀むのはろくなことではない。
何よりお咎めなしなのが一番不気味だった。気を紛らわせるためにパトロールにでも行こうかと思ったとき、タコス頭のひのらんが手を振って近づいてきた。
「あ!らだちゃんパイセンだ!聞きましたよ~!」
「聞いたって、何を」
「あの祠を壊したらしいですね!もう助からないですよ!」
いつもの明るく人を和ませる声だった。その声による「もう助からない」という宣告はずしりと心臓に刺さる。
その後にあった何人かも青井に向けて同じことを言った。皆が判で押したように「もう助からない」としか言わない。会話が通じない。まるで自分以外の全員が心無きになってしまったかのような、異界に紛れ込んだような薄気味悪さが胸に溜まっていく。
誰に会っても埒が明かないのでつぼ浦は一旦休もうと二階の休憩所に足を運んだ。同じことを考えた青井が先にソファーに座っていた。
この一連の不気味な現象は青井と喧嘩したことに端を発している。気まずさから思わず目をそらすが同じ状況に見舞われているのでは?と気づいて顔を見合わせる。
「アオセン、誰かと話したっすか?」
「あ~、てことはつぼ浦ももしかして……」
埒の明かない会話になったのか。それを確かめようとした瞬間ーーー
ガラスを引っ掻くような耳障りな轟音が響き渡る。ガリガリと脳までも掻かれるような衝撃だ。身体がぐらりと持ち上がり、また地面に下ろされるような浮遊感。意識が遠のくほどの大音量を耳を押さえて耐え、音が終わったのを見計らって目を開ける。
さっきまでついていたはずの明かりが全て消え、署内は闇に包まれていた。
休憩所の自動販売機だけが光を保っていたが、廊下、その奥のオフィスも闇がじっとりと支配している。非常灯すらも消えた署内は塗りつぶしたように暗かった。
先程まで昼間の光を通していた窓の外にも一切光のない黒が横たわっている。いつも署内は必要以上に騒がしいのにどこからも人の気配が感じられない。早番で他に誰も起きていないときだって環境音はするものだ。ところが署内のPCの電源は全て落ち、窓の外からも雑踏の音がまったく聞こえてこない。
「な、なんだよ、停電かァ?カジノヘイストの通知あったか?」
「いやこんなに真っ暗なのおかしいって!無線、誰かいますか?」
青井は真っ先に警察無線に呼びかけるが誰からも反応がない。1番、2番、番号を切り替える手が徐々に汗ばむ。救急無線にも入ってみたがどこからも応答がない。
「電話も繋がらないんスけど……」
スマホをいじっていたつぼ浦は唾を飲んだ。圏外にもなっていないのに誰にかけても応答不能のメッセージのみが流れる。Twixの画面も真っ白だ。闇とともにこの場所だけが切り取られてしまったかのようだ。
「これ……一旦まずいか、他のみんなは大丈夫かな」
「そっすよ、みんなもこんな状態なら警察が機能しなくなる」
「ていうか、ロスサントス自体が」
嫌な汗をかきながら、二人は顔を見合わせた。明らかな異常事態は二人を恐怖に陥れるより先に、警察官としての職務に立ち返らせた。
緊急時の対応について六法を参照していた青井はふと手を止めた。その人間離れして良い耳に、音が聞こえた。
「待って、何か……」
それは足音だった。闇に包まれた廊下の奥から足音が近づいてくる。遅れてつぼ浦もそれに気づき、休憩所から歩み出て声をかけた。
「おい誰だァ?一体どういう状況」
「バカ、待って!」
青井は後ろからつぼ浦の口を手で押さえると壁の影に引きずり込んだ。
青井の耳には聞こえていた。何かの息遣いだ。こう、こう、という唾液が絡んだようなねばつきと、深く吐く呼吸は人のものとは明らかに違う。
呼吸の下にぺたぺたという湿気を帯びた足音が続く。靴の音ではない。大型対応のときに足音を抑えるために裸足で歩くときのような、肉感のある湿った音が。
階段の方から近づいてきた足音は、ひたりひたりと二人の隠れる休憩所の手前を曲がってオフィスの間の廊下へと遠ざかっていった。不気味な息遣いは品定めするかのように耳元をかすめ、空気を揺らしながら遠ざかっていく。
