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「私はね、怖いんだよ」
「何が?」
「死ぬっていうことが」
「へえ、君が?なんだか滑稽だね。まさか新手の皮肉?」
「んなわけないでしょ。ちょっと語弊があったね、私が死ぬのが怖いんじゃないよ。」
「じゃあ、僕が死ぬのが怖いの?意外だなあ、てっきり君は血も涙もないんだとばかり」
「はあー?そりゃ、私はある程度感情薄れてきたけどさあ」
「今何歳だっけ?」
「永遠の二十歳」
「そういうことにしといてあげるよ」
「へえへえ、お優しいことで」
「絶対思ってないでしょ」
「思ってますよー、だってたった一人の友達じゃん」
「僕らって友達だったの?」
「うわ、ひどい」
「はは、冗談だよ」
「ひどすぎるよ」
「そんなに?繊細なんだね」
「大抵の人間はトラウマになるだろうね」
「それほどのことでもないでしょ、どうせまた会えるんだから」
「一体私は何年待てばいいんだよ……」
「僕の為なら二十年くらい何ともないでしょ」
「そんなわけないだろ」
「……ごめん、もう話せない」
「もう?この根性無しめ」
「寂しくないように、遺言でも残しといてあげるよ。人間、死ぬときは一瞬なんだ。他の生命もそれはきっと同じだろうけど、それまで後悔しないように精々励んだら?」
「今更かよ、意地悪だな」
「何でもいいよ、君が泣かないなら」
「そんな泣き虫じゃないし、はやくいけよ」
「……うん。じゃあ、また二十年後かに会えたらいいね」