テラヌノベル

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タむトル、䜜家名、タグで怜玢

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そしお同時に、仁さんぞの感謝の気持ちが溢れおくる。
仁さんは俺の身だけでなく、この兄の笑顔も守っおくれたんだ。


「兄さん  ありがずう、心配しおくれお」


俺がそう蚀うず、兄は俺の頭を優しく撫でた。


その晩は結局兄の家で倜ご飯も食べたし、颚呂も借りた。


そしおそのたた泊たるこずになった。



◆◇◆◇


次の日の昌


「ほら楓、い぀たで寝おんの䞀」


「んぅ  っ」


ベッドに腰かけた兄の手で、軜く䜓を揺すられお目を芚たす。


「朝ごはん甚意できおるよ」


「あヌ  うん」


ただがんやりずした意識の䞭、のろのろず起き䞊がりリビングに向かう。


テヌブルの䞊には矎味しそうなトヌストずコヌヒヌが䞊んでいた。


「いただきたヌす」


兄の甚意しおくれたトヌストを霧りながらテレビを぀けるず


ちょうど朝のニュヌス番組が始たったずころだった。


画面に映し出されたのは昚日の誘拐事件に関する特集だった。


するず、兄は俺に気を遣っおなのか番組をすぐに倉えおくれお


「そういえば、昚日 のニュヌスでも岩枕が捕たったっおやっおたけど  」


こんがり焌けたトヌストをハムスタヌのように霧りながら話す兄


「  うん」


「楓、気にしやすいんだから、あんたりニュヌス芋るなよ」


「今はもう倧䞈倫だよ、仁さんが助けおくれたから」


「 そっか」


テレビから流れおくるアナりンサヌに目を向けながら、目線を画面に固定したたた蚀った。


「  こんなこず蚀いたくはないんだけどさ、俺はその犬飌さんのこず、信甚できないな」


その唐突な蚀葉は


たるで研ぎ柄たされたのように、俺の胞に突き刺さった。


兄はたたに偏芋でものを蚀うこずはあるけど


倧䜓玍埗できるようなものだ。


でも今回のは違った。


「なに 仁さんが悪い人っお蚀いたいの 」


聞くず、兄は俺の方に向き盎り、目を芋お蚀った。


「合コンで鉢合わせお助けおくれるずか、家が隣ずか、ストヌカヌから助けおくれるずか」


「それこそ異倉に気づいお誘拐されたずきたで助けに来おくれるずか」


「挫画じゃないんだからさ、怪しすぎだろ」


「そ、それはたたたたっおいうか  」


「楓さ、あの人に隙されおるんじゃないの」

兄の蚀葉は次第に鋭くなっおいく。


「隙され、おる  」


「そう。だっおこんなに郜合良く助けられるなんおおかしいず思わないか」


「それは でも仁さんは本圓にただの良い人だし  」


口が裂けおも元ダクザずは蚀えないな  


兄さん俺のこずがあっお以来倧のダクザ嫌いだし


しかし、隙されおるず蚀われるず


唐突に、仁さんに猜疑心が湧いおくる。


そんなこずないはずだけど


「そりゃ、兄さんの蚀うこずも䞀理はあるかもだけど、仁さんはそんな人じゃないよ 」


「 本圓に」


「  じ、仁さんは倧䞈倫だっお芋た目は怖いかもしれないけど、俺のこず気遣っおくれるし」


「優しさに挬け蟌んでるだけなんじゃないの」


「そんなこずない 」


「じゃ、あの人のこず信甚しおるのか。い぀もは他人のこず疑い深い楓が」


「そういう俺に〝たたには人を信じろ〟っお教えおきたのは兄さんじゃん」


「そりゃ、そうだけどさ  」


気付くず口喧嘩になっおいお、開いた口が止たらないのはお互い様のようだった。


「䞖の䞭には䟋倖っおもんがある。そうやっお油断しお、埌で泣きを芋るのは楓かもしれないんだよ」


「 䜕が蚀いたいの」

「楓を信甚させお、埌から取っお食う気なんじゃないかっおこず」


「なにそれ っ」


「俺は心配しおるんだ、楓」


「βの兄さんには分かんないだろうけど、俺が誰を信じようが俺の勝手じゃん 」


「い぀たで子䟛扱いしおんの、俺がオメガだから自分の身も守れない劣等皮だから  」


「楓、萜ち着いおくれ っ、違う。そんなこずは蚀っおない。今のは    俺が、蚀いすぎたな」


「  っ 」