青井が口を押さえる手を緩めると、つぼ浦は目を見開いたままズルズルと床にへたり込んだ。
「な……なんすか、いまの」
「ああ、聞こえたんだお前も」
「いたよななんか、なんか……」
つぼ浦は言葉を探すが出てこない。OOのような、と形容できないものがそこを歩いていった。青井はフラッシュライトを持っていたことを思い出す。恐る恐る「それ」が歩いていった廊下を照らした。
「う、うわっ!!」
思わず悲鳴が出た。青井の肩越しに覗き込んだつぼ浦も「ギャーッ!!」と叫んでまた床にへたり込む。
真っ赤な跡が並んでいた。足跡ではない、手形だ。まるで歩くかのように廊下に並ぶ赤い手形の表面はまだ乾いておらず、てらてらとライトの光を反射している。
なぜ手形なのか。「それ」が一体どんな「歩き方」をしたのかが想像ができない。
「ぐ……」
喉から悲鳴にも呻きにもならない音が漏れる。つぼ浦匠という男は傍若無人ですべてを爆発で解決する竹をバットで割ったような人間だが、その魂は極めてホラーに弱い。肉体と不可分の魂が不可解な現象を前にして凍りつき、指の一本をも動かさせない。
青井らだおもそうだ。つぼ浦がマリアナ海溝ほどホラーに弱いので相対的にほんの少しマシな位置にいるだけで、ホラーなど得意でもなんでもない。ただ、自分より怖がってるやつがいるとマシになる理論でつぼ浦よりはまだまともに動ける力があった。
呼吸もままならない二人の耳に、またしてもペタペタという足音が聞こえてきた。ぬるりと汗が背中を滑り落ちる。青井は歯を食いしばってライトを向けた。
白い光が照らしたのは青白い足だった。光を上に上げていくとスカートがあった。その足が一歩、動く。
「ウ゛ワ゛ァァァァァ!!!」
「ギャア゛ーーーーッッッ……!!??」
野太くてデカい悲鳴と、高音でデカい悲鳴が響き渡る。
光はグラサン猫耳メイド服の男の顔を照らした。キャップだ。
闇の中で照らし出されると色白の肌が水死体のようで恐ろしい。見慣れた上司に出会えてつぼ浦はちょっと泣きそうになる。
「な、何やってんすかキャップ!!」
「まさかバケモンじゃないですよね?」
「こっちのセリフだ、なんなんだこの状況は!」
サンダルをペタペタと言わせながらキャップは二人の隠れる休憩所に歩み寄る。安心したつぼ浦は数分ぶりに2本の足で立ち上がった。
「わかんないっす、急に電気が消えて」
「そ、それで、なんか、そこ」
青井に指さされ、血の手形を見つけてキャップも「ギニャーーッ!」と木綿を裂くような悲鳴を上げた。
「お、お前らこれ、呪われたんじゃないか?!」
「呪い?」
「あれだよあれ、祠の!壊しただろ!」
「そりゃ壊しましたけど、呪い、っすか……?」
「呪いだなんてそんな……そんな」
否定しつつも嫌な汗がじっとりと手を濡らす。感情の消えた同僚たちに「もう助からない」と言われたあたりからうっすらと嫌な予感はしていたが、改めて断言されると心臓が痛い。見えない何かが肩に手を置き、首に手を回してくるような不気味さが込み上げてくる。
「まあ俺らはわかりますけど、キャップは……なんでなん?」
「そうだぞ私は関係ないからな?!なんで巻き込まれなきゃならんのだ!」
つぼ浦は思い出す。そういえばキャップだけは「もう助からないぞ」などと言ってこなかった。他の人間はみんなガラスのような目で言ってきたというのに。ということはやはりキャップも理由はわからないが巻き込まれた側の人間なのではあるまいか。
「やられましたね、連帯責任ってことっすよキャ〜ップ!!」
「ふざけんじゃないよ!」
「かわいそうになぁ!」
ギャンギャンと言い合う間は恐怖を忘れられる気がした。特殊刑事課のギャグ漫画時空はホラーにも有効なようだ。子供じみたやり取りを見ている青井は正直ホッとした。
つぼ浦たちは無線でも電話でも連絡がつかないこと、そして「なにか」が徘徊していること、キャップは一階出口のドアがどこも開かなかったという情報を交換しあった。この警察署だけが本当に闇の中に切り取られた異常空間になっており、自分たち3人しかいないことを確信する。
