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──────ルカさん視点──────

いつからだろう。人間を信用出来なくなったのは。

いや、元々妹以外信用出来なかった。


俺は、種族長の息子という立場に産まれた。生まれた時から高い地位にいて、お父様が死んだら、跡継ぎは俺、と言われていたほどだった。


俺には妹がいた。桜色が特徴的な可愛らしくも、美しい髪色。きゅるんとした赤色の瞳。それは神をこの世に生き写しにしたようなそんな儚くも神秘的な妹に幼いながらも悟った。俺は妹を守るために生まれたのだと。


ただ、妹──────ひなは俺とは少し違かった。吸血鬼特有の赤い瞳は持っているが、闇夜に紛れる黒い翼も、武器である鋭い牙も、斬撃性のある爪もなかった。あるのは人間よりも身体能力が高く、赤い瞳を持っているところだけだった。種族としての誇りを持っているお父様はひなの存在を許してはくれなかった。


ひなは誰からの目にとまることなく部屋へと幽閉された。

…と、思っていたんだ。ひなは、食糧庫に入れられていた。吸血鬼の食糧庫は、生きている人間を収容している。人間程度では破ることは出来ない。中では、人間同士で争い、殺さない程度にボコし、そいつを生贄として、自分はなるべく生き残るようにする、そんなヤツらだ。その中にひなが居れられたら…と思い返すと、今でもゾッとする。


俺はそれに気づいた時、無我夢中で食糧庫に走った。勉強道具には目をくれないで、まわりにめをくれないで、俺は飛んだ、走った。元々才能はあったので、そこら辺の吸血鬼より当然早い。音を置き去りにして、俺は飛んだ。

食料庫の扉を息子権限で開ける。生まれて初めて息子でよかったと思った。

そこに居たのは、ボロボロにされ、気絶していたひなだった。次に食べ物にされるのはひなだったかもしれないと思うと、吐き気がして、嫌悪感が増す。俺は、ボロボロになったひなを優しく、ギュッと抱きしめる。他の奴らは、俺が新しい食糧候補として居れられたと思ったのか、食糧は俺に牙を剥く。

ほんッッとおぅにじゃまッ!!!


俺は食糧には見えないほどの速度で、切り刻む。生き血の方が美味しい?知らん。俺はそもそも血は飲まない。そんなことよりも、俺の最愛の妹の方が大切だ。神を汚したようなものだ。そんなもの万死に値する。


食糧は悲鳴をあげることすら許さない。そもそもあいつらはただの飯のくせに大事な、大ッ事な妹を傷つけたんだ…ッ!!!地獄じゃ生ぬるい…ッ!!地獄の無限倍は苦しんでもらわないと気が済まない。ただ今はひなにこんな赤色の場所に居続けさせる訳にはいかない。

俺は手短に移動する。不安にさせないように、優しく、話しかけながら。返事は返ってくることはなかった。


そのあと、当たり前と言えば当たり前だが、お父様に怒られた。意味がわからない。そこら辺の食糧とひなは天と地の差があるのだ。そんなことを理解できないじじいを、俺は理解したくない。ただ、俺には才能があったようで、ジジイは俺を捨てるに捨てれないらしい。

捨てたい相手を捨てられない。それは、あまりにも滑稽で、実に面白かった。面白すぎて、面白すぎて口元が歪み、笑いで涙が止まらなかった。まあ、じじいには反省した涙ってことにしたが…そんなことも気づかないやつを、父親ってよんでいいのだろうか?


まあ、今となってはどうでもいい話だが。


俺は、城にはいかせてもらうことが出来ず、門番として雇われた、という形になった。誇り高いじじいは経験を積ませるため、とか言ってた気がする。

ぶっちゃけどこか遠くに行っても良かったのだが、衣食住が完備されていて、ひなを傷つけた人間を門番として正式に殺すことが許されると思えばまあ、いいか、なんて思う。


「吸血鬼になりたい」


ある日、人間をぶっ殺していた時、ひなが突然そう言った。ひなには安全なところで待っていてもらった。というかひなを中心として狩っていたため、食糧程度に、俺が負けるわけが無い。仮にも時期種族長なのだ。

いや、そんなことよりも、ひなは、なんて言った?唯一人間の中で尊く、美しく、可愛らしく、神と言っても同然だった。ひなが人間じゃなくなったら人間に価値が消えてしまう。


「…ッな……ッで…ぇ?」


焦りによって、声が出ない。出た声はうわずり、自分のものとは思えないほど高い声が出た。ひなはそんな俺を笑う。そんな姿すらも愛おしい。


「ルカ兄焦りすぎwだから、るか兄の眷属にして欲しいの!!」


ひなばさっきよりも少し、可愛らしく怒ったかのような声を出す。それすら可愛いと思う俺は少し狂ってしまっているのかもしれない。

…眷属にする方法は、俺がひなの血を吸うことである。血を吸ったら依存してしまいそうで、ひなを壊してしまいそうで、言葉では言い表せないほどの恐怖が俺の身を包む。俺にとってはひなは、神聖なもので、魅力的で、神で、尊くて、儚くて、そんなこの世の全ての綺麗なところだけを集めたかのような存在なのだ。






















ここで切ります!!ルカさん過去編行きまーす!!まあ、ひなさんバージョンもあるので、ルカさんの最初らへんは雑に、会話メインで書かせていただきました!!次回もルカさん過去編やっていきますので、よろしくお願いします!!間に合ってよかった!!


それでは!おつはる!!

一明日を見るためにー

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ひなにいのひなさん好きすごいな

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