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びび
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#山中柔太朗
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今回ものすごく長いです!
想像が膨らみすぎた結果余計な場面まで増えてしまいました。
リクエストありがとうございます…!
暗雲が垂れ込める廃墟の街。
赤い警告灯が点滅する廊下を、息を切らして駆け抜ける足音が響いていた。
「はぁ……っ、はぁ……っ! 太智、舜太、前を見て走れ!」
「はやちゃん、後ろからまた追ってきてる……っ! 追いつかれるよ!」
突如として発生した未知のゾンビウイルスにより、文明が崩壊した世界。
生き残った5人は、安全な避難所を目指して過酷な逃亡を続けていた。
しかし、曲がり角の影から異形の影が飛び出し、太智と舜太の退路を塞ぐ。
「えっ……!? うわあああぁッ!」
「太智! 舜太!」
威嚇の声を上げて二人に飛びかかる感染者。
その鋭い爪が二人の喉元へ迫った瞬間——
「させねぇよッ!!」
ドスンッ!と重い衝撃音。
勇斗が体ごと割り込み、二人を突き飛ばした。
代わりに感染者の鋭い爪と牙が、勇斗の右腕を深く引き裂く。
「……ッぁぁぁッ!?」
「佐野さんッ!!」
「はやちゃん…!!なんで庇ったんだよ!!」
太智が叫びながら感染者を突き飛ばし、舜太が勇斗の体を抱きかかえる。
傷口から侵入したウイルスによって、勇斗の体温は一瞬にして沸騰したかのように跳ね上がった。
「う、あ……ッ、熱い……! 痛ぇ……ッ、体が……割れる……ッ!」
「佐野さん! しっかりしてください! 隠れ家まで耐えて!」
命からがら逃げ込んだ廃ビルの片隅。
床に横たえられた勇斗は、40度を超える高熱と全身を襲う激痛で激しく身をよじらせていた。
「ハぁ……っ、うぁ……ッ! だいち、……しゅんた……俺、もうダメだ……」
汗と涙でぐしゃぐしゃになった顔で、佐野は熱で朧気な視線を仲間に向ける。
右腕の傷口は不気味に変色し、脈打つたびに激痛が脳を焼く。
「俺が理性を失ったら……お前らを襲う前に……俺を殺せ……ッ」
「アホなこと言うてんちゃうぞ!!」
太智が涙目で怒鳴り散らし、勇斗の暴れる体を上から強く押さえつけた。
「誰が殺すか!絶対に助けるから!俺は傷口消毒するから、舜太、はやちゃんの手握っといてやってくれ!」
「はやちゃん……っ、ごめんなさい、僕のせいで……っ」
太智と舜太がポロポロと涙を流しながら勇斗の手を力いっぱい握り締め、濡れた布で熱い額を拭う。
太智が医療物資の中から注射器を取り出し、震える手で勇斗の腕に解熱剤を打ち込んだ。
「佐野さん、痛いけど耐えて……! 絶対に連れて帰るから……ッ!」
「うぁぁぁぁぁッ……!!」
激痛のピークに勇斗が絶叫し、やがて呼吸がゆっくりと落ち着いていく。
荒い息を吐きながら、勇斗は力なく目を開け、弱々しく微笑んだ。
「……みんな……ありがとな……。俺、まだ……生きてる……」
「当たり前や、勝手に死のうとすんな……ッ!」
安堵した2人が勇斗の体にすがりつき、互いの無事を確かめ合うように強く抱きしめ合った——。
静寂が包む空間。
涙を流し合う3人と、頭上から、突如として陽気なファンファーレと共に、スピーカーから明るいアナウンスが響き渡る。
ピンポンパンポーン♪
『——はいッ! 以上をもちまして、総合診療科によるハロウィン特別劇「感染都市からの脱出〜手洗いうがいを忘れるな〜」を終了いたします! みんな、外から帰ったら手洗いとうがい、しっかりしようねー!』
パッとホール全体の照明が点灯する。
「「「「うわあああああぁぁぁぁん!!!」」」」
「怖かったぁぁぁ! 佐野先生死んじゃうかと思ったぁぁぁ!」
「ゾンビ嫌だぁぁぁ! ママぁぁぁ!」
劇を見ていた小児科病棟の子どもたちが、恐怖と感動(?)のあまり全員大号泣。
「……あれれ、」
ステージの上で、血のりメイクをつけたまま固まる3人。
舞台袖からゾンビ――仁人と柔太朗が小走りでやってくる。
「はやちゃん、熱演しすぎ!子どもたち完全にトラウマになってギャン泣きじゃん!」
「えっ、俺!? だってじんちゃん『本気でやれ』って言ったじゃん!」
「迫真すぎるんだよ!『俺を殺せ』とか小児科の劇で言うセリフじゃないでしょ!」
柔太朗が頭を抱え、太智と舜太は思った以上の泣き声に焦ってステージから降りていく。
「子どもたち泣かないで〜! ゾンビ偽物だよ〜!」
「「「「うわあああああぁぁぁぁん!!!」」」」」
「ふぅ……参ったな。お菓子配ってなんとか機嫌直してもらったけど……」
控室に戻り、汗とメイクを拭き取っていた勇斗が、ふとソファの上で頭を押さえた。
「うーん……?」
「……勇斗?」
仁人が目ざとく気づき、すかさずおでこに手をかざす。
「……ちょっと、熱くね? 嘘でしょ」
「え、あ……なんか、劇の途中からマジで熱っぽくて……」
体温計を挟ませると、表示された数字は『38.4℃』。
「バカ!! 本当に熱出してどうすんだよ!! 劇の汗、冷や汗だったの!?」
「だって……中々やらないし、こういうの。みんなで成功させたくて……」
皆からベッドに固定され、衣装を脱がされ、冷たい冷却シートを貼られる勇斗。
「もう……無理しすぎ!!」
「はいはい、佐野くんはおとなしく寝転んどき。お菓子は僕たちが食べてあげるからさ」
「え、俺の分は!?」
「はやちゃん声デカすぎ。なんでそんなに元気なの。お菓子はまた今度あげるから」
いつもの温かな笑い声が、静かな病院の中に響き渡っていたのだった。
コメント
7件
コメント失礼致します!今回も最高に面白かったです!途中まで、うわっ、どうなるんだ、、!とスマホに顔がめり込む勢いで見ていましたが劇とわかって一安心です!手洗いうがい気をつけたいと思います🫡

めっちゃおもろかったです!どうやったらそんなかけるんですか??天才過ぎます ていうか全部見てて思ったことがあるんですけどみんなケガしすぎ体調くずしすぎじゃないですか?笑笑 ケガも結構重度だし笑心配過ぎる笑 続き楽しみに待ってます!
リクエスト書いてくださってありがとうございます😊 まさかゾンビウイルスを病院内の劇に落とし込むとは私では到底思い付かない設定ですやっぱ定番の世界滅亡かと思いきやほっこりする病院劇場だとは流石としか言えません😊 正直とっても好きな設定です🥰 はやちゃん冷や汗隠しちゃダメだよ(゚ロ゚;) そしてまたリクエスト書いてよろしいでしょうか? だいちゃんがてんかん発作を起こしてしまうお話しどうでしょうか? 私とっても読みたいです🥹 楽しみにしています😊(ワクワク🎶) 次の投稿もとっても楽しみにしています😊