「つまりその、呪いを解かないとこのままここで死ぬかもってことですか?」
半信半疑に青井はいう。
「そうだな、きっと祠を壊された恨みが犯人を呪い殺しに来てるんだろう」
「確かに悪いことをしたけどそんなにか」
「どうしたらいいんっすか、そんな、呪いなんて」
「まあ待ちなさい。こういうホラー展開はな、解決策があるもんだ」
キャップは腕組みをして二人を見た。チープなホラー映画によくある展開だ。
「映画だと大体は呪われた人間が元凶を封印とかすれば終わるな。昔はじっとり待ってるタイプも多かったが最近は物理で来るタイプの怪異もいる。だが大抵歯向かうとどんどん悪くなってろくなことにならん、それが呪いってもんだ」
「本当ですか、物理ってことは殴ってもいいんですか」
「どこをどう聞いてたんだ?!で、今回の元凶だが……」
「あの箱じゃない?やっぱり」
「市長が持ってたっすよね」
「そうだな、あのまま署長室に置きっぱなしかもしれん」
祠から持ち出してきた白木の箱。市長は「なんだかわかってる?」と思わせぶりなことを言ったがこんなことになる呪物だったとは。ひとまず向かうべき目標が定まる。
「でも封印ってどうすればいいんっすか」
「うーん。盛塩とか?」
「塩ぉ?フライドポテトの塩じゃ駄目っすかね」
つぼ浦はE5バーガー特製のフライドポテトを取り出し床にジェンガのように積む。本人としてはそれなりに真面目にやっていたつもりだが(恐怖でネジが数本抜けているのはさておき)、ズル…ズル…という何かを引きずるような音が今度は暗い廊下の天井から響く。
「あ?」
「一旦まずいか」
「怪異をおちょくるんじゃない!」
キャップはつぼ浦の頭をはたく。ポテトの山が崩れると音も遠ざかった。
「まぁ封印の方法やらなんやらは箱を見つけてからだな、署長室に行って現物を見ないことには何もわからん」
さあ行くぞ、とキャップに言われ、青井に続いてつぼ浦も嫌々階段に向かって歩き出す。
こういうときはとても頼もしいキャップの後ろにライトを持った青井、その服の裾を掴むおっかなびっくりのつぼ浦が続く。
「しかし厄介なことになったな、化け物は1体だけなのか?」
「俺が見たのは1匹だけでした」
「まあアテにならんからなぁ、複数いる可能性も考えたほうが良さそうだな」
つぼ浦は先程の「何か」が何匹もいる状況を考えて気が重くなるが、今は心強い味方がいる。
「3人で行けば余裕っしょ、いざとなったらキャップを盾にするんで」
「あ!?お前そのつもりで私を先頭に、」
つぼ浦を叱ろうと振り向いたキャップの横のドアが突然バン!と開く。
そこから出てきた無数の真っ黒い手がキャップを掴み、声を出すまもなくオフィスの中に引きずり込んだ。
そして何事もなかったかのようにドアがバタンと閉じ、静寂が訪れる。
「は……?」
「な、なに……?」
あまりにも一瞬の出来事で声を上げる間もなかった。取り残された二人の口から出るのは恐怖よりも疑問だった。
「は?嘘ですよねキャップ、なに、ふざけて……」
青井の後ろから身を乗り出したつぼ浦の耳にも部屋の中から漏れる音が聞こえる。ごきごき、ぐちゃぐちゃというその音は骨を砕き肉を千切る音と捉えるには十分すぎるほどの生々しさを帯びていた。
オフィスの中にいる「なにか」が、キャップを食った。声にならない恐慌の呼吸だけが二人から漏れる。本能的に足が後ろに下がる。だが下がってもまたスタート地点の休憩所に戻るだけだ。だが正常な判断を下すことなどどちらにもできない。
前にも後ろにも進めなくなった二人の目の前で、またしても唐突にドアが音を立てて開く。
「うわぁああああやめて!!やめて!!!」
「ギャァアアア無理無理無理!!」
ドアからはビシャッと大量の赤黒い血と、見慣れた猫耳のカチューシャが吐き出された。それを見てまた二人の悲鳴が響き渡る。
「なんで開くんだよ開くなよォ!!」
