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前回の振り返り!

佐野 鈴音はブラコン である。

本編!

1日の学業が終わり、放課後になった。

私はどの部活にも所属していない。早く帰って、バイトに行かなければならない。

なんせ うちの弟は 食い盛りだからな!

私のお父さんとお母さんは二人とも死んだ。しばらくは、母方のじいさんとばあさんに食費やら 学費やらを払ってもらっていたのだが、じいさんもばあさんも認知症を患い、最近 施設に入ったばっかりだ。

弟は中学2年生で、バイトができる年ではない。だから私が弟を支えてやらなければならないのだ。

大体 学校が3時半に終わり、そこから 猛スピードで自転車を漕いで、4時にバイトが始まる。5時半まで働いて家に帰るのが6時で、夜の10時まで家にいて弟が寝てから3時まで働いて、6時に起きる。学校がある日は だいたいこんな感じで過ごしている。

今日は先輩に怒られることもなく、バイトが終わり、非常に運がいい。

とても気分が良かったので、少し寄り道をして帰ることに。

小さい頃お父さんとよく行った、河原の土手に腰をかけた。

水面に夕日が反射して、色あせていた出来事がより鮮明に、赤く残酷に、ここら一帯を染めた。でもこの夕日はあの日とはどこか違っていて、お父さんが近くにいるような気分なのに、とても遠くに少し寂しく感じた。


黄昏ていると、男に声をかけられた。


『こんにちは、死のうとしているのですか?』

あまりにも突拍子のない内容とその優しい声が、噛み合わなくていびつで気持ち悪いと思った。そして、 あることを思い出した。

____そうだ ここは自殺の名所だ。

その男は ヘラヘラと話し出す。

『僕もちょうど 死のうと思ってたんですよ、それでもあまりにも綺麗なお嬢さんがいたもんで、なぜだか、、声をかけてしまったんですよ』

その男の雰囲気は父に似ていた。話し方や声色、匂いさえも…

それでも私には分かっていた。父がもういないこと。

『お嬢さん、もう日が暮れるから家に帰った方がよろしいかと、それに見知らぬ男の死に様なんて見たくありませんよね。』

「あ、あの…」

私は急ぎ口で言った。その男は 本当に死んでしまいそうな気がしたから、

「わ、私が言えることではありませんが、あなたが死んでしまいたい理由もわからないけど、あなたには、っしんでほしくない…」

人と話すのが久しぶりすぎて、声が震えていた、最後らへんは声が小さすぎて聞き取れなかったかもしれない。それでも伝えたかった。私のお父さんは死んでしまったから…あなたは死んでしまうのには若すぎるから、


『そうですか、まだ私が 生きることを望んでくれる人がいたのですね、それなら、あと少し 生きてみてもいいかもしれません。』

男はそう言って犬歯をみせて、にぃっと笑った。

私の心臓が、ドキリと 脈を打った。

だ、駄目だ、抑えなきゃ…

『それでは、また明日。鈴音さん…』

そう言うと男は歩いて行った。

男は頬を赤らめ、口元をかすかに歪ませた。

『やぁっと逢えた僕を殺してくれる、最愛の人…鈴音さん♡』

鈴音さんは愛せない。

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