テラーノベル
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あれから数日後。
佐久間が友人と共にキャンパスの中庭を歩いているときだった。
「あ。」
佐久間の声に、友人が不思議そうに視線を巡らせる。
「ん? どうした?」
佐久間の視線の先、緑豊かな中庭のベンチで、一冊の本を熱心に読んでいるあの時の彼女がいた。
「あ、糸瀬さんじゃん」
「え、あの子知ってるの?」
佐久間は思わず身を乗り出した。
心臓がにわかに速くなる。
「うん、同じ講義取ってるの」
聞けば、ある程度冗談も言い合える間柄らしい。
「……ねぇ、あの子俺に紹介してよ」
友人は驚いたように目を丸くした。
「え、なに、惚れちゃった? いいのアイドルがそんな軽くて」
「ちがうよ、そんなんじゃなくてさ。 なんていうか、興味湧いたんだよね」
「……ふぅん? まぁ、いいけど。 おーい!」
友人が彼女の方へと足を向け、声をかける。
その声に反応して、彼女――糸瀬春菜が、読んでいた本からゆっくりと顔を上げた。
「あっ、おはよう! 今日は教授の講義ないから会えないと思ってた」
パッと花が咲くような表情で話す春菜。
その自然体の笑顔に、佐久間の胸がまた小さく疼く。
友人はニヤニヤしながら彼女をからかった。
「えー、なに、俺に会いたかったの? せ・ん・ぱ・い♡」
「こら、あなた彼女いるでしょ?冗談でもそんなこと言っちゃダメ」
はーい、と口を尖らせる素振りをする友人。
「先輩?」
佐久間は思わず声を漏らした。
友人は頷く。
「うん、糸瀬さんは俺らの2つ年上だよ」
驚く佐久間。
どう見ても自分より2つも年上には見えず、なんなら逆に後輩にすら見えたからだ。
佐久間の存在に、春菜はようやく気づいたようで、きょとんとした目を向けた。
「うん? この人は?」
「紹介するよ、佐久間大介くん。Snow Manの……って言ったらわかる?」
「えっ……!」
今度は春菜が息を呑み、目を丸くした。
同じ大学に現役のアイドルがいるという噂は知っていたけれど、まさか今、自分の目の前にいる男の子がその人だなんて思いもしなかったからだ。
「はじめまして、佐久間大介です」
佐久間はいつもの、テレビで見せるような「アイドルスマイル」を浮かべて挨拶した。
対する春菜は、驚きで少し身体を強張らせながら、ぺこりと頭を下げる。
「は、はじめまして。糸瀬春菜です」
これが、僕たちのすべての始まりだった。
#ご本人様には関係ありません
るる

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コメント
1件
るるさん、第2話、拝読しました✨ 中庭での偶然の再会、胸が高鳴る素敵な出会いでしたね。特に、春菜さんが読書している姿から顔を上げる瞬間の「パッと花が咲くような表情」という表現に、佐久間くんの目に映る彼女の輝きがぎゅっと詰まっていて、とても印象的でした。年上だと知って驚く佐久間くんの純粋な反応も可愛くて、この先のふたりの距離感がどう変わっていくのか、すごく気になります🍀