つぼ浦は逃げる足がもつれてその場に倒れ込む。先に後ろに逃げた青井はつぼ浦がついてきていないことに気づいて声を張る。
「つぼ浦はやく、こっち!」
「あ、ア、アオセン、アオセン」
「なに!?」
「こ、こ、こ、こ……」
「ニワトリ!?」
「腰抜けた……」
涙声で哀れっぽく手を伸ばしてくる後輩を前に、青井は一瞬考えた。「面倒だしもう置いていったほうがいいのでは?」という保身が一旦足を止めさせる。
だが頭に浮かんだという考えごと、駆け寄った勢いでドアを蹴って閉める。そのままつぼ浦の手を引っ張って担ぐ。ファイヤーマンズキャリー、自分より図体の大きいつぼ浦を担ぎ、引き返すのではなく階段の上まで走り抜けた。つぼ浦をその場に投げ捨てるように下ろして青井は荒れた呼吸を整える。
まさか人死にが出るとは思わなかった。ただ怖がらせてくるだけならよくある歪みや冗談で済んだ。
この世界には明確な死はなく、いずれ起き上がれるダウンしかない。ということは死がないからこそ無限に様々な方法で死ねるとも言える。それは単純な死よりもこの異常空間では恐ろしいことだった。
*扉の向こうで*キャップがどうなっているのか考えたくもない。青井は一服したかったが到底そんな時間があるわけもなく、ストレスを叩き潰すかのように階段の手すりを殴りつけた。
床に投げ捨てられたつぼ浦はその場にぺたんと座り、ズビッ…と鼻をすすった。色の濃いサングラスの向こうのショボショボの目に溜まった涙がついに頬を伝う。
「キャップ、そんな……」
顔を見ればデイリーボーナスよろしくぶん殴るし、たまに憎らしかったりする上司だが、決して悲劇的な死を願ってはいない。特殊刑事課の死はみんなを笑顔にしなければならない。こんなバッドエンドな結末がキャップに、そしてじきに自分にも訪れるのかと思うと震えが止まらず動けない。心がバッキリと折れる音がした。
ズビズビ鼻をすすっているつぼ浦に青井はポケットティッシュを渡す。つぼ浦は涙を拭いてから鼻をかんで、丸めたティッシュを青井に返す。
「汚ったな、ゴミ渡すな」
「もう無理だぁ……」
受取拒否されたゴミを律儀にポケットに入れ、次のティッシュで鼻をかんだ。ぺしょぺしょになってしまったつぼ浦を前に青井は腕組みをして考える。
今いるのは一階に降りる階段の手前だ。このまま階段を降りると署長室はすぐだ。
自分一人なら、恐怖を噛み砕いて進めるかもしれない。問題はつぼ浦だ。
「つぼ浦聞いて」
床でスンスンしてるつぼ浦の前にしゃがみ、青井は言う。
「このままここにいても埒が明かないぞ。キャップがあんな事になって悲しいのはわかるけど」
「悲しくはないっす、盾がなくなっちまったなぁって」
「お前まじか」
おそらく強がりだが意外とドライな理由で泣いていた。我が身可愛さかよ、と青井から苦笑が漏れる。
しかしなんとかして動いてもらわないと困る。この男の足を動かさせる方法を考えないといけない。
つぼ浦匠は抜け目ないが裏表はない。自分のためなら他人を売り飛ばすが、他人のためなら自分を顧みない。青井はそこに賭けた。
「俺先に行くからね」
「へ……?」
「お前の面倒まで見てらんない。そこで泣いてなよ」
呆気にとられる情けない顔を指差し、一つしか無いライトを持って振り向かずに階段を降りた。
階段は闇が口を開けて待ち受けているかのようで、ライトで照らしても光が飲み込まれて数段先しか見えない。
勢いで降りてしまったが、青井だってずっとこの状況に恐怖していた。表情を読ませない鬼面と、声に感情の乗りづらい青井だからなかなか理解されないだけだ。
先に行けば怖くなってか心配になってか、ともかくつぼ浦ならついてくるだろうと思った。だが自分以外の足音はなく、むしろ一人になってしまったことで薄れていた恐怖が這い上がってくる。
一段降りるのにも恐ろしく力がいる。知れず呼吸が浅くなる。口の中が粘つく。感覚が不必要に鋭くなる一方で、心臓の音が耳にうるさく響く。
