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〈るろ side〉

その日は、肌を突き刺すような寒い空気が、体を覆っており、まるで、私を拘束するかのようなその感覚は

あまり、良いものではありませんでした。


目の前は、口から出る白い息によりできた曇りのレンズで、良く見えませんでした。


今は二月ですが、雪はあまり降ってきていないです。


いつもならこの時期になると小学校低学年生の子たちがいつもの公園で雪合戦をしています。

……私は一度試合を見たことがありますが…あれは試合と言うよりは56しあいだったような気がします。


下にある大きな川は冷たい雰囲気を纏っており、あまり、近寄りたくない印象を持ちます。


いつもの通学路を歩きながら推しの妄想を繰り広げています。

私はこの時間が、1番好きです。


しばらくして、十字路を右に曲がってちょっとたった頃でしょうか、突然肩を叩かれました。


私はいつものかと思いながら、叩いた人物を確かめるために後ろを振り向きました。


そこに居たのは、走ったのか下を向きながら息を整えている私の友達、秘匿 游(ひとく ゆう)でした。

毎日、この道を通ると肩を叩かれます。


「ぜぇ……はぁ…ッおはよ!!」

「うん、おはよう」

「やばい…はぁ……今ので……体力の70%は使った…はぁ…」

「残り30%大切に使いなよ」


そんな他愛もない薄っぺらな会話をしながら私たちはいつも中学校へ向います。


私たちは趣味が合うわけでも、なにか接点があるわけでもありません。

ですが、気がついたら一緒にいた。

そんな関係です。

もしかしたら、友達だと思っているのは私だけかもしれません。

ほんとにそれだけ、曖昧な関係性なのです。


「游ちゃんは、数学の宿題やってきた?」

「私不安なところがあるから答え見せ合いっこしたいんだけど……」

「え?…………あ、」


この反応はやってきていないらしいです。


「やってきてないんだね」

「い、いや〜??昨日ちょっと色々あってね〜!!!」

「そのいろいろとは?」

「んー?、……」


……………………………………………………。


沈黙……、游はいつもこうです。

彼女はいわゆる秘密主義者というもので、特にプライベートのことなんかは朝の食事の内容でさえ教えてくれません。

このように黙り込む時は、絶対に内容を言いません。

諦めて次の話題にいった方がいいのです。


「まあいいや、それで、どうするの?」

「ん?あー…ま、どうにかなるっしょ!!」

「今回のは提出形式だからやってないのバレるよ?」

「いけるいける、学校行ってすぐやれば何とかなるよ!……多分。」

「多分て、……」


今回の宿題はかなり時間がかかったのですが……大丈夫でしょうか…。

失礼ですが、游は私よりも学力も、運動も、下です。

私も別に良い方ではありませんが……それでもです。


……たまに、嫌なことを考えます。

私は游を下に見ているのではないか、それでプライドを守っているのではないか。

何も合わない私たちが仲良くできているのは、自分自身を上に見るために、游を引き止めているからなのではないのか……。


自らの汚い部分を考えると吐き気がします。

私はここまで汚かったのかと……。

罪悪感と不快感が交錯してしまいます。


「急いで宿題やらなきゃ!」

「ねね、走っちゃダメ?」

「別いいけど……」

「よし!なら、学校まで競走だ〜!!!」

「は?ちょ、待ってよっ!!!」


走るのは苦手です。

体力もないし、足も遅いので……。

陸上部とかにいる人たちは化け物か、なにかなのではと思います。

どうやったらあんなに走れるのだろう?……知っても多分私は真似出来ないと思います。


。*❅┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈❅*。


「はぁ、はぁ…………るーろ、速い…………はぁ……」

「やばい、今ので残りの30%使った…………」

「ほら、まだ教室入ってないんだから、游ちゃんには数学の宿題が残ってるんですよー?」

「うわあぁぁぁぁぁああ!!!やめて!!現実を突きつけないで!!!」


わざと誇張して頭を抱えて悶絶する游を見ると、どこか羨ましく思います。

私はこのような派手な動きを人前でやりません、できないのです。

游は、ネタに全振りした人間だと思っています。

じゃなきゃ、こんなことできやしないはず……。

この世はそういう人の方が好感が持たれやすいと思います。

羨ましいなんて、綺麗な言葉で言ってはいますが実際はもっとドス黒い……嫉妬というものなのです。


「残り20分!!るーろ!急ぐよ!」

「急いでるのはどっちだか……あんまり急ぐとコケるよー」


るーろとは私のあだ名です。

私の名前は黄薔薇 るろ (きばら るろ)