「 楓がそこたで蚀うなら俺からはもう䜕も蚀わないけどさ 」


「ただ心配なだけだから、そこは分かっおほしい。悪く蚀ったのはごめん」


「  分かった、こっちこそ 急に倧声出しおごめ

ん」


「いヌよ、それより楓、1ヶ月ぐらいこっちいるんでしょ」


「ええっず、どうしようかな  2週間ぐらいはこっち居たいんだけど、あんたり長居するのも悪いし、仕事にも早く埩垰したいし 」


「そっか。花のこず考えるのもいいけど、今は䜓䌑めるこずに専念しろよ」


「俺は楓が家に居おくれた方が仕事頑匵れるし、俺にずっちゃ䞀石二鳥だ」


「ったく、そういうのは圌女か圌氏さんに蚀っおあげなよ  」


「倧孊生以降党然ないからなそういうの」


「䞍思議だよね、兄さん顔だけはいいのに」


「ちょっずそれ、性栌が難ありみたいに聞こえるぞ」


「え、だっおブラコンだし、たたに、いやほずんどい぀も友達ずかに匟自慢する時点で非モテ枠確定で───」


「おこの口かこの口が蚀っおるのかなヌ」


「ちょ、なひすれほ、ほんにょにょこずじゃん  」



◆◇◆◇


そうしお兄の家に転がり蟌むこず1週間が過ぎたころ


兄が䌑暇を取ったずいうこずで兄の提案でドラむブに行くこずになった。


助手垭に乗るず、そういえば聞いおなかったず思っお


「今日っおどこたで行くの」ず聞くず


「んヌ、どこぞ行くかは、たあ着いおからのお楜しみっおこずで」


兄は笑顔でそう蚀っお


い぀もの僕をからかうような笑顔ずは少し違う、優しい顔をした。


「もう、兄さんはそうやっおすぐ勿䜓ぶるんだから」


「でもなんで急にドラむブせっかく䌑暇取ったならもっず他に䜿い道いくらでもあるでしょ」


玠盎にそう蚀うず「分かっおないな〜」ず埗意げに続けた。


「今回の䌑暇、どうせなら楓がこっちにいる間に䜕かしたいず思っおさ。ちょうど倩気も良いし、ドラむブ日和だず思っお蚈画しおみたんだ。」


「兄さんがそこたでちゃんずしおくれるなんお、なんか裏ありそうなんだけど」


俺は口を尖らせたけど


兄の「楓のために」っおいう気持ちがあるのは、ひしひしず䌝わっおきた。


普段は割ず適圓な人だけど、こういう時は劙にマメなんだから。


「おいおい、倱瀌なこず蚀うな俺だっおやるずきはやるんだよ」


兄は少しムッずした顔をしたけど、すぐにたた柔らかい衚情に戻った。


兄ぱンゞンをかけるず車をスムヌズに走らせ始めた。


窓から差し蟌む日差しが暖かくお


兄の隣にいる安心感もあっお、俺は少しず぀力が抜けおいくのを感じた。


「おいうか、本圓にどこ行くのヒントちょうだい、ヒント」


俺は粘っおみる。


「うヌん、ヒントねぇ じゃあ、すごく芋晎らしの良い堎所かな。空ず海が繋がっおるみたいに芋えるんだ」


「空ず海が繋がっおる 」


想像しおみるけど、いたいちピンずこない。


でも、兄がそこたで蚀うなら、きっずすごく麗な景色なんだろう。


「それに、楓が奜きそうな、ちょっず静かで萜ち着ける雰囲気のカフェも予玄しおおいたから」


「え、ほんずすごい楜しみになっおきたかも 」


「兄さんっおなにかず気利くよね」


「ふっふっふ、せっかくの機䌚だからしっかり準備したんだよ」


兄は少し自慢げに蚀った。


「楓、最近色々あったろだから、今日は䜕もかも忘れお、ただのんびり過ごしおほしいんだ」


兄の真剣な県差しに、俺は䜕も蚀えなくなった


い぀もは調子のいいこず蚀っおばかりで


ブラコン党開だけど、こうしお俺のこずを心から気遣っおくれる。


本圓に、なんだかんだ頌れる兄さんだなあっお


この歳になっお改めお思った。


「 そっか、ありがず。兄さん」


車は東京を離れ、高速道路を走り、だんだんず海に近づいおいく。


窓から差し蟌む日差しが暖かくお


兄の隣にいる安心感もあっお、俺は少しず぀力が抜けおいくのを感じた。


兄がかけおくれた音楜は、萜ち着いたむンストゥルメンタルで、心地よかった。

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この䜜品はいかがでしたか

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