踊り場に至ったところでまたあのペタペタという音が聞こえてくる。息を呑んで音の出所を探す。床ではない。壁とも違う。階段は天井が高く、ライトで照らしても全貌はようとして知れない。ただ明らかに何かがいる。
「な、なんなんなん……ッ!!」
天井に気を取られた青井の足首を何かが掴む。とっさに受け身を取ったが身体は階下の闇に向けて引きずられる。手すりを握って耐えるが、片手では抜けそうになるくらい足を引く力が強い。
足を引く先の闇には色のない真っ黒な目が無数に浮かんでいた。妙に立体感のない目のすべてが青井をぎょろりと見る。
「ウ゛ワ゛ァァァァァーーッ!!!」
鼓膜を揺るがす野太い悲鳴がこだまする。
ふと見れば真っ黒な手が腕にまで絡みついて階下の闇に引きずりこもうとしている。指が引き剥がされそうになったとき、その腕がぐいと強く引き上げられた。
「あ、アオセンから離れろ!」
上でしょぼくれていたはずのつぼ浦がいた。息を切らせて青井の脇から手を入れて身体を引き上げ、背中の刀を引き抜き無我夢中で黒い腕を切り裂く。
「ナメてんじゃねぇぞゴラァ!!」
腕はまるで紙切れのように千々に切れ、霧散した。軽くなった身体を引き上げ、同時に青井も我に返って体勢を立て直す。銃を抜いた頃には闇はずるずると階下に下がっていった。
「足、動くじゃん」
「アンタこそ死亡フラグっすよ、あれは」
つぼ浦は額の汗を拭い、青井に刀を返す。青井はその肩を拳で叩くと刀を背中の鞘に納めた。
階下の闇の中には間違いなく「なにか」がいる。だがそれでも行かなければならない。
こんな事になったのはそもそもこの鬼の顔をした先輩の小さな自惚れを笑ったせいだ。つぼ浦は思い出す。日々の自己韜晦からこぼれた驕りなど可愛いものだ。この人の強さは誰よりも知っているし、こんな状況だからこそ自分の強さを誇示して笑ってほしい。
青井も思う。このお気楽な格好の後輩がご機嫌に歌う姿は本当はとても好きだ。返す言葉で嘲ったことを今になって後悔する。死がすぐ側にある今こそ、その歌はどれほど心を支えたことだろう。
口から出た言葉は戻らない。しょうもない日常が懐かしい。くだらない喧嘩が発端のこの事件は、大きな反省と少しの信頼を二人の間に落とした。
つぼ浦はいつまでも情けなく震える手を強く握りしめる。
「アオセン、聞いて下さい」
「どしたの」
「あいつ、切ったら効きました。キャップが言ってた、物理いけるタイプです」
「そんなこと言ってたっけ……でもまあ実際そうか」
「物理行けるなら特殊刑事課の独擅場っすよね?」
つぼ浦は白い歯を見せて笑う。背水に駆られる焦燥だけでなく、打開の光を見出した顔だった。久しぶりに見る笑顔に青井もつられて少し笑った。
「つぼ浦なら来ると思ったよ」
「アオセンだけじゃ心配っすからね」
見上げれば高揚に震える顔があった。見下ろせば決して曲げない背筋があった。それだけで背中を預ける理由には十分だった。
「俺が先に行きます、なんか出たら俺が止めます。アオセンは箱探してください」
「刀使う?」
「バットで十分っすよ、あとアレも持ってますし」
アレの正体を察し、青井は思わず吹き出した。選択肢は3つほどあるが、どちらにしろ特殊刑事課のお家芸だ。
つぼ浦が先陣を切り、青井が後ろからライトで足元を照らす。出発から見ればずいぶん長い時間をかけて二人はついに一階にたどり着いた。
オフィスの中は真っ暗で光が通らない。這い回る足音と、こう、こうという歪んだ呼吸が聞こえる。そこに自分たちをさんざん脅かした何かがいることを確信し、つぼ浦はバットを握り直す。
「いるね、なんか」
「俺がやるんですぐ行ってください」
声をかけた直後、闇の中からねじれた顔が現れる。無数の黒い目を持ち、黒ずんだ血にまみれた大きな口をバクバクと開閉している。それの胴体は異常に長く、ねじれながら上へと伸びている。雑巾のようにねじられた顔は目線より下についており、まるで逆立ちするように床を2つの手が支え、天井に足をついている。