だからるーろらしいです。

たまに、私の事をロールケーキと呼ぶ輩がいますが……そいつらには顔面をぶん殴ってやりたいです。


。*❅┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈❅*。


「ダメだー……間に合わない……もう終わりだァ…………」

「4んでる……」

「4んでないよ…4にかけてるけど……」

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙……この世の終わりだァ…」

「やってこなかった自分の自業自得でしょ」

「ぎゃあ……正論パンチは私に効くぞ……」

「へー、」

「興味無さすぎじゃない?もうちょっとは反応しろや」

「んー、そうだねー」


宿題の進み具合は……五分の一くらいですかね、残り十分で終わらせられるとは到底思えません。

游は諦めたのか、机の上でのびています。


「母のお腹を思い出す……これは、走馬灯か…………」

「変なこと言ってないで早く進めないと、あと十分だよ?」

「え、無理やん。4だ……」

「無駄口叩いてないでさっさとやる!ほら、次、問五の③!」


勉強の説明をしていると游がこちらに身を傾けました。

……游の頭が肩に当たった。

私は一瞬思考が止まりました。


「ねー……もし、この宿題、全部終わらせられたら、なんかご褒美ちょうだいよ」

「褒美?なぜ?」

「そっちの方がやる気が出るから。」


游はこちらを見ていない。

ふと、まつ毛が長いな、と思ってしまった。

変に意識をしてしまう、そうなると、五感が敏感になります。

嗅覚が游の匂いを捉えました。

…いい匂いだと、素直にそう思いました。

…………私、気持ち悪いですね。


「んー、じゃあ…それ終わらせられたら言うことなんでもひとつ聞くよ」

「え、まじ?」

「4ぬ気で頑張るわ」

「おお、頑張れ」


肩にあった頭は、またもとある場所に戻っていきました。

ですが、まだ、私の方には先程の頭の感覚が残っています。

お気づきの方もいるかもですが、私は游のことが好きなのです。

likeではなく、Loveの方で……。

ですが、游は同性、ましてはこんな私の友達でいてくれる人にそんな感情を向けるだなんて……。

ますます、自分が嫌になってきます。

それでも、どこかで……付き合いたいと思ってしまうのです。

私は我儘で、クズな人間だと思います。


……授業開始まで残り五分…。


「んーーー……やばい、あと五分でいけるかな…」


游がそう呟きました。

私は游のもとを一旦離れて、自分の席にいます。

游の席は私の席の1つ開けて隣にあります。

ちょっとした距離はあります。

それなのに、独り言が普通に聞こえるって、どんだけ大きな独り言なのでしょうか。


……授業開始まで残り二分…。


「待って、待って、待って、あと五十分くらいは待って……!!」


五十分はちょっと長すぎると思うのですが……。

てか、さっきよりも声大きくなってません?

これは終わりそうにないですね……。


。*❅┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈❅*。


……授業開始まで残り零分…。


チャイムがなりました。

游の方を、見るとまだシャーペンが動いています。

私は、それをじっと見つめています。

ふと、動きが止まりました。

游の方を見ると背伸びをしています。


……まさか、終わらせたのですか??あの量を……?


游がこちらを見ました。

完全に目が合いました。

游はそれに気がつくと、宿題を指さして次に私に向けてグッドポーズをしてきました。


………ほんとに終わらせたらしいです。


先生の足音が廊下から聞こえてきました。

游もそれに気づいたのかすぐに黒板の方に顔を向けました。

私もそのちょっとあとほどに、頭を戻しました──────。


。*❅┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈❅*。


小話

誰だこんな変なところで切ったやつは……。

てことで、こんにちは。

百合を書くのは初めてだと思います。

少なくとも記憶の中には無い……。

実はこれ、私のリア友と内容を考えて作った物語なんですよ。

完全に自分の好み優先で作った小説なので、変になると思います。

ところで、キャラクターの名前がキラキラネームだと思った人はいますか?

私はるろが特に怪しいかなと思いました。

でもほかに思いつかなくて、結局これになりました。

創作百合小説なのに、百合要素が少ないですね、もう少し頑張ります。

それでは、みなさんも良い百合ライフを〜。

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