体の各所に空いた穴からはたくさんの黒い手がちろちろと覗いている。今まで自分たちを脅かしてきたのは間違いなくこいつだ、と二人は理解する。
「ッア……!!!」
喉から呼気が漏れる。だが悲鳴は上げなかった。
人が想像で作り出す怪異は身体のパーツを増やすか減らすしかない。人間を恐れさせる怪異の造形などバリエーションはたかが知れている。
そう、たかが目が多くて手が多くて胴体が長くて口がヤバいくらいデカいだけの存在だ。つぼ浦は震える手にぎゅっと力を込め、バットで床を叩きつける。
「怪異ってのはなァ!正体見せたら怖くねぇんだよ!!」
所詮闇の中で想像を煽るうちが花だ。恐怖の最大の敵は理解だ。全容を見据えた今、恐怖よりも呼び覚まされたのは闘争本能だった。
怪異はつぼ浦の威嚇に怯えることなく、身体に空いた穴から黒い手を伸ばしてくる。それをフルスイングで弾き返し、バットの先端を怪異の歪んだ顔に突きつける。
「かかってこいよ!ブッ殺してやる!!」
ホラー映画なら無茶をして死ぬ脇役。だがそんなのは知ったこっちゃない、この街は全員が脇役で主人公だ。どんな死亡フラグも意味はない。
本当に死ぬのは心が折れたときだ。全ての恐れを闘志に変え、つぼ浦は吠えた。
一方青井は戦うつぼ浦の後ろをスライディングしてすり抜け、署長室のドアを蹴り開ける。上から伸びてきた黒い手を一閃、刀で切り裂いてライトで狭い室内を照らす。
「現しちゃったねぇ馬脚!キャップのカタキだオラァ!!」
外ではつぼ浦が意気揚々と怪異と殴り合っている。その声を背に机を照らすが、書類や道具があるばかり。それらをかき分け、机の下も覗き込むが箱は見当たらない。焦燥に駆られ、周囲の棚やソファーの間も見るがどこにもない。
「つぼ浦、ない!ないよ!!」
「アァ?!ちゃんと探してくださいよ!!」
ドアから外を見ればつぼ浦が噛みつこうとする怪異の口をバットで押さえている。強い力でバットを手からもぎ取られ、流石に怯んで数歩距離を取る。
「テメェ~~やろうってのか?!」
殺意マシマシで睨みつけるつぼ浦の手にはロケットランチャーが握られていた。
「撃つの?!ちょっ待って待って!!」
「あぁ?!アオセン早く、……ッ?!」
巻き添えと延焼を恐れて距離を取ろうとする青井の方を向いた瞬間、つぼ浦の目の前が耳障りな音とともに真っ赤になった。飲み下したはずの恐怖が一瞬で内臓からせり上がる。
「チクショウ、埒が明かねぇなあ!」
全てをぶち壊す台詞を吐いて、つぼ浦は怪異がいるであろう方に向けて引き金を引いた。
二人は署長室のソファーで目を覚ました。室内は明るく、遠くからは空調や車の音が聞こえてくる。いつもの光景だ。
状況が飲み込めずきょろきょろする二人の目に正面の椅子に座る市長と、その横に立つ馬ウアー、そしてキャップが見えた。目があった市長は「お疲れ様」と声をかけた。
「よくやったな、二人とも」
「……キャップ?!無事だったんですね!!」
いつもと変わらぬ姿で立つ上司につぼ浦は思わず駆け寄った。まだ何が起きたのか理解しきれない青井もゆっくりと立ち上がる。
「なん……ロケランで有耶無耶になった?」
「そうだ、呪いは?俺たちアレを倒したってことっすか?!」
「市長、説明してあげてもいいんじゃないですか?」
馬ウアーに促され、ふてぶてしさを隠さずに市長は二人を見た。
「まあ……そうだね、かくして君たちは助かった、以上。って感じかな?」
「呪いは解けたってことですか?」
「君たちがそう思うなら」
まるで安いホラー映画なら次回作に続きそうな思わせぶりの言葉しか返ってこない。不気味さを感じ怪訝な顔をする二人に、市長は問う。
「そもそも何に呪われたと思う?」
「祠をぶっ壊したからですか?」
「あの箱を持ち出したから?」
「箱?ああこれ?」
市長は机の上に置かれていた箱を手に取る。貼られた御札を無造作に破り、簡単に箱の蓋を開ける。先程の怪異を思い出して二人は身をのけぞらせる。
「チクショウ、嘘だろ」
「……空っぽ?」
中には何も入っていなかった。それを知らしめるように市長は箱を下に向けて振って見せる。
「つぼつぼ、お前神は信じるか?」
そのセリフを言うにはふざけすぎた格好のキャップが、腕組みしたまま真剣な顔でつぼ浦に問う。
「都合いいこと言うときだけは」
「そういうことだ」
きょとんとする二人に、市長は大げさな身振りで言う。
「神なんて、信じないやつからしたら腹壊してるときのトイレの紙以下のありがたみだ。箱の中身はカラでもいい。人間には祈りや願いの受け皿が必要だからね。大事なのは「信じている人たちの、信じる気持ち」なんだよ」
市長はカラの箱を見せつける。市長が何に怒っているのか理解し、二人はうつむく。
あの祠は誰かの拠り所であり、誰かの支えだったかも知れない。たとえ市から急に用意されたいわくも年月もない構造物とはいえ、そこには確かに信仰があった。その願いを、よりにもよって市民を守るはずの警官が破壊したのだ。
しゅんとした二人を見て市長は満足そうにニッコリと笑った。
「君らは誰かの信じる気持ちを無碍にした。だからまあ禊も兼ねて、公開処刑させてもらったってところだね」
「公開……へ?」
「なんだって??」
その時初めて署長室の窓に張り付いて息を殺して中の様子を見ている人影に気づく。バタン、とドアを開けてなだれ込むやいなや騒ぎ出す。
「見てたよー!!らだちゃんパイセン、あんな悲鳴なんですね!」
「つぼ浦お前、怖いのあんなに苦手なんだな!」
ひのらんと皇帝に囃し立てられ、あっけにとられる二人。駆け寄った署員たちが口々に笑いや称賛の言葉を告げる。
「匠~!!頑張ったなぁ、オルカもう心配で心配で」
涙目のオルカにぽこぽこと胸を殴られ、状況を飲み込めないつぼ浦は赤面して市長を指差す。
「チクショウ、ど、どういうことだよ!」
「君たちこれくらいしないとわかんないでしょう?」
頭の上にハテナが浮かぶ二人に向け、市長は大仰に両手を広げて種明かしをする。
「もしあの祠に狼藉を働く人がいたら、こうやって脅かしてお灸をすえるためにね、ホラーイベントを用意してたんだよ。今回はたまたま君たちだったってだけ。でもそれだけじゃ内輪で終わるから、市民の気持ちを納得させるためにね、みんなでウォチパさせてもらってたよ」
「ウォチパ?!!はぁ?!」
「チクショウ、やられたぜ!!じゃあ、キャップは?!」
「キャップはねー、仕掛け人してもらったよ」
「ああ、一人くらい死人が出ないとリアリティがないからな」
したり顔のキャップに向けて無言でバットを持ち出すつぼ浦。すかさず手錠をかける成瀬。離してくれ!!とジタバタするつぼ浦の後ろで成瀬は爆笑する。
「つぼ浦さん本当すいませんね。でもつぼ浦さんのかっこいいところ見れてよかったっすよ」
「青井先輩もさすがでしたよ、悲鳴で耳が痛いけど」
まるんに褒められて青井は頭を抱えて腹から溜息をつく。
真っ赤な顔でやいのやいの言われるつぼ浦と、鬼面で見えないのを幸いに盛大に照れている青井。恐怖を前に折れても立ち上がった二人を囲む笑いと称賛の声は、その後も続いた。
ーーーーーーーーーー
この二人でホラー展開で散々叫んでほしいし、流行りの祠も破壊してほしい!というだけの話
各人の敬称、呼び方等自信がないのでミスが有りましたら申し訳ありません…!
🧢🏺もそうだけど、普通にカプ要素なしで🟦🏺の二人が事件に立ち向かう話が好きです。戦う警察は無限に健康にいい。
なるべく難しい表現は避けているつもりなのですが他に言い換えられなくて使ってしまった自己韜晦(じことうかい)≒能ある鷹は爪を隠す、です。
私事ですが先日の世界統合イベでゾンビ出てきたの嬉しすぎて泣きました、やっぱり公式が最高ってワケ
コントニックス
塰 (あま)
コメント
3件

えぇ、、、、、物語の作り込みが本当にすごくて面白すぎました、、え小説家向いてますよ!??!すごすぎます…
一本の映画を見ているようで最高に面白かったです!!!話の作り方とテンポのいい会話、圧倒的語彙力に感服